
木造校舎ではなくRC造(鉄筋コンクリート造)ではありますが「番外編」として。
今から10数年前には「解体、改築問題」でマスコミにも取り上げられ、やっと命拾いをしたかと思えば
今度は3年ほど前から「聖地」と勝手に名付けられ、「けいおん!」だか何だか分かりませぬが
何かと話題に上る、滋賀県犬上郡豊郷町「豊郷小学校旧校舎郡」。
初めて訪れ、見学させて頂きましたが「素晴らしい!」の一言に尽きる。
昭和12年(1937)、卒業生でもあった「古川鉄治郎」が建築家「ヴォーリズ」に設計を依頼し建設の後、寄贈。
階段の手摺笠木上には「イソップ童話」をモチーフとした「兎と亀」のブロンズ像が今でも現存する。
「兎が寝てる間に亀は・・・」の階段踊場、折り返し部分。
居室(教室)から廊下への扉や窓は西洋人の設計らしさが見受けられる。
ドア下の黄色いラインはドアの可動範囲を表し、「この部分は注意」を表す。
こちらは、最後の卒業生でしょうか。。。名札が残ってる下足箱。
「解体、改築問題」の折、同時に解体予定であった別棟「講堂棟」
少し、座り心地の悪い長椅子に座るも、その空間に圧倒される土花吉。
資料室に展示してある当時のヴォーリズによる設計図(矩計図)の複製パネル。
この日はGW中でもあり「聖地巡礼」とかいう一種異様な雰囲気のヒト達が多く訪れていた。
「痛車」で乗りつける者、コスプレで歩いている者、自前のフィギアを持ち込みそれを構図に入れ
撮影する者。ざっと観た感じでも100名にも及ぶ、建築文化にはまったく興味も無いようなヒト達で賑わう。
資料室の展示には目もくれず、この建物の75年にも及ぶ歴史や、寄贈した「古川鉄治郎」という人物。
そして建築家「ヴォーリズ」の設計意図。「東洋一の小学校」とまで賞賛された建築。
この建物を残すために地元町民が町長と町議会を相手にどれだけ苦労したのか。
たまたまアニメの舞台モデルになってしまったが故、騒々しい学校と化してしまう。
それを「アニメ文化」と言えばそれまでではあるが、駐車場でもない場所に痛車を駐車したり
ただ単にそこに居座るのではなく、ほんの少しでも建物の歴史や経緯を感じとってもらいたいものです・・・。
そんな、次は「木造校舎の旅」へ戻ります。。。
ご存知かもですが、篠山にも木造校舎ありますよ。
何度も前を走ってるんですが、写真に撮った事はないですけど。
まだまだ学び舎として活躍中。
http://yakami-el.sasayama.jp/
この「兎と亀」のブロンズは有名ですが、実物の質感ええですよ。
「聖地」などというのが無くなった頃に訪れる価値、大有りです。
何故かGWは「廃校」ばかり巡ってますが「現役」とは
知らなかったです。生徒は幸せものですよね。
篠山。中々、訪れる機会はないですが、いつか
「現役木造校舎」も観て見たいものです。