パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

昭和の時代、ハロウィンは万聖節と訳していたようだ

2013-10-27 07:13:30 | Weblog
アメリカ旅行記はおいておいて、、、
ハロウィンで思うところがありました。



昔、子供の頃、60年代後半から70年代前半ぐらい、アメリカに住んでいたことがあって、その時、この「奥さまは魔女」(放送年は自分がちょうどいた頃だ)のビデオのように近所の家をまわってお菓子をもらった記憶があった。楽しい思い出だ。そして90年代後半、アメリカ留学した時にハロウィンだとお菓子を用意しないといけないのか?と疑問に思って知り合いに聞いてみたが、今時、お菓子をもらいに来る子供なんていないよ。と言われてしまった。

そういえば、1992年にある日本人留学生がハロウィンの日に家を間違えて射殺され、容疑者は正当防衛で無罪の判決だった事件を思い出した。考えてみれば容赦なく銃で撃たれるような他人の家かもしれないし、危なくてお菓子をもらいに行くはずがないではないか。奥さまは魔女の時代、自分がアメリカで子供時代を過ごした時からその時で25年足らず。10年ひと昔とは言うけれど、70年代~80年代の間にアメリカは変わってしまったと思ったら、どうやら1974年、ハロウィンの日に実の子を青酸カリ入りキャンディで保険金殺人した事件があってから色々な噂が広まり(都市伝説?)、そういった習慣が徐々にすたれたようだ。

この「奥さまは魔女」の吹き替えではハロウィンを万聖節と訳していた。日本での吹き替え放送は本国での放送から少しずれて昭和40年代前半頃らしいので、当時の日本にはハロウィンという概念がなかったのだろう。考えてみればハロウィンなんて言い出したのはここ10年ぐらいのような気がする。日本ではアメリカで子供たちが近所をまわってお菓子を集める日と信じられているようだが、アメリカでも(多分、ほとんどの所で)そういう日ではなくなってしまっている。

万聖節とハロウィンは同じ日ではなくて、ハロウィンは万聖節=死者の日=Hollowmasの前夜祭Hollow Eveなんだそう。Hollow Eve がなまってHolloween ハロウィンになったらしい。で、死者の日なのでヨーロッパではお墓参りをするらしい。日本でいう所のお盆、あるいはお彼岸みたいなものらしい。万聖節が終わると冬が始まるわけで冬=死のイメージがあり、本来は冬の到来の前に死について真剣に考える日なのであろう。

伝道の書 第7章 1~2節
名声は香油にまさる。死ぬ日は生まれる日にまさる。
弔いの家に行くのは酒宴の家に行くのにまさる。そこには人皆の終りがある。


Time present and time past
Are both perhaps present in time future
And time future contained in time past.
by T.S. Eliot


ところで、医学生の頃、毎年、年によって日は違うが、10月の終わりぐらいから11月初めごろに「解剖学慰霊祭」が大学であった。解剖学実習のために献体いただいた方々の慰霊祭だ。調べてみると6月に行う所もあるが、だいたい全国で10月から11月に催されるようである。日本なのでお彼岸、お盆に行ってもいいようなものではあるが、お彼岸(3月、9月)、お盆(8月)、盂蘭盆(7月)に行う所は無いようだ。万聖節=死者の日=Hollowmas に近いことからキリスト教文化が関係しているのかもしれない。


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9 コメント

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Unknown (miniko)
2013-10-28 11:01:48
orthoさん、お元気ですか?お忙しいご様子、大丈夫ですか?
この時期のNYは、黒ずくめで黒い羽を付けた美しい女性とか、顔を真っ白に塗って、血みどろ柄のtシャツの男の子とか、色々、仮装している人が多くて面白いですよ。1992年の事件は覚えてます。容疑者は日本人留学生に「フリーズ!」と言ったのですが、留学生は「フリーズ」の意味がわからなかったのでしたよね?
私の住んでるマンハッタンはアパートばかりで、一軒家ってのがないのでお菓子を出せと廻るのって、結構無理そうですね。きっと、同じマンションの住人同士なら出来るんだろうなあ。と、思いますが、、、。
先週はロンドンにいたんですが、レストランで食事していたら、突然3人の子供達が怖いお面を付けて入って来て「トリック オア トリート!」と、驚かせてくれました。かわいかったです。
Unknown (リカ)
2013-11-01 20:16:02
こんばんは~☆ブログの更新されてる!

私もあの事件は覚えています。私もそれで「フリーズ」の意味を知りました。(今朝、主人と話していたとこです・・)

ハロウィンなんて最近ですよね!バレンタインも昔はなかったたしいですね~(私は子供時代からありましたよ^^)
日本とアメリカとはバレンタインの風習も違うみたいですが・・
ヨーロッパはお彼岸やお盆みたいな感じなんですね~へぇ・・・

息子の通ってる大学でも慰霊祭はあるみたいです。。
色んなことに感謝する日でもありますね・・・。
伝道の書の訳 (Unknown)
2013-11-10 01:00:18
面白かったです。
誰が訳されたのか教えていただけませんか?
お元気ですか? (田舎のデグー)
2014-03-10 21:46:21
パン焼いてらっしゃいますか!?

息子はおかげさまでもう2歳です。
末の娘さんには負けそうですが、
(まだスプーンは逆さ持ちしています)
なかなか器用な子に育っています。

パンも少しはましに焼けるようになってきましたよ。
またパンのお話もしたいです。

これからまた季節の変わり目ですから、お身体お気をつけてくださいね。


お返事できなくてすみません (ortho)
2014-03-22 01:36:32
miniko さん、リカさん、田舎のデグーさん

仕事が忙しくなった上、休みも子供の中学受験で自由な時間と余裕が無くなってしまい、お返事できなくてすみません。
一応元気です。パン焼きはほとんどしていない状態ですが、もう少したつと余裕ができてブログ更新も細々とできるのではないかと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

>伝道の書の訳
多分、新共同訳聖書だったと思います。



orthoさん! (miniko)
2014-03-31 14:39:12
orthoさん!Yeah!!!
お元気ですか?
お子様の中学受験、うまく行くことを祈っております。
Unknown (miniko)
2014-04-01 10:56:21
orthoさん,
今日、ダンさんと私はマイアミからnyに帰って来たんですが、空港でタクシー待ちの長い行列のなか、ダンさんは、T.S. Eliotの Aplil is the cruellest month,に言及しながら、「帰って来たらもっと、暖かいと思っていたのに~~~。四月はやっぱり、厳しいぜ~~~。」と愚痴っておりました。
元気です (ortho)
2014-04-05 00:44:27
minikoさん、ご無沙汰しております。

地方から都会に出てきて準備期間が約10ヵ月たらず。
中学受験は大変でした。
数校受けてことごとく不合格。だめだと思っていた最後の第1志望校のみ合格という意外でハッピーな結果でした。

不合格のたびに反省して急に勉強しだす子供を見て受験は精神力が一番重要なんだなとあらためて感じさせられました。

TS Eliot 大好きです。
ところでEliot なら今の季節は Little Giddingの一節、これですかね。

What we call the beginning is often the end
And to make and end is to make a beginning.
The end is where we start from.

でも、April is the ....を聞くたびに梶井基次郎の檸檬の一節
「桜の樹の下には屍体が埋まっている」を思い出します。





元気で良かったです。 (miniko)
2014-04-07 21:04:06
娘さんの第1志望校合格、おめでとうございます!
よかったですね。これからが楽しみですね。わくわくしちゃいますねー!

梶井基次郎の檸檬!ああーー!!!衝撃の作品。はい、桜を見るたびにこの「桜の樹の下には屍体が埋まっている」は、脳裏を横切ります。

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