るるの徒然

気持ちの赴くままに、つらつらと。

檜枝岐の曲げわっぱ

2016-05-14 | 日記
ゴールデンウイークに檜枝岐村(ひのえまたむら)という所に行ってきました。
ここで作られている曲げわっぱがお目当て。

曲げわっぱといえば秋田のものが有名ですが、数年前に福島でも作っているところがあると聞いて以来、せっかく買うなら地元のものを、とずっと思っていたのです。
が、檜枝岐村は同じ福島県内にも関わらず、近くでその品を置いているところは皆無。
少し足を延ばして会津に行っても取り扱いはなし。
檜枝岐村まで行かなければ確実に手に入る場所はなさそうということで、ずっと行きたいと思っていたのですが、何しろ遠い。
同じ県内な、そして私の住んでる場所はどこに行くにもアクセスが良いと言われる県の真ん中・郡山なのに、檜枝岐はとても遠くて。
高速道も鉄道も近くをまったく通っていない極めて不便なところなもので。
それがネックでずっと行けずじまいだったんですよね。

それが今回は、車で近くの南会津まで行くことになったので、この機会だから檜枝岐にも行こうということになりました。
バンザーイ\(^o^)/

朝7時半に家を出て、会津まで高速を使ったにも拘らず、着いたのは午後3時半。
最短ルートではなかったし途中数回の休憩は挟んだこともあるけど、それにしても遠かったです^^;;;
福島県って日本で3番目に面積の広い都道府県なのですが、それを実感しましたわ。
ちなみにナビ検索では最短ルートで郡山~檜枝岐が5時間くらいです。

で、そんな時間をかけて出向き、手に入れたのがこれです。




黒檜(地元ではネズコと呼ぶのだそうです)を使った曲げわっぱ。
白木のままで漆やオイル等の塗り物は一切なし。
檜のいい香りがします。


一般的な曲げわっぱの蓋って浅いものが多いんですが、ここのは蓋にも深さがあるのがお分かりいただけますでしょうか?
この蓋の閉まり具合が絶妙で、蓋だけ持っても容器が落ちたりしないし、かつ、きつくて蓋が開かないこともない。
お店で手に取ってまずそれに感動。

木製品なので一つ一つ大きさが微妙に違うのに合わせて蓋も絶妙に合うよう作ってあるから、容器と蓋を別のペアのものと組み合わせたら合わなかったりします。
当たり前の事なんだけど、本当に機械化されていない手仕事なんだなと見た目にわかるのがとても良かったです。


手に入りやすい秋田の曲げわっぱではなく、あえて檜枝岐村のものにした理由がもうひとつあります。
それは、この曲げわっぱを作る職人さんが村でたった一人となってしまっていること。
この優れた技術と伝統を買い支える人がいないと絶えてしまうという思いがあります。
それと、材料となる良質な黒檜もだんだん減ってきているのだとか。


手仕事フォーラム ネズコの曲げ物
http://teshigoto.jp/serial_report/kuno/vol23.html


そのたった一人の職人さんである、星さんの動画を見つけました。
このお話は興味深かった。

南会津の笑顔 # 檜枝岐村「曲輪-まげわ」の達人 鶴ヶ城の秘話?



つい先日、たまたま秋田の大館曲げわっぱを特集した番組を見ました。
大館の曲げわっぱには杉を使っており檜は使いません。
その番組で言うことには「檜は強度がない」のだそうです。

檜枝岐の黒檜を使った曲げわっぱは標高の高いところに生えている良質の木を使う。
厳しい環境で育った木を使うことで強度の面を補っているんじゃないかと一人合点がいったのでありました。


さて、その曲げわっぱ。
早速お弁当箱として使いましたよ。



プラスチック製のお弁当箱を長い事使っていたので使ってすぐその違いにびっくりしたのですが、
木がごはんの湿気(湯気)を吸いこむぶん、曲げわっぱのほうがご飯の温度が下がるのも早いと思いました。
湯気が立っているうちにお弁当の蓋をしちゃうとごはんが痛みやすくなるって言うじゃないですか。
上記の動画で星さんが「ごはんが痛みにくくなる」というのもなるほど蒸気がすぐ抜けるからかと納得。
忙しい朝のお弁当作りにまさにピッタリ、理に適った良い品と思います。
そして木の香りがいいです。

因みにお値段、私が買ったものはその時お店にあった中で一番大きいサイズの曲げわっぱでお値段なんと4500円ちょっと。4000円前後が主流サイズで小さいものは2000円くらいからありました。
伝統工芸品である秋田の製品に比べたら半分くらいじゃないでしょうか。
中国製品だって近所のお店では3~4000円くらいします
檜枝岐の曲げわっぱは伝統工芸品ではなく日常使い向けの製品だからとのことですが、ちょっと安すぎやしませんか。
田舎ならではの商売下手、謙虚さでしょうか。
知られてないのが勿体無いです。

思った以上にお買い得だったので、二個買わせていただきました。
大切に使っていきます^^


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3 コメント

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このお弁当箱を持ってお散歩がしたい。 (SERUNA)
2016-05-17 11:59:23
こんにちは。
こんなに立派なお弁当箱が2000円とは安い!
ちゃんとした国産の木の弁当箱というと、
どうしてもお高いイメージばかりが付き纏いますが…
いやはや、これは良い買い物をしましたね。

それにしても、古くからの物を作る職人さんの数が
どんどん減っていることはとても深刻な問題ですよね。
伝統を受け継ぐ人がいないのは非常に勿体無い事ですし、
寂しくもあります。我が静岡にも井川メンパと呼ばれる
伝統工芸品があるのですが、それを思い出しました。
(こちらも職人さんが減少しているようです)
スミマセン、訂正 (SERUNA)
2016-05-17 12:05:19
2000円のはおそらく動画の中で職人さんが
比較して見せていた小さなものですね。
るるさんが購入したのは4500円ちょいと、
でもやっぱりお買い得だと思います。
お買い得でしたよ~ (るる)
2016-05-17 21:32:39
>SERUNAさん

このサイズが4500円ちょっと(正確に言うと税込みで4620円)でも純国産にしては安すぎ!って思いました。
家の近所で売っている同じくらいのサイズのわっぱ弁当は、中国産(しかも薄い木と木の間にウレタン材が挟んであるわっぱ風弁当箱)でさえ4300円+税という値段でしたし、秋田の大館曲げわっぱだと10000円近いですね。知名度が低いことと伝統的工芸品指定でないことで素晴らしい技術もこんな値段になってしまうものかと不公平な感じさえしました。
買う側にとっては安いほうがありがたいですけどね。
ただ、若い人が職人さんに憧れ、その仕事に誇りを持ち食べていける環境にならないことには後継者が出てこないのは当たり前。この値段でそれができるのか?という疑問は正直なところお店で商品と値段を見てすぐに思ったことです。
静岡のメンパ作りの職人さんも後継者不足なのですか。伝統工芸品として名前が知れていても後継者不足なのは厳しいですね。。。(><)


最安の2000円台の曲げわっぱは、手のひらサイズの円形、おそらく直径10センチ、高さが7センチ程度の品だったと思います。小食の向けのご飯入れだったり、お弁当とは別に果物だけ入れる容器として使うような感じのサイズかなあ、って思いました。
私は食いしん坊で「大は小を兼ねる!」的な考えなので、一番大きいサイズを買ってしまいましたが^^;、万が一少食になることがあったら小さいのも揃えたいですw

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