木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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誰でもデザイナー

2006年08月29日 | 工業デザインとは(相談室)
◆人は誰でも「デザイン」をしています
34:【デザイン相談室】考え方13


 こんにちは!「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。

 記事の目次
 デザイン相談室の目次    デザインの考え方と運用について
 デザインのコツ・ツボの目次 商品企画とデザインワークについて
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デザイン導入セミナー

 すみだ中小企業センターの方と、今、中小企業向けに「デザイン導入セミナー」の準備をしています。(なんと、私が講師です。頑張らねば。(苦))

 さて、その打合せの中で、今回のセミナーの目的は、デザインに興味はあるけれども(セミナーに来るのだから、興味があると言う前提です)、二の足を踏んでいる中小企業の方に最初の一歩を踏み出していただくきっかけ作りです。

 したがって、「そもそもデザインとは何ぞや?」というような大上段に振りかぶったセミナーではなく、デザインは、日常的な行為だし、生産に関わっている方にとっては、ある意味避けて通れないものなんだと言うことを、なるべく噛み砕いて説明するべきだろうという方針で考えています。

 8月は、そのセミナーの草稿のつもりで、数回に分けて、デザインをなるべく分かりやすく説明しようと考えています。最後は、「人は誰でも「デザイン」をしていますよ」というお話です。


旅行の準備とデザイン

 例えば、海外旅行の準備とデザインについて。

 気軽に海外旅行にいける時代ですが、それでも、行くとなるとそれなりの『準備』をします。着替えや常備薬や現地の観光ガイドに通訳の本(今なら、PSPかな?)。それに飛行機の中で退屈を紛らす本などなど。旅行先で起こりうることを想像して、いろいろな『準備』をします。旅はその準備の時期が一番楽しいかもしれないですね。

もう少し、その『準備』の内容を考えてみましょう。

例えば、家族でバカンス(ちょっと表現が古いかな?)、一週間のハワイ旅行の場合。

せっかく遊びに行くのだから、ちょっと奮発して新しい水着やサングラス。日焼け止めと大き目のツバの帽子はお母さんの必須アイテムでしょう。普段地味な格好のお父さんに、派手な柄のアロハシャツなんていいかもしれません。

でも、ハワイに行くなら、ダウンジャケットは要りません。手袋も要らないし、スワヒリ語の辞典も不要です。当たり前ですね。

 でも、『準備』とは、そういうものです。必要なものと不要なものを選択しながら、もっとも重要なものを用意していくこと。海外旅行に限らず、日常の中でだれでも意識せずに行っていることですよね。

実は、この『準備』は、すべて『デザイン』です。

もともと、名詞の「デザイン」とは「企画」や「計画」のことであり、動詞の「デザイン」とは、「計画」を立て、その『準備』をすることです。上の喩えで言えば、「製品開発にあたって、起こりうることを想像して、必要なものと不要なものを選択しながら、『準備』をすること。」です。

 そのように考えれば、名詞も動詞もひっくるめて、「デザイン」は、誰でも日常的に行っていることですよね。


デザインは贈り物

 ハワイ旅行の話をしましたが、製品開発とは、自分がハワイに行くわけではありません。ハワイに行く友人のために、何か「贈り物」をしてあげようと考えることです。以前、デザインは「贈り物の心」だと書きました。

 友人(ターゲット)が、ハワイに行く(ニーズ)にあたって、何を贈られたら一番喜ぶか、そして、何を贈ったらもっとも自分らしい(シーズ)か。それが、「製品開発のデザイン」です。

 俺にはこれしかない(これしか作れない)からと考えて、ダウンジャケットやスワヒリ語の辞典を贈っても、絶対友人は喜んでくれません。

 「ターゲット」「ニーズ」「シーズ」を、上のように具体的に想像できたら、きっといい『準備』や『贈り物』ができるはずです。これが、「商品デザイン」の基本です。


デザインは経験

 ここからは、ちょっと、デザイナーの宣伝です。

上のように考えると、きっと、ハワイに行ったことがある人のほうが、友人の喜ぶ物を贈ることができそうです。

 トム=ピーターズの「デザイン魂」でも、『これからは「もの」を売ることではなく、「経験」を売ることを考えよ』と言っています。

 そのためには、自分がいろいろな経験をすることが、凄く重要になってきています。

でも、一人の人間が経験できることには、限度があります。

 そういう点で、デザイナーの助力を仰ぐとことは、意味があることだと思います。

 デザイナーの経験も限られてはいますが、デザイナーは商品開発にあたって、使いやすさや美的な面での経験を、一般の方よりは、よく考え、よく経験しています。ですので、新たに商品の自社開発を考えておられるのであれば、是非、デザイナーに声をかけてみてくださいね。



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