木全賢のデザイン相談室

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デザイン魂

2005年12月23日 | デザイン系書評100連発


 ●トム・ピーターズの「デザイン魂」
104:【よろず週末版】第4回


 年末ですねえ。明日はクリスマスですね。皆さんは年末をどのように過ごされるのでしょう。

何はともあれ、みなさま、よい年をお迎えください。

と、挨拶しながら、年始年末も通常通り続けますので、よろしく!さすがに、正月はデザインの話から離れた話題を考えています。

 ブログを始めてすでに三個月。何事も三日三個月三年が節目とか。とりあえず、三箇月は続き、どうやら最初の年は越せそうです。


 さて、今回は今はまっている本のご紹介をします。10月に買ってからもう何回も、読み返してます。読み返すたびに新しい発見があり、ほとんど座右の書ですね。一年の計を立てる新年にあたって、是非読んでいただきたい本です。題名はずばり「デザイン魂」。経営コンサルタントの「グル(教祖)」トム・ピーターズの最新刊です。


「デザイン魂」とは

 経営コンサルタントの「超グル」がデザインのことを、こんなに熱く語っているのを読むことは、デザイナーとしては、かなり気持ちいいです。デザインの道を選んだことは間違いじゃなかった、と励まされる思いです。

 この本の内容を一言で言い表すと

「すべての人、お客様も従業員もサプライヤーも家族も誰もかもが、共感できる『夢』に向かって、今すぐ行動しなさい。そこには、愛があり、勇気がある。それがデザイン魂」

 これを硬軟取り混ぜた見事な実例で、説得力を持って、強力にアピールしてくれます。ここまで、デザインを持ち上げられると、すこし恥ずかしくもありますが、私はトム・ピーターズにまったく同感です。

 私の「夢」は「優しさの心」「贈り物の心」に書いています。実は、このブログを始めるために原稿を書き始めたとき、一番最初に書いたのが、この二つの原稿でした。

 私の話は、結局すべて「優しさの心」「贈り物の心」がベースなっているようです。私の夢は皆さんの共感を得られたでしょうか?


共感が大切

 もう一度、要約を書いちゃいます。何度読んでも、いい言葉ですねえ。

 「すべての人、お客様も従業員もサプライヤーも家族も誰もかもが、共感できる『夢』に向かって、今すぐ行動しなさい。そこには、愛があり、勇気がある。それがデザイン魂」

 すべての言葉がキーワードですが、中でもまず、『共感』が大切ですよね。これがないと、何も始まらない。共感を得るにはどうすればいいか。

最近まったく反対の例を見たので、その話をして、「共感」について考えてみようと思います。

 11月のはじめ頃、テレビで働かないニートと大人の討論会が放映されました。大人からの「やっぱり、ちゃんとお金を稼いで自立しようよ」という意見に対して、二十代と思われる一人の若者が反論をしました。


言葉と行動

 「金儲けがそんなに偉いのか。金より愛だろ。」まあ、そんな内容でした。言っていることは間違いではない。しかし、その意見に、大人、若者の誰からも賛成も反対もなく、彼の意見は宙に浮いたまま、気まずい雰囲気を生んでしまいました。見ていた私も、なんだか嫌な感じがしました。

 少なくとも、彼の言っていることは間違いではない。しかし、彼の態度、言葉使いには全く「愛」がなかった。彼は年上の人間を目の前にして、全くタメ口で一切の敬語もなく、怒りすら感じさせる口調で「愛」を訴えた。その場にいる他人に敵意を抱いている人間が「愛」を説く。これは、気持ちが悪い。誰も共感できるはずがありません。

 彼を非難するつもりではありません。本当の彼はいい奴かも知れない。現に彼の言っている「ことば」は正しいのだし。しかし、彼は表現の方法を間違えてしまった。


期待以上の何か

 トム・ピーターズも「ことば」が大切だと言います。しかし、その「ことば」が行動の規範になることが前提だとも、くどいほどに言っています。良いことを言っても、その「ことば」に見合う行動が伴わなければ、共感が得られない。

 だれもが共感できる「ことば」に、共感できる「態度・行動」が伴ったときに、周りの共感が『期待以上の何か』を起こす。そう言っているのだと思います。もちろん、トム・ピーターズは個人にではなく、企業に対してアドバイスしているのです。

 書評だかなんだかわからなくなってしまいましたが、私にとってこの「デザイン魂」は、経営やデザインを超えて、『期待以上の何か』を与えてくれます。とにかく、一読の価値のある本です。是非、正月に手にとってみてください。


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