中露による北朝鮮問題についての提案を日本のマスコミはまったく無視しているらしい。
今日の、「逝きし世の面影」さんがまとめてらした。
典型的なメディアによるフェイク(偽)ニュースの見本
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/49fccf49fd7cfd5978ecd40cff00c212
で、習さんとプーチンによる北朝鮮問題に関する宣言はロシア外務省がフルテキストを出していたので、夕べ読んだ。あとでこのへんにリンクする。
※捕捉:これこれ。
4 July 201715:58
Joint statement by the Russian and Chinese foreign ministries on the Korean Peninsula’s problems
http://www.mid.ru/en/web/guest/maps/kr/-/asset_publisher/PR7UbfssNImL/content/id/2807662
で、「逝きし世の面影」さんが書いていた、マティスの
『マティス氏、北朝鮮に外交主導 米朝戦争「近づいてない」』2017年07月07日 06:48 スプートニク日本
この発言も日本のメディアは拾ってないんですかね?
米メディアでは、複数紙伝えてる。
Mattis: North Korean launch doesn't bring US 'closer to war'
http://thehill.com/policy/defense/340885-mattis-north-korea-launch-brings-us-no-closer-to-war
North Korea missile launch doesn’t bring U.S. closer to war, Mattis says
http://www.latimes.com/politics/washington/la-na-mattis-korea-htmlstory.html
などなど。
要するに、出方を見るに、ニューヨークタイムスとその仲間みたいなところが無視しているが、米軍情報が出やすいところが伝えているっていう恰好では?
ありがちな話。
でもって、最近のアメリカの話の持って生き方の基本ってこれじゃなかろうかという気がする。オバマ政権時代、マスコミがあおって、米の国会議員たちが無責任も甚だしいままに、そうだシリアに飛行禁止区域を設定すればいいんだわ!と大騒ぎをしていた頃、議会の公聴会に呼ばれた統合参謀本部議長、つまり軍のトップの人がこういった。
上院議員:シリア上空を支配するというオプションはどうですか?
ダンフォード将軍:シリアの上空すべてを今支配するということになると、それは私たちに戦争することを求めます。シリアとロシアに対してです。それはかなり根本的な決定です。ですからもちろん私は決定できません。
宴の始末(13) 「飛行禁止区域設定するって、ロシアと戦争だよ」by 参謀本部議長
つまり、あんたたちがチャラチャラ言ってる話を具体化すると、大戦争か核戦争になりますが、あんたたちそれがわかって言ってますか、と示唆したわけですね。
メディアとかシンクタンクとか、戦争と共に儲けようとする軍事に関していえばまったくの素人軍団が、政治的都合やら利害関係者の都合を勝手に付加して、ものすごくいい加減な話を作っていってしまう、というのは、どの国でもある。
軍も、戦争モードを作りたいから、その金魚のフンみたいなメディアを使ってプロパガンダに加担はしてる。でも、しゃれになってないところに来たら、ホントのことを言わないとならないわけですよ。
これまでのところでいえば、総体としての米の軍組織(軍産複合体と≒ではない)はそれを抑えることができる集団のようだが、かつての日本の政治との関係における軍はこれができなかったとも言えますね。
自分で吹いて吹いて吹きまくった、勝てる、絶対勝てる、これこそ正義ってなモードを修正できなかった。(そんなことをしたら、俺の、ワシの立場が崩れるから)
そしてどうやら、今回もダメ?
■ オマケ
そういえば、ウクライナ危機の最初の頃、ウクライナ人という、要するにロシア人と同じ人たちをNATOの支援でキエフ政権という傀儡政権が無茶苦茶に殺しまくっていた頃、一部ロシア人たちは、派兵すべきと大いに盛り上がった。
そりゃそうなるでしょう。ウクライナ人とロシア人って、九州人と東北人より遥かに濃い関係だろうと前にも書いたけど、それどころか、関西人と関東人の方がより適切なぐらいの存在。関西人が殺されるままになっているのを、関東人が救援したいと考えるのは無理からぬことでしょ?
しかし、あそこでロシア人が頭に来てウクライナに突っ込んだら、NATO側の思うつぼでロシアに踏み込まれる、少なくともロシア連邦は大混乱に陥る可能性は絶大だった。
そこでプーチン政権もいろいろ苦労していたのだが、その中にはソ連軍の元帥だった人まで登場していた。
ウクライナ東南部での紛争について熱くなって我が軍を派兵したがっている人がたちがいるが、そんなことは許されない。ドネツク、ルガンスク共和国はウクライナという他国内にある未承認の共和国なのだから、我が軍を派兵することはできない。
つまり、戦略的に現在の政権は派兵しません、とロシア政府がいったらプーチン裏切り者騒動に拍車をかけるだけなので、退役軍人が重石をかけたということかと思う。
http://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/18b4c772bb285b97775deea3ea30a2c2
そう。プーチンはロシア人を裏切ってるという騒ぎが結構大きくなっていたので、元帥が登場して、責任ある軍の立場からはそのようなことはできない、静まれ、と言った、あるいは言ってもらった格好だったと思う。
国軍フェチの私としては、日本の軍組織は、1945年に至るまでの経緯を顧みることがない限り、「国軍」にすべきではない、そして、本当の意味ではなれもしない、と考えるのはこのような事例を考えてしまうからです。一番苦しい時に、批判、非難を引き受けられること、それが自律と抑制の証明みたいなものだと思うわけです。軍フェチであるが故に軍には厳しいとも言うが。
稲田的なものに腹を立てるのもそれ。
岩盤破壊ツールとしての稲田
いやほんとに。ここが戦後史の肝かもなぁとか遠い目です。
好むと好まざるとにかかわらず、連合国(実質米ソ)には相応に優れた点があったし、今もある。
私の現在の考えでは、問題はハルマゲドン主義の有無、または優勢 or コントロール可能か、だと思う。