20歳代前半に、村山節さんという人の「文明の研究」という本を読んだことがある。この本に出会ったのは、出張中の地方の駅前にある本屋で、電車の来る時間が少しあったので、立ち寄った時のことだった。
世界史が800年周期で、西洋文明、東洋文明の順に興亡を繰り返しているという説の本で、分子生物学でワトソン・クリックが発見した遺伝子DNAの2重らせん構造のように、と言う表現に大変興味を持って出張中で荷物になるが、購入した本だった。
私は、当時、本屋には頻繁に通っていたのだが、不思議なことに、その本は、都会の本屋では、見たことがない本だった。
西洋と、東洋が800年ごとに隆盛を繰り返して入るさまが、DNAの2重螺旋のようだというのだ。村山節さんは、若いときに、世界史の年表を、数千年分、等間隔に年表に記載していったそうだ。通常世界史年表は、紀元前などは、等間隔には記載されていないことが多い。しかし、村山さんは、あえて長い絵巻物のように紙をつなげて、100年を○センチというように等間隔に記載していったのだ。本の年表を鵜呑みにせずに、自分で年表を作成したのだ。
そういう中から、この800年周期説を提唱していらっしゃった。800年周期説とは、往復で1600年、西暦では0年から関が原の合戦までで、文献上の日本史はすっぽり入ってしまいそうだ。
中国4000年の歴史でも、800×5である。ずいぶん壮大なスケールの本だな、と思ったものだ。
1999年頃に、浅井隆氏とともに、「文明と経済の衝突」という共著を出版されたときには、共著者に少し驚いたこともあった。
話は変わるが、学生の頃に原っぱで見慣れない可憐な花を見つけて、図鑑で調べたことがある。ネジバナという名前だった。薄ピンクの可憐な花で、ネジのように螺旋状に花がついているので、この名がついたそうだ。
自分としては、見たことがなかったのだが、調べると、図鑑には、しめった草むらには結構生えていると書いてあって、びっくりしたものだ。これもらせん状で、右巻き、左巻き、両方あるとのことだった。そういえば、人間のつむじも同様だ。
目に見えないDNAから、巻貝などの例もあり、自然界にはらせん状というのが存在しているのだなと思う。
村山節さんの東西両文明の800年周期説から、自然界の螺旋の話になってしまった。
800年周期説で思い出すのは、トインビーだ。シュペングラーの「西欧の没落」と言う本も思い出す。それらの本によると、2000年頃から本格的に東洋の時代になっているのだ。
日本も東洋の日の昇る国として、光る国として世界平和への貢献や、唯一の被爆国として、核兵器廃絶へのコンセンサスを創る国、あるいは、四季折々、神社が森と共生してきたように、田園風景広がる風景、山川草木豊かな、青い海のある、美しき国として、地球環境保護などの面からも世界に、地球に貢献できる日本でありたいものだ。