



バンクーバーオリンピック大会14日目の26日は、フィギュアスケートの女子シングル・フリーが行われました。24日のショートプログラムでは、キム・ヨナ(韓国)が78.50点の高得点でトップ、浅田真央選手が73.78点で2位、地元カナダのジョアニー・ロシェットが71.36点の3位で折り返しました。日本勢の残り2人は安藤美姫選手が4位、鈴木明子選手が11位でした。迎えた最終日のフリー演技、「真央VSヨナ」の戦いに遂に決着の時が来た!2人の差は約4.7点以上、このままキムヨナが逃げ切るか?それとも浅田選手の逆転金か…。
フリー演技はSPを通過した24人で争われ、滑走順は、鈴木選手が14番目、安藤選手が20番目、キム・ヨナが21番目、浅田選手が22番目、ロシェットが23番目、大トリの24番目に長洲未来(アメリカ)が登場します。
第3グループの13番目、SP11位の鈴木が登場。逆転での入賞を狙うには、大きなミスは許されないところだ。使用曲はバーンスタインの「ウエストサイド・ストーリー」。まず最初のトリプルフリップ+ダブルトゥループ+ダブルループの3連続ジャンプを完璧に決める。トリプルトゥループ→シークェンス→2回転ジャンプも成功。高くて正確のあるジャンプを続々と決め続ける鈴木だが、トリプルフリップが2回転になってしまう。それでも鈴木の表情は変わらず。コンビネーション系のジャンプもしっかり決めた後、トリプルサルコーで回転オーバーでよろけそうになるもセーフ。「マンボ」に変わると、鈴木のステップが激しく躍動的になる。最後のスピンもしっかり決めてフィニッシュ!終了直後、鈴木は達成感からか涙を浮かべていました。初五輪で悔いの無い演技を披露した鈴木の得点は120.42点、合計181.44点で13人終了時点で首位に立った。
この後登場したコストナーは、ジャンプの転倒が相次いで自滅。88.88点という低い点数に終わり、入賞を逃した。レピストは音楽が途中から流れるというトラブルで仕切り直したが、完璧な演技で合計187.97点でトップに浮上。第3グループ終了時点でレピスト首位、鈴木が2位。残り6人となった時点で鈴木の8位以内の入賞が確定しました。
第4グループの第2滑走者に安藤美姫がリンクイン。フリー曲「クレオパトラ」にちなんで、衣装やメイクもクレオパトラっぽいですね。激しいステップで始まると、最初の3回転+2回転のコンビネーションを成功。シークエンスを入れた2回目のコンビネーションもしっかりと決めてきた。高さもある。トリプルループからのスピン、スパイラルシークエンスも安定している。後半に入り、ステップで手拍子が上がり、3連続2回転ジャンプも成功。最後のステップ&スピンも冷静に決めて演技終了。終始落ち着いた演技を披露した安藤の得点は124.10点。総合で188.86点で首位浮上。
21番目、SP首位のキム・ヨナが登場。名前が呼ばれると会場から大きな歓声。フリーで使う曲は、ガーシュインの「ピアノ協奏曲ヘ長調」。最初のトリプルルッツ&トリプルトゥループの連続3回転は、いずれも高さがあって綺麗に決まる!トリプルフリップや3連続ジャンプも確実に成功。表情も落ち着いており、2つ目のコンビネーションジャンプも高い。ステップで笑顔を見せると、トリプルルッツもしっかり決めてきた。最後まで完璧な演技を見せたヨナは、終わると同時にガッツポーズ。そして重圧から解放されて涙を流す場面も。そして場内も大歓声!キスアンドクライで笑顔を見せたキム・ヨナ、フリーの得点は150.06点!合計228.56点のハイスコア!自分の得点に驚いてガッツポーズ!もはや金メダルを確信したようだ。
そして22番目、浅田真央がリンクに上がる。キム・ヨナを超えるためには、フリーで155点以上のジャンプを出さなければいけない。浅田のフリー使用曲はラフマニノフの「鐘」。バンクーバーの夜に歓喜の鐘が鳴り響くか?浅田はフリーでトリプルアクセルを2回挑戦すると明かしており、2度決めれば逆転は可能だが…。まず1回目のトリプルアクセルをしっかり決めてきた!ステップを入れた後、2度目の3回転半も成功、そしてダブルトゥループのコンビネーションで繋げてきた!3回転&2回転のコンビネーションも完璧、スピンで拍手、スパイラルで歓声が沸く。
ここまでは順調だった浅田、しかしここで信じられないミスが…。3連続ジャンプの1つ目のトリプルフリップで着地が乱れると、トリプルトゥループを飛ぼうとした際、足を引っ掛けて1回転に。ダブルアクセルとスピン、ステップで挽回をはかる。浅田は演技が終わって一応笑顔で歓声に応えたが、キスアンドクライに入ると、思っていた通りの演技ができずに落ち込む。フリーの結果は131.72点、キムヨナの得点には及ばず。合計205.20点で浅田のバンクーバーは終わった。
最終成績
金メダル:キム・ヨナ(韓国) SP 78.50点 フリー 150.06点 合計228.56点
銀メダル:浅田真央(日本) SP 73.78点 フリー 131.72点 合計205.20点
銅メダル:ジョアニー・ロシェット(カナダ) SP 71.36点 フリー 131.28点 合計202.64点
4位:長洲未来(アメリカ) 190.15点
5位:安藤美姫(日本) 188.86点
8位:鈴木明子(日本) 181.44点
キム・ヨナ選手がSPとフリーで高得点を叩き出し、228.56点という世界最高得点で金メダルを獲得。浅田選手はトリプルアクセルを2度成功したものの、ジャンプのミスが大きく影響して銀メダル。ロシェットが銅メダルを獲得し、SP6位の長洲選手が4位。安藤選手は5位、鈴木選手は8位入賞を果たしました。
終わってみれば上位3人はSPの順位と同じ、「真央VSヨナ」のライバル対決は、キムヨナの大差の圧勝で幕を閉じました。ヨナ選手は2回とも完璧な演技で、精神力の強さも大きかった。フリー演技ではジャンプも高さもあり、見栄えもよかったです。技術点で78.30点、構成点では71.76点、ともに70点台を超えました。もし浅田選手がノーミスで終えても、ヨナ選手の届かなかったかもしれない。
金メダルを期待されていた浅田選手、奇跡は起こりませんでした。3回転半のジャンプを2度決めたのに、中盤でのミスが連発した事が痛かった。試合後のインタビューでは悔し涙を流し、4年後のソチ五輪を目指す事を明かしました。19歳だから年齢的にも再挑戦できる、バンクーバーで果たせなかった夢を次こそは叶えてほしいものです。本当ならメダル獲得で「おめでとう」、「よく頑張ったな」と言いたいところだけど、銀メダルに終わったので残念としか言えません…。トリノの世界選手権では金メダルを獲ってもらいましょう。
入賞組では、5位の安藤選手は連続3回転を避けて3回転+2回転に変更、最後まで落ち着いた演技を見せたんですが、SP4位から1つ順位を落とす結果に終わりました。4年前のトリノとは全然違うところを見るも、表彰台には届きませんでした。安藤自身も4年後に意欲を見せておりました。フィギュアの世界で26歳は「ベテラン」、ソチでは円熟味のある演技が見られるのではないでしょうか?8位入賞の鈴木選手は、合計で自己ベストを更新し、SP11位から順位を上げました。インタビューでは「まだチャレンジしたい」と現役続行に前向きな発言も。これで満足するわけにはいかない、体力の続く限り頑張ってもらいたい。





この安藤の写真は綺麗ですね。
安藤ファンとしては、引退すると思っていたのでソチまでやると聞いて、うれしい反面、また四年間苦労をさせると思うと気がひける面もあります。本人がやりたいならまた一生懸命応援したいと思います。
TBありがとうござます♪
自分もこの歴史に残るかのフィギュア女子を堪能出来ました!
真央チャンのソチでの活躍をまた期待したいですよね。これからの4年間のがんばりや活躍も見届けたい!ですね。
試合後のインタビューの悔し涙をみると…こちらも本当に(今でも)泣けてきますっっ(>_<、)ゥゥ....
いきなり失礼しました。
安藤選手が現役続行、4年後も目指すということで、また楽しみができましたね。ソチでは浅田選手と共にメダル獲得に期待したい。
・shihukuさん
浅田選手の悔し涙は何度見たんだろう…。次の五輪では更に成長した浅田選手が見たいですね。もちろん金メダルでしょう!