現在全ボクシング界の頂点に君臨するフィリピンが生んだ超人、マニー・パッキャオ選手の次戦、空位のスーパーウェルター級王座決定戦として行われる元ウェルター級王者のアントニオ・マルガリート選手との一戦が間近に迫っています。
フライ級から始まりSB、SFe、、L、SL、Wの5階級を制覇し、そして今回契約ウェイトとは言えスーパーウェルター級の王座決定戦に臨むパッキャオ選手。階級アップのスピードを急激に上げたここ近年、常にキャリアで最も大きく重い相手との戦いが続いていたパッキャオ選手で、試合前は体力的な限界を危惧する声が必ず挙がっていたのですが、それを予想以上のインパクトでもってことごとく蹴散らしてきたパッキャオ選手。
ただ今回ばかりはパッキャオ選手の苦戦、あるいは敗戦をも十二分に想定できる危険な試合だと私には思えてなりません。(同じくデラ戦、コット戦とパック不利を予想しつつ思いっきり外してるんですが)
マルガリート選手はパッキャオ選手にとって非常に大きく、パワーとタフネスを最大の武器にする選手。コット選手のスピードと技術をパワーと体力でブルトーザーのように押し潰してしまった一戦のように、パッキャオ選手のスピードを蹂躙してしまったとしても不思議ではないのではないでしょうか。対クロッティ戦では、パッキャオのパワーはウェルター級では絶対的なものではなく、また終盤増えた被弾時のリアクションから耐久力においてもこのウェイトでの限界をはっきりと見せていました。 ゾンビ的とも言えるマルガリ選手のタフネスを前にしては、パッキャオのパンチは全く効果を発揮できず、マルガリ選手のW級超のパワフルなボディブロー、ブロッキングの上から削るブローでみるみる体力とスピードを失いボロボロにされた末のストップ負け、という展開も大いにありえる気がします。
パッキャオ選手が勝つためには、対ディアス戦や対デラホーヤ戦で見せたスピードに最も重きを置いた戦術以外にないと私は見ます。コット戦のように少々食ってもスピードとパワーで打ち破ってやる、ねじ伏せてくれよう、という戦いは通用しないばかりか、マルガリ選手にとっては思う壺で危険すぎると感じます。 マルガリ選手はモズリー戦の敗北からの久々の復帰戦となった5月の試合では、ゾンビ的タフさと無尽蔵のスタミナに陰りの色をハッキリと示していたのですが、これをもって対パッキャオ戦でのマルガリート選手を測るのは難しい気もします。なにより相手あってこそのボクシング。マルガリート選手にとって体力パワーで脅威を感じないであろうパッキャオ選手を相手にした場合、5月の試合で見せた不安は意味のないことなのかもしれません。
繰り返しになりますが、パッキャオ選手は対デラホーヤ戦のように常に自らの位置を変え続ける戦い以外にチャンスはないでしょう。この戦いを実践できれば、両者のスピード差をもってすればパッキャオ選手が一方的にペースを支配し続けることは容易でしょう。ただ一瞬の隙、一発の重いパンチでペースをひっくり返されたとしても不思議ではない、それほどのリスクと常に背中合わせな試合になるのではないでしょうか。 いちおう予想としては、パッキャオ選手の判定勝利と予想しますが、スタートから快調にパッキャオ選手が飛ばすものの、危険と紙一重の戦いが想像以上にパッキャオ選手の体力の消耗を加速させ、終盤失速した場面でマルガリ選手のパワーに屈する。そんな展開にならないことを祈るばかりです。(11/11)
公式計量の結果が不安を後押しするものとなっています。パック144.6、マルガリート150。
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かたやパッキャオ選手のモチベーションはどうでしょうか?
ここに落とし穴がある気がしてなりませんがコンディションさえ問題なければパッキャオ選手がスピード、無尽蔵のスタミナを活かし判定勝ちをものにすると思います。
サイズの差は否めませんが今まで私達のボクシングに対する常識を幾度となく覆してきたパッキャオ選手を強く支持したいと思います。
政治家パッキャオとしての活動を始めたばかりの今でもありますしねえ。
モチベーションうんぬんてな話は彼に関しては心配ないことだと思ってましたが、環境に大きな変化訪れた現在では何かが違っていたとしても不思議ではないのかもしれません。
>おさるさん
パックにとって戦うべき相手はメイ以外にはいない、との考えはパックがハットンを粉砕した時点、メイが復帰を表明した時点から変わっていません。
以降のコット戦クロッティ戦は結果的にパックの凄まじさを証明することにもなりましたが、パックのキャリアにおいて必要のなかった試合だと私は思っています。今回のマルガリ戦も同様です。
>ILBさん
モズリーがマルガリを完全koできたのは、モズリーに絶対的なパワーがあったからに他なりません。
ここ最近のパックのパンチの強さを形容するに「見えないパンチ」とよく言われますが、それに比するならばモズリーのそれは「見えていても効かせるパンチ」とでも言うのでしょうか。
加えてマルガリのプレスを体当たりをかましながら逆に押し返す体力もモズリーは備えていました。
これらの要素をパックは全く持っていません。
あしたになったら全てはっきりしますね。
マルガリめっちゃ仕上げてきましたね。
体のでかさがちょっと違いすぎると思います。
これひょっとするかもしれませんね。
明日が怖いです。
もちろんリスクは少なくないですが、それはコット戦、クロッティ戦と比べてそう違うものではないでしょう
もしパッキャオが負けるとしたら、それはマルガリートがどうというより、パッキャオ側に綻びがあったときだと思います
単純な戦績を見ても、パックが下しているコット、クロッティをマルガリは同じように一方的に下しているわけで、今までのパックの対戦相手でも最大級に厄介なことは明白です。勝敗はともかく、苦戦は免れないだろうというのが私の意見です。
もちろん、マルガリの衰えや減量苦、パックのポテンシャルを考えればいつものような試合になることも考えられますが、それを単純に信じるのはあまりにも楽天的すぎやしないでしょうか。
管理人さんも言ってるとおりウェルターでのパックはイメージほどのパワーはなく、
どころか攻めるほうはまだしも受けるほうのパワー(顎に限らずガードしたときなどの体全体の耐久力)は
一流王者クラスの中で言うと並以下だと思います、コット戦クロッティ戦でガードの上から叩かれても体が流れたりしてましたし
今まではそこを手数と体全体を常に動かし続ける圧倒的な運動量で正面衝突にならないよう立ち回ることでカバーできていましたが
マルガリの場合あの体格なのでパックは今までよりより大きく速く動かないと正面からのぶつかり合いを強いられる展開になると思います
加えて純粋なパワーのみで見たらコットもクロッティもパックとほぼ同等かむしろ上回っていたと思いますが
マルガリのパワーはその二者を圧倒するものです
後退を強いられる状況でのパックのパンチがどれほどの威力を保てるかも疑問ですし
正直モズ戦前のマルガリとの試合だったならば普通にマルガリ有利だったと思います
生命線である顎の強さとスタミナが劣化してる今ならパックにも勝機あり、くらいの
パックのパンチが顎が劣化が隠せない今のマルガリの顎に通用するならモズvsマルガリ戦からクリンチ引いたようなパック主演のフルボッコ劇場になるかもしれませんが
そうでないならマルガリvsコットみたくパックがマルガリのプレスに押しつぶされる展開になると予想します