WBC米大陸ヘビー級タイトルマッチ
元五輪銅メダリストのヘビー級ホープ、ディオンテイ・ワイルダー選手(Deontay Wilder)が元世界王者のセルゲイ・リャコビッチ選手(Siarhei Liakhovich)を相手に保持する米大陸王座の防衛戦に臨んだ一戦は米国カリフォルニア州で行われ、ワイルダー選手が初回103秒で痛烈なKO勝利を挙げてデビュー以来の連続KO記録を伸ばしています。(体格比較)
身長、リーチで上回るワイルダー選手がゆったりと動きながら長い左リードを伸ばしていった立ち上がり。リャコビッチ選手も踏み込んで左ジャブを伸ばし、これがなかなか良さげに見えた立ち上がりだったのですが結末はあっという間の出来事でした。
リャコビッチ選手の右ストレートの打ち終わりに左フックをシャープに合わせて元王者をちょっと怯ませたワイルダー選手。すかさず長く強いワンツーを2セット叩きこんでのフィニッシュでした。
ワンツー2セット目の右ストレートがヒットするまではちょっと怯んだ程度に見えたリャコビッチ選手のダメージ具合でしたが、最後の右を浴びて身体を硬直させながらぶっ倒れたリャコビッチ選手の様子を認めたレフェリーが即座に試合を止めた強烈な最後でした。
2年前にホープのヘレニウス選手相手に底力とガッツがまだまだ残っているところを見せていたリャコビッチ選手で、この日もワイルダー選手を苦しめる展開ってのに期待していたのですがワイルダー選手の一発は強烈でした。
最近だとドネアに倒された時のモンティエル、少し古いところだとJジャクソンのミドル級王者時代の犠牲者Dミルトン、Iネグロンの硬直っぷりを思い出させたノックアウトの場面でした。
17度目の初回KO勝利となったワイルダー選手は29勝(29KO)。リャコビッチ選手は25勝(16KO)6敗。
Deontay Wilder in Scary First Round KO of Liakhovich(BoxingScene)
Wilder blasts Liakhovich in one round on ShoBox(Mark E. Ortega/RingTV)
Wilder Continues To Showcase His Frightening Power(Luis Sandoval/BoxingScene)
Wilder vs. Liakhovich - CompuBox Notes and Stats(BoxingScene)
ヘビー級でのデビューからの連続KO勝利記録
(1)29=ディオンテイ・ワイルダー
(2)27=ビタリ・クリチコ、アーニー・シェバース
(4)25=ジョン・L・サリバン
(5)24=マック・フォスター、アレックス・スチュワート
(7)22=ハービー・ハイド
(8)21=フランク・ブルーノ
(9)19=マイク・タイソン
連続KO記録(エキサイトマッチ~世界プロボクシング スペシャルページ 海外ボクシングコラムVol.17より)
(1) 44=ラマー・クラーク(アメリカ)
(2) 36=ビリー・フォックス(アメリカ)
(3) 33=ボブ・アロッティ(ガーナ)
(4) 32=ウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)
(5) 30=ホセ・ウルタイン(スペイン)
(6) 29=アルフォンソ・サモラ(メキシコ)、アセリノ・フレイタス(ブラジル)
(7) 28=チャーリー・パーナム(アメリカ)、ヘスス・ピメンテル(メキシコ)、カルロス・サラテ(メキシコ)
※ゴメス、サモラ、フレイタス、サラテは世界王者経験者
ワイルダーは歴代6位タイで継続中ということになる。
クラークの44連続はboxrecによると41
フォックスの36連続、サモラ、フレイタスの29連続、はデビュー以来の連続KO
ウルタインの30連続はデビュー以来からの記録だが、boxrecによると6戦目が失格勝ちとなっていてこれを適用すると24連続
パーナムはかつて1940年から41年にかけて28連続KOを記録したとされてきたが、近年はそれらが否定されている?boxrecの戦績では連続KO記録が反映されていないバージョンを適用している
上記以外で有名選手の記録だと
ヘビー級では、ジョージ・フォアマン(24)、ロッキー・マルシアノ(16)、ケン・ノートン(14)、ソニー・リストン(11)
ヘビー級以外だと
デビューからの連続記録=ヘンリー・アームストロング、エドウィン・バレロ(27)、アーロン・プライアー(26)
連続KO記録=ルーベン・オリバレス(29)
※boxrecではオリバレスの戦績が違う
ディオンティ・ワイルダー対オードリー・ハリソン(2013/04/27)
ディオンティ・ワイルダー対ケルビン・プライス(2012/12/15)
ディオンティ・ワイルダー対トラビス・アレン(2009/08/14)
ディオンティ・ワイルダー対ジョセフ・ラボッテ(2009/04/24)
北京五輪結果
ロバート・ヘレニウス対セルゲイ・リャコビッチ(2011/08/27)
ニコライ・ワルーエフ対セルゲイ・リャコビッチ(2008/02/16)
セルゲイ・リャコビッチ対シャノン・ブリッグス(2006/11/04)
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ただ、クリチコが普通のコンディションで上がってくれば惨敗しそうな絵しか描けないところが悲しいところですね。それほどクリチコとランカーの差は大きいと感じています。個人的には衰える前にこれくらいの爽快なストレートで勝ってくれると嬉しいですけど。
とりあえずパンチ力、決定力は本物だということは証明できた試合でした。
まだまだ試されていないことの多すぎる選手だと思っていますが今後は勝負のマッチメイクってのも避けられなくなっていくと思うので期待して見守って行きたいです。
あのボクシングを12ラウンドやれるのか、ダウンもらってもあのボクシングが続けられるのか、レベルの高い相手にあのボクシングが出来るのか、ヘビー級はプライス、ミッチェルとコケてるので、ある程度の相手とやるまでは穿った見方をしてしまう。
クリチコの引退待ちならガッカリですが。
なんか打たれ脆そうに見えるんですよねぇ。コーチがマーク・ブリーランドだってのにもなんか感じてしまいます。
>CAMAROさん
クリチコ兄弟の引退ってのは結構間近に迫っている事だと思います。
そしてワイルダーがテストをクリアしていくのにこれからある程度の時間はかかるだろうとも思います。
そう考えると両者が良いタイミングで激突できるかどうかってのは難しい気もしてしまいますね。