いや憎まれて豪華だね。
1829年 偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ))(合巻(ごうかん)・柳亭種彦(りゅうていたねひこ))
[句意]日系二世が村へ来て合コンをやったね、という句。「二世」はその他芸能人二世でも政治家二世でもお好みで。「柳」は(やなぎ)の読みを使っています。
[ポイント]
1.天保期の柳亭種彦の主著は、合巻の『偐紫田舎源氏』。
[解説]
1.柳亭種彦(1783~1842)は旗本で、長編合巻『偐紫田舎源氏』で知られる戯作者。1842(天保13)年60歳のとき、水野忠邦の天保の改革で弾圧され、それを気に病み間もなく没した。自殺説もある。
2.『偐紫田舎源氏』は『源氏物語』(紫式部)を題材に時代を室町時代にうつして描いた作品だが、「大奥の内情を風刺している」として処罰された。
〈2015早大・文
問3 下線a寛政の改革によって、この版元や戯作者たちが処罰や弾圧を受けたについて。処罰や弾圧を受けた人物は誰か。2つ選べ。
ア柳亭種彦 イ恋川春町
ウ為永春水 エ曲亭馬琴
オ山東京伝
(答:イ・オ ※ア柳亭種彦・ウ為永春水は天保の改革で弾圧された)〉
〈2015早大・社会科学:「
問2 下線部2文学作品に関連して、著者と作品の組み合わせとして、不適切なものはどれか。1つ選べ。
イ 式亭三馬 『浮世風呂』
ロ 十返舎一九『東海道中膝栗毛』
ハ 山東京伝 『江戸生艶気樺焼』
ニ 曲亭馬琴 『雨月物語』
ホ 為永春水 『春色梅児誉美』」
(答:問2ニ× ※『雨月物語』は上田秋成)
〈2014立大・現代心理・コミュ福祉・経営:「
問13.これ(寛政の改革)に関する記述として正しいのはどれか。次のa~dから1つ選べ。
a.恋川春町が著した『偐紫田舎源氏』が刊行され、人気を博した
b.須原屋茂兵衛が版元となって、喜多川歌麿や東洲斎写楽の浮世絵が出された
c.地方の有名寺社が江戸で行った居開帳には、露店などが建ち並んだ
d.都市の民衆は、寄席で演じられる落語や講談などを楽しんだ。
(答:d〇江戸を中心に、都市文化が開花した。芝居小屋や見世物小屋、講談・落語・曲芸などを演じる寄席があり、銭湯や髪結床も庶民の交流と娯楽の場となった ※a×『偐紫田舎源氏』は柳亭種彦の作、b×須原屋茂兵衛は武鑑や地図が専門で浮世絵売買は蔦屋重三郎、c×居開帳は自分の寺社でおこなうもので地方の寺社が出張して行なう開帳は出開帳)〉
〈2012立大・経済法異文化コミュ:「
大御所徳川家斉が死去すると、12代将軍徳川家慶の信任を受けた〈 う 〉が天保の改革と呼ばれる一連の政治改革を進めた。〈 う 〉は、綱紀粛正・経費節減を宣言し、( ハ )を著した為永春水らを処罰した。
a江戸生艶気樺焼 b浮世風呂
c春色梅児誉美 d偐紫田舎源氏」
(答:う水野忠邦、ハc)〉
〈2012同志社・神商心理
問オ.『源氏物語』を借り、時代を異にして江戸幕府大奥の実情を描写したともいわれる『偐紫田舎源氏』の著者名を選べ。
1.柳亭種彦 2.上田秋成
3.為永春水 4.恋川春町」
(答:1)