かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ミノムシの糸が世界最強?

2018-12-07 23:06:37 | Weblog
 今朝の奈良市の最低気温は11.2℃、最高気温は15.4℃、五條市の最低気温は10.6℃、最高気温は14.2℃でした。今日は曇りがちで時折日差しが差す程度のはっきりしない空模様でしたが、気温はそれなりに上がったようです。もっとも、日が落ちてからはどんどん下がり、帰宅時に感じた空気の冷たさは、いよいよ冬の到来を感じさせるものがありました。日本海側も明日明後日は雪になるそうですし、風の流れ具合によっては、こちらにもその断片くらいは観られるかも知れませんね。

 さて、生物が作る糸と言えば、古くからカイコの絹糸があり、最近は蜘蛛の糸が非常に強靭な繊維になるということで話題になりましたが、この5日に、名古屋の会社とつくば市にある独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構が、ミノムシから糸を取る技術を開発したと発表、その糸が蜘蛛よりも強靭で、色々と有益な性質を示すことを明らかにしました。
 ミノムシのミノを編むための糸も、カイコやクモと同様、たんぱく質でできていますが、ミノムシの糸は蜘蛛に比べクモの糸に比べ約1・8倍の強度を示すなど、テストしたあらゆる項目で蜘蛛を上回ったとのこと。更にFRP(繊維強化プラスチック)にミノムシの糸を混ぜてみると、従来のFRPの数倍の強度になったそうです。耐熱温度は340℃までOK、繊維の細さもナイロン糸の1/5しかないなど、多くの利点が見つかりました。
 これまでミノムシの糸はまっすぐ紡ぎ出せなかったため、繊維としては使えなかったそうですが、今回は特殊な装置で数百mもの直線の糸を取ることに成功、と続けて報道の内容にはありましたが、これは、繊維が短くて撚れなかったのが、特殊な装置で撚る事ができた、ということなのでしょうか?
 まあそれはともかく、ミノムシはカイコと違って餌さえあれば何度もミノを作らせる=糸を引ける上、蜘蛛のように共食いもしないので、カイコのように限られた空間で大量に飼育することもできるという、カイコと蜘蛛それぞれのいいとこ取りをしたような性質もあるそうです。その上強靭さでは蜘蛛を上回るとは、何とも凄まじいものが自然界に眠っていたものです。でもそう言えば、子供の頃ミノムシの箕を分解しようとしてなかなか素手では破れず、四苦八苦したことを思い出しました。この研究、更にミノムシの効率的な飼育法まで開発してもらって、我が国の繊維業界に新たな風を呼び込んで欲しいものです。
 それにしても、タンパク質というのはまだまだ奥が深いです。ひょっとしたら、まだ更に強靭ですごい声質を持つものが今後現れるかも知れませんね。


コメント
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