あれから、まだ原子力規制委員会のことを言ってるみたい。
で、A4の3枚くらいのペーパーに書いてあるのが「法的根拠がない!」とか吹き上がっているらしい。
池田信夫は、どうせよく知りもしないで発言しているのだろうが、それに入れ知恵をしているらしい、諸葛宗男とか澤田哲夫という人たちがいるようだ。
諸葛宗男は東大の特任教授という、原子力関連ポストにいるらしい。
>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%B8%E8%91%9B%E5%AE%97%E7%94%B7
東大で教鞭を執るなら、まずは勉強してきてからにしてくれ、と思うわな。
何度も言うが、原子力規制委員会が申請された工事について許可を出せるかどうかに当たっては、法的根拠に基づいて行っているに決まっている。条文も提示しているのだから、諸葛はまず条文を読むべき。
諸葛が確認した、ということらしいのが、次の事柄である。
田中委員長の出した”紙”は法でも何でもなく、根拠のないものなのに、それに基づいて事業者の出してきた変更工事や保安規定変更の申請について審査するのはおかしい
東大特任教授がこうしたレベルでは、教えられる方が可哀想だ。どんな学生を入学させるか、国際競争に勝てる大学とは、みたいな夢物語を言う前に、まず「まともな教官」をどうするか、という点について真剣に検討されるべきである。
世の中には、あたまのおかしい連中がいることは周知の事実。安易なデマに乗る人たちもいる。そういう人には、もっともっと易しく噛み砕いて教えないと、理解できないものらしい。
本題に戻ろう。
法的根拠がない、とか吹き上がる連中にも分かるように、具体例で説明する。
先日にも書いたが、半沢直樹のドラマに倣って「金融庁検査」を考えてみよう。
法的根拠となるのは、銀行法である。
24条において、内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、銀行に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる、と定められている。平たく言えば、業務全般に関しての報告や資料提出を求めることができる、ということだ。
また、25条において立入検査(同時に各種質問や検査等)ができる、ということになっているわけである。
ドラマにあったような金融庁検査の法的根拠は何かと問われれば、銀行法24条や25条となる。条文には、金融庁職員が実際にどういう風にその業務を行うのかは、「書いてない」んだよ。これをいちいち法文に書いていたら、キリがないからだ。
でも、実務上は事務の方法などを各職員に共通化する必要がある為、事務ガイドラインのようなものとか、指針のようなものがあるわけであるが、それは「行政内部」の決め事であって、一般国民や所管対象の事業者に対する「法的効力」を有しているものではない。
例えば、こんなのだ。
>http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/f-20050701-2/02.pdf
これをもって「立法されたものでないペーパーを用いている!」とか言うバカが、多分いるのかもしれない。
もっと色々と細かく定められていることがあって、行政側の恣意的な行政指導とならないように、金融庁側も注意しているということでもある。こうした情報公開は、そういう点においても重要な意味を持つ。
>http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/city.pdf
要するに、根拠法に書かれているのは、非常にシンプルなことだけであり、行政側が実際にどのように審査・検査事務を取り行うかを細かく定めるのは、法律ではないということである。大蔵時代から通達行政などと言われてきたかもしれないが、検査実施を実際にどのように行うかは行政に決定権限があるのだ。それは法文には書いてないことだ。
もう少し具体的記述について、例示しよう。
一部引用する。
『検査結果通知書の交付日から原則として一週間以内に銀行に対し、法第24条に基づき(預金口座名寄せのためのデータの整備、付保預金と非付保預金の区分管理、預金等の変動データ(入出金明細ファイル)作成のためのシステム整備等、相殺・預金等債権の買取り(概算払)の準備(手順書・マニュアルの整備等)の状況等(以下「付保預金の円滑な払戻しのための整備状況等」という。)の指摘がある場合については、「法第24条及び預金保険法第136 条に基づき」。以下この項及び(4)において同じ。)、当該通知書において指摘された事項についての事実確認、発生原因分析、改善・対応策、その他を取りまとめた報告書を1か月以内(必要に応じて項目毎に短縮するものとする。)に提出することを、求めるものとする。』
このような細部について、どの条文に書いてあると?(笑)
池田や諸葛らが「違法だ違憲だ」と騒いでいるのは、こうした実務上の決め事が存在しており、それを実務上で適用することが「法じゃない、行政指導だ」ということだ。
法律に書ける内容は、限りがあるのだよ。必要に応じて、使い分けるよりないのだ。そして、業務停止命令(26条)や免許取消(27条)が発動されるのは、行政指導の範囲には留まらず、行政処分が必要であると判断された場合に行われるだけである。それは毎回毎回じゃないし、全例ではないはずであろう。現実の事務においては、その殆どが行政指導として改善を要求されるわけであり、その指導内容は上記ガイドラインや指針等の「内部基準」に基づくものとなるわけである。
銀行を行政指導に従わせて、銀行業務に口出ししているのは違法だ、憲法違反だ、命令が発せられてないのに行政が法的根拠のないものを押し付けている、と、池田や諸葛や安念教授らは思っていることだろう。
だったら、そう主張して、銀行に「業務停止命令か免許取消処分以外には従うな」運動でも展開させてやれよ。
条文に書かれていること以外の部分について、どのように事務を行うかは、基本的に行政側の裁量権の範囲内にある。勿論、その裁量権が濫用となっているような、違法ということは有り得るわけだが、原発の各種変更に関する許認可は原子力規制委員会の判断に依存する、というのがごく普通の見解である。その為の内部文書や行政側の統一的内部指針が存在することをもって、違憲だのという批判には到底結び付かない。
そういうことを知らないのが、池田や諸葛らなのであろう。
で、A4の3枚くらいのペーパーに書いてあるのが「法的根拠がない!」とか吹き上がっているらしい。
池田信夫は、どうせよく知りもしないで発言しているのだろうが、それに入れ知恵をしているらしい、諸葛宗男とか澤田哲夫という人たちがいるようだ。
諸葛宗男は東大の特任教授という、原子力関連ポストにいるらしい。
>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%B8%E8%91%9B%E5%AE%97%E7%94%B7
東大で教鞭を執るなら、まずは勉強してきてからにしてくれ、と思うわな。
何度も言うが、原子力規制委員会が申請された工事について許可を出せるかどうかに当たっては、法的根拠に基づいて行っているに決まっている。条文も提示しているのだから、諸葛はまず条文を読むべき。
諸葛が確認した、ということらしいのが、次の事柄である。
田中委員長の出した”紙”は法でも何でもなく、根拠のないものなのに、それに基づいて事業者の出してきた変更工事や保安規定変更の申請について審査するのはおかしい
東大特任教授がこうしたレベルでは、教えられる方が可哀想だ。どんな学生を入学させるか、国際競争に勝てる大学とは、みたいな夢物語を言う前に、まず「まともな教官」をどうするか、という点について真剣に検討されるべきである。
世の中には、あたまのおかしい連中がいることは周知の事実。安易なデマに乗る人たちもいる。そういう人には、もっともっと易しく噛み砕いて教えないと、理解できないものらしい。
本題に戻ろう。
法的根拠がない、とか吹き上がる連中にも分かるように、具体例で説明する。
先日にも書いたが、半沢直樹のドラマに倣って「金融庁検査」を考えてみよう。
法的根拠となるのは、銀行法である。
24条において、内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、銀行に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる、と定められている。平たく言えば、業務全般に関しての報告や資料提出を求めることができる、ということだ。
また、25条において立入検査(同時に各種質問や検査等)ができる、ということになっているわけである。
ドラマにあったような金融庁検査の法的根拠は何かと問われれば、銀行法24条や25条となる。条文には、金融庁職員が実際にどういう風にその業務を行うのかは、「書いてない」んだよ。これをいちいち法文に書いていたら、キリがないからだ。
でも、実務上は事務の方法などを各職員に共通化する必要がある為、事務ガイドラインのようなものとか、指針のようなものがあるわけであるが、それは「行政内部」の決め事であって、一般国民や所管対象の事業者に対する「法的効力」を有しているものではない。
例えば、こんなのだ。
>http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/f-20050701-2/02.pdf
これをもって「立法されたものでないペーパーを用いている!」とか言うバカが、多分いるのかもしれない。
もっと色々と細かく定められていることがあって、行政側の恣意的な行政指導とならないように、金融庁側も注意しているということでもある。こうした情報公開は、そういう点においても重要な意味を持つ。
>http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/city.pdf
要するに、根拠法に書かれているのは、非常にシンプルなことだけであり、行政側が実際にどのように審査・検査事務を取り行うかを細かく定めるのは、法律ではないということである。大蔵時代から通達行政などと言われてきたかもしれないが、検査実施を実際にどのように行うかは行政に決定権限があるのだ。それは法文には書いてないことだ。
もう少し具体的記述について、例示しよう。
一部引用する。
『検査結果通知書の交付日から原則として一週間以内に銀行に対し、法第24条に基づき(預金口座名寄せのためのデータの整備、付保預金と非付保預金の区分管理、預金等の変動データ(入出金明細ファイル)作成のためのシステム整備等、相殺・預金等債権の買取り(概算払)の準備(手順書・マニュアルの整備等)の状況等(以下「付保預金の円滑な払戻しのための整備状況等」という。)の指摘がある場合については、「法第24条及び預金保険法第136 条に基づき」。以下この項及び(4)において同じ。)、当該通知書において指摘された事項についての事実確認、発生原因分析、改善・対応策、その他を取りまとめた報告書を1か月以内(必要に応じて項目毎に短縮するものとする。)に提出することを、求めるものとする。』
このような細部について、どの条文に書いてあると?(笑)
池田や諸葛らが「違法だ違憲だ」と騒いでいるのは、こうした実務上の決め事が存在しており、それを実務上で適用することが「法じゃない、行政指導だ」ということだ。
法律に書ける内容は、限りがあるのだよ。必要に応じて、使い分けるよりないのだ。そして、業務停止命令(26条)や免許取消(27条)が発動されるのは、行政指導の範囲には留まらず、行政処分が必要であると判断された場合に行われるだけである。それは毎回毎回じゃないし、全例ではないはずであろう。現実の事務においては、その殆どが行政指導として改善を要求されるわけであり、その指導内容は上記ガイドラインや指針等の「内部基準」に基づくものとなるわけである。
銀行を行政指導に従わせて、銀行業務に口出ししているのは違法だ、憲法違反だ、命令が発せられてないのに行政が法的根拠のないものを押し付けている、と、池田や諸葛や安念教授らは思っていることだろう。
だったら、そう主張して、銀行に「業務停止命令か免許取消処分以外には従うな」運動でも展開させてやれよ。
条文に書かれていること以外の部分について、どのように事務を行うかは、基本的に行政側の裁量権の範囲内にある。勿論、その裁量権が濫用となっているような、違法ということは有り得るわけだが、原発の各種変更に関する許認可は原子力規制委員会の判断に依存する、というのがごく普通の見解である。その為の内部文書や行政側の統一的内部指針が存在することをもって、違憲だのという批判には到底結び付かない。
そういうことを知らないのが、池田や諸葛らなのであろう。