これまでに、「原発がなくなれば、電気が使えなくなる、それでもいいのか」みたいな脅迫というか、取引みたいな風潮を感じたり見かけたりしたのだが、これが中々腹立たしいのである。
確かに、全ての原発が今すぐ停止してしまえば、電力需要をまかない切れなくなる。けれども、何かと言えば「東電を潰せない、電力供給ができなくなってもいいのか」とか、「原発をなくせない、電気が使えなくなってもいいのか」といった、脅しめいた論調というのを出して来る輩がいるのが許せないのである。
まず、原発反対の論調や東電の責任を問う声が上がりそうになった時、「電力が供給できなくなる」ということを、身を持って実感させようとしていたような感じがあった。要するに、「困らせてやれ」ということだろう。困れば、「東電さんがないと本当に困りますね」とか「電気が使えないと不自由で困りますね、だから原発は必要ですね」みたいな気分にさせよう、という魂胆でもあるのかな、と。
多くの方々の指摘があったようだが、東電が不祥事で原発停止に追い込まれたことがあったわけである。2003年には、そういう期間が存在していた。日本は既に「東電の持つ原発が全て停止」していた経験を有しているわけであり、そんなに今みたいに大袈裟に騒いではいなかったように思う。
ピーク電力がどうの、という講釈を垂れてくれる人たちがいるわけだが、原発が止まるとか電力供給不安があるといった要因がない時であっても、案外と消費電力が少ないことはあったようである。
・03年9月11日 5736万kW
・06年7月14日 5806万kW
・09年7月30日 5450万kW
東電の原発が全て停止した03年では、原子炉の一部が回復するまで年間の最大電力とはならず、7・8月より9月にピークがあったようだ。
06年は、中越地震があった影響なのかどうかは不明であるが、消費電力がダウンしており、03年水準とほぼ同等だった。
09年には、リーマン・ショック後の大幅な落ち込みの影響(産業部門の電力需要低下?)なのか、これまた近年稀に見る低下となっていたわけである。
なにも「特別な節電」とか、ピークカットなんかをせずとも、この位には落ちてますね、ということであろう。因みに、09年には夏はそこそこ暑かったのではなかったかな?それでも、この程度だったということだ。
もしも、ピークの電力需要が「09年なみ」だとすると、大雑把に言って約5400万kWくらいだ(節約余地があるからね)。この10%カットだと、4860万kWとなる。これが、そんなに不可能な水準の節電か、というと、思ったよりも大したことないのではないのか?09年水準から、大体10%カットで4800~4900、ということは頭に入れておくべきだろう。
更に、15%カットだと4080万kWとなり、これは相当な水準だね、ということになるわな。これが達成できたら、それはもう、原発はいらないね、ということになるだろうね。
需要側の頑張りがあれば、09年より10~15%カット、という水準が達成困難なものとも思えないのである。
一方、供給側はどうなのか。
ほぼ現状水準であると、
①石油等火力:355万kW
②LNG:2425.6万kW
③水力:418.1万kW
④原子力:491.2万kW
の合計3689.9万kWとなる。大体、3690~3700万kWということだ。東電の発電力ということであり、融通分は含まない。
補足しておくと、水力は東電分の揚水発電が200万で、一般水力が218.1万ということである。発電能力としてはもっと多いし、他社受電とか揚水発電分は含んでいない。
原子力は柏崎刈羽の4基(1、5、6、7号機)合計である。
他の追加できそうな発電能力を挙げてみる。
・広野(火力)1~5号機:380万kW(但し2、4号機以外が既に稼働しているなら、追加可能なのは160万kW)
・鹿島(火力)6号機:60万kW
・横須賀(火力)3~8号機:210万kW
・五井(火力)2号機:26.5万kW
・袖ヶ浦(火力)1号機:60万kW
・東扇島(火力)2号機:100万kW
・相馬共同(火力):100万kW
・常磐共同(火力):81.3万kW
・鹿島共同(火力):71.6万kW
この合計が1089.4万kWである。
仮に、上記3700万と合わせることができれば、既に4800万近くになっているのである。他には揚水発電分と、融通分を加えることが可能となる。追加できそうな火力発電所の中には、現実的に困難な場合があるかもしれないので、この獲らぬ狸の皮算用は通用しないかもしれない。が、ガスタービン発電機などを増設するということらしいので、ピーク電力が4800万kWに抑制できれば、まかなえそうな水準ではある。
このうち、原子力が大体490万しか入っていないわけで、これを他の代替エネルギーに置き換えるのがそんなに困難か、というと、そうでもないのでは。
東電の発表では、供給能力の予定として約4750万kWくらいということらしいので、達成できそうな雰囲気ではあるよね。
いずれにせよ、東電擁護の為に「電力が不足してもいいのか」とか「原発がなくなれば電気が使えなくなってもいいのか」とか、そういう卑怯な取引みたいな論調には与したくない。
国民の無知に付け込んで騙すのもいい加減にしろよ、とは思う。
東電の原発が全て止まった時でも、停電にはならずに乗り切った、というのが過去の事実である。
ちょっと追加だが。
>asahi.com(朝日新聞社):東電の夏の供給力5千万キロワットに まだ1千万不足 - ビジネス・経済
供給力が5000万kWなら、ほぼ需給バランスは達成されそうだが。
最大が6000万って、多く見積もり過ぎじゃね?
こんだけ節電、節電って、しつこく言ってるのに、それは、リーマン・ショック前のちょっとバブリーな方々が大勢いた07年とか08年の需要水準じゃないか。産業用だけでも、そんなに使わねーっての。東電と擁護派のプロパガンダじゃね?
そりゃ、節電も意識せずに、バンバン使いまくっていた時代の話だろ。
上にも書いたが、09年水準くらいに控え目にしておれば、それだけで既に5400くらいなんだから、そこから10%カットで達成できるだろ、ハゲ。供給5000万で達成、めでたし、めでたし、だっての。
確かに、全ての原発が今すぐ停止してしまえば、電力需要をまかない切れなくなる。けれども、何かと言えば「東電を潰せない、電力供給ができなくなってもいいのか」とか、「原発をなくせない、電気が使えなくなってもいいのか」といった、脅しめいた論調というのを出して来る輩がいるのが許せないのである。
まず、原発反対の論調や東電の責任を問う声が上がりそうになった時、「電力が供給できなくなる」ということを、身を持って実感させようとしていたような感じがあった。要するに、「困らせてやれ」ということだろう。困れば、「東電さんがないと本当に困りますね」とか「電気が使えないと不自由で困りますね、だから原発は必要ですね」みたいな気分にさせよう、という魂胆でもあるのかな、と。
多くの方々の指摘があったようだが、東電が不祥事で原発停止に追い込まれたことがあったわけである。2003年には、そういう期間が存在していた。日本は既に「東電の持つ原発が全て停止」していた経験を有しているわけであり、そんなに今みたいに大袈裟に騒いではいなかったように思う。
ピーク電力がどうの、という講釈を垂れてくれる人たちがいるわけだが、原発が止まるとか電力供給不安があるといった要因がない時であっても、案外と消費電力が少ないことはあったようである。
・03年9月11日 5736万kW
・06年7月14日 5806万kW
・09年7月30日 5450万kW
東電の原発が全て停止した03年では、原子炉の一部が回復するまで年間の最大電力とはならず、7・8月より9月にピークがあったようだ。
06年は、中越地震があった影響なのかどうかは不明であるが、消費電力がダウンしており、03年水準とほぼ同等だった。
09年には、リーマン・ショック後の大幅な落ち込みの影響(産業部門の電力需要低下?)なのか、これまた近年稀に見る低下となっていたわけである。
なにも「特別な節電」とか、ピークカットなんかをせずとも、この位には落ちてますね、ということであろう。因みに、09年には夏はそこそこ暑かったのではなかったかな?それでも、この程度だったということだ。
もしも、ピークの電力需要が「09年なみ」だとすると、大雑把に言って約5400万kWくらいだ(節約余地があるからね)。この10%カットだと、4860万kWとなる。これが、そんなに不可能な水準の節電か、というと、思ったよりも大したことないのではないのか?09年水準から、大体10%カットで4800~4900、ということは頭に入れておくべきだろう。
更に、15%カットだと4080万kWとなり、これは相当な水準だね、ということになるわな。これが達成できたら、それはもう、原発はいらないね、ということになるだろうね。
需要側の頑張りがあれば、09年より10~15%カット、という水準が達成困難なものとも思えないのである。
一方、供給側はどうなのか。
ほぼ現状水準であると、
①石油等火力:355万kW
②LNG:2425.6万kW
③水力:418.1万kW
④原子力:491.2万kW
の合計3689.9万kWとなる。大体、3690~3700万kWということだ。東電の発電力ということであり、融通分は含まない。
補足しておくと、水力は東電分の揚水発電が200万で、一般水力が218.1万ということである。発電能力としてはもっと多いし、他社受電とか揚水発電分は含んでいない。
原子力は柏崎刈羽の4基(1、5、6、7号機)合計である。
他の追加できそうな発電能力を挙げてみる。
・広野(火力)1~5号機:380万kW(但し2、4号機以外が既に稼働しているなら、追加可能なのは160万kW)
・鹿島(火力)6号機:60万kW
・横須賀(火力)3~8号機:210万kW
・五井(火力)2号機:26.5万kW
・袖ヶ浦(火力)1号機:60万kW
・東扇島(火力)2号機:100万kW
・相馬共同(火力):100万kW
・常磐共同(火力):81.3万kW
・鹿島共同(火力):71.6万kW
この合計が1089.4万kWである。
仮に、上記3700万と合わせることができれば、既に4800万近くになっているのである。他には揚水発電分と、融通分を加えることが可能となる。追加できそうな火力発電所の中には、現実的に困難な場合があるかもしれないので、この獲らぬ狸の皮算用は通用しないかもしれない。が、ガスタービン発電機などを増設するということらしいので、ピーク電力が4800万kWに抑制できれば、まかなえそうな水準ではある。
このうち、原子力が大体490万しか入っていないわけで、これを他の代替エネルギーに置き換えるのがそんなに困難か、というと、そうでもないのでは。
東電の発表では、供給能力の予定として約4750万kWくらいということらしいので、達成できそうな雰囲気ではあるよね。
いずれにせよ、東電擁護の為に「電力が不足してもいいのか」とか「原発がなくなれば電気が使えなくなってもいいのか」とか、そういう卑怯な取引みたいな論調には与したくない。
国民の無知に付け込んで騙すのもいい加減にしろよ、とは思う。
東電の原発が全て止まった時でも、停電にはならずに乗り切った、というのが過去の事実である。
ちょっと追加だが。
>asahi.com(朝日新聞社):東電の夏の供給力5千万キロワットに まだ1千万不足 - ビジネス・経済
供給力が5000万kWなら、ほぼ需給バランスは達成されそうだが。
最大が6000万って、多く見積もり過ぎじゃね?
こんだけ節電、節電って、しつこく言ってるのに、それは、リーマン・ショック前のちょっとバブリーな方々が大勢いた07年とか08年の需要水準じゃないか。産業用だけでも、そんなに使わねーっての。東電と擁護派のプロパガンダじゃね?
そりゃ、節電も意識せずに、バンバン使いまくっていた時代の話だろ。
上にも書いたが、09年水準くらいに控え目にしておれば、それだけで既に5400くらいなんだから、そこから10%カットで達成できるだろ、ハゲ。供給5000万で達成、めでたし、めでたし、だっての。