いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

日本売り~小銭を惜しんで大利を逃す?(追加後)

2007年12月19日 19時00分10秒 | 経済関連
いやー、株式市場は酷い惨状だね。
今年はあまり株式投資をやらないようにと思っていたけど、流石にここまで下がると、やっぱり買おうと思って、先月くらいから色々と仕込みをしてみたんですよ。大した額じゃないけど。

しかし、今の状況を見ても上がる要素があんまりないね。誰が売ってくるのか判らんのだけど。
サブプライムショックで先月15000円割れとなったけど、再び落ちていきそうな気配だね。年末だというのに、盛り下がる日本市場。景気の先行きも暗い。何だか侘しくなってくるね。


日本の市場が世界中で最も落ち込んでいるのは、見放す人々が多いからだろう。
自分の投資を考えても、似たようなものかもな、と。今後値上がりしそうな株と、あまり期待できそうにない株を持っている時、手元にキャッシュを必要とするなら、まず先に「期待できそうにない株」の方を手放してしまうもんね。それと同じようなものではないかな。世界の投資家たちにとっては、日本市場の魅力が大幅に落ちている、ということではないか。だから、外国人投資家たちの中でキャッシュをかき集めねばならない事態を生じると、まず日本株を売って現金を引き上げていってしまうのかもしれんね。持っていてもしょうがないな、と思ってしまうからだろう。

現在の日本市場の正確な時価総額は判らないけれども、たぶん百兆円規模で消滅してしまった可能性があるのではないかと思う。

株式時価総額 11月

これで見ると11月末時点では東証一部で約493兆円だ。全市場合計でも502兆円弱しかない。これが6月末だとどうだったかというと、こうなっていた。

株式時価総額 6月

東証一部で約567兆円、合計では578兆円だったのだ。つまり、たった5ヶ月間で80兆円近くが消滅したことになる。これが日本の失った価値なのだ。これで景気回復と呼ぶのは、調子がよすぎなのではないか、って話だね。日本がデフレに逆戻りしてしまって、アメリカが沈んでいく時、代わりに日本が牽引役にもなれないということだ。

今、メガバンクが金を出す出さない、というような話が持ち上がっているが、僅かな金を惜しんで100兆円規模で消滅するのをよしとする発想はいかがなものか、と思わざるをえない。銀行単体で難しいのであれば、こういう時こそ「護送船団方式」でもいいので、それぞれが持ってる金を出せる分だけ出す方がいいのだよ。年金運用だって、こうした大幅下落の影響を受けて、運用損が膨らんでいる。このままいけば、もっと損失は大きくなるであろう。1兆や2兆円を損するとかいう話ではなくなっているのだよ。


先月書いた話がコレ>ジャパンマネーは世界金融の救世主となれるか


米国の大手銀行が基金を作るとか言ってるが、たぶん当初予定していた800億ドルには遠く届かないことが判って、必死で金をかき集めようとしているのだろうと思うよ。日本のメガバンクだけが寄り集まったとしても、焼け石に水かもしれない。その程度では「全然効かない」ということなのだろうと思う。もっと一気にやらなけりゃ、効果が限定的になってしまう、ということだろう。いくら流動性を供給しても原因に対しては効果がないのだ。ショックでいえば、どうにか代償されてはいるが、このままいけば不可逆期に突入するかもしれないということ。そうなると、循環の維持システム全体(この場合だと金融システム全体)の機能不全に陥ることになるだろう。

以前に少し触れたことがあるが、薬を使う時、量の問題というのがあって、エピネフリン(アドレナリンと同じ)の作用は少量の時の発現効果と、もっと量が多い場合では異なるのである。観察される現象も変わってくる。投入量が少ないことで、予想していた効果が出ないとか良くない反応が生じてしまう可能性もある、ということを念頭に入れておかねばならない。なので、原因に対しての政策を打つのであれば、着手前から第1段階、第2段階、第3段階というふうに、次の一手を予め考えておかねばならないだろう。問題が大きければ大きいほど、単一の治療法だけではうまくいかないので、政策パッケージで対応するということになる。これは何でも同じなのでしょうけれどね。

先月の記事にも書いたが、FRBが金利引下げで対応しようとすれば「インフレ懸念」という大きな副作用があるので、これを主軸に据えるのは難しいだろう。エンドトキシン・ショックの如く毒素が体全体に回れば多臓器不全となり、回復不能となりかねないのだ。毒素とは、サブプライムの債権破綻というのと同じであり、これが組み込まれた大量の債券が壊死(=紙くず)となるということだ。これに対しては、ボリュームを維持して循環虚脱を防ぐのと、毒素を中和か薄める、感染源を除去する、ということになる。今のところ流動性大量供給でボリュームは維持されているが、感染源の除去ができていない。毒素については、危険な債券を緊急避難的に買取して金融機関に毒が回るのを防ぐことは可能だろう(今はその原資がなくて窮しているのだが)。根本の感染源は返済能力のない借り手たちだが、末端の貸出業者と伴に、破綻処理を進めるしかないだろう。完全破綻(不動産差押え)のような処理ばかりではなく、金利減免とか返済条件の変更(返済期間延長し一回返済額を軽減、当面金利負担のみ返済を続ける、等?)などが行われるかもしれない。

これらを一括してやっていくことになるが、買取債券が想定よりも大量であったりすると買取能力をオーバーしてしまうことも有り得るので、別な資金調達も考えておく必要があるだろう。米国内で500億ドルをどうにか都合をつけたとしても、これではカバーできない可能性は高いだろう。1千億ドル規模の資金を日本が出せば、当面の危機的な状況は回避されるであろう。これでも日本市場で消滅した数十兆円に比べれば、はるかに少ない額だということ。更に追加的に資金が必要であるなら、条件を色々と付けて、有利な交換条項を入れて担保に取ることを考えればよい。


この問題を放置したままでは、日本市場そのものが今のジリ貧から抜け出せないよ。

NIKKEI NET マネー&マーケット:国内株・日本株・日経平均株価

ここのデータにある通り、日本市場の益回りは5%以上あり、年度末予想では6%近くまでいく。世界経済の減速で若干落ちたとしても、5%以下にはならないだろう。利回りだって長期金利と似たようなものなのだ。日本市場は割安だろうと思うし、ここでみんなが「今は買いチャンスだ!投資しよう」という機運にならないことが残念なのだ。以前にライブドアの問題なんかがマスコミを賑わせていた時には、バブルだの虚業だのと責めていたが、今こそ「買いチャンスがやってまいりました。みんなボーナスを株式に回して儲けましょう」みたいに大々的に宣伝をやってくれればいいんだよ(笑)。

日本の長期金利が低いのと、デフレを脱却していないこともあって、イールド・スプレッドを見ても投資判断には役立たない、みたいなことになってしまうのかもしれないが、どう見ても益回りは長期金利を大幅に上回っており、3倍くらい違うんですよ。こんな状況で儲かってしまうのは、デフレだからだ。株式や不動産などへ投資するよりも、キャッシュで持ってる方が儲かるからだ。デフレを永続させるという経済運営が異常過ぎるのと、企業のキャッシュ(収益)が突出しているからだ。

だから、みんなで株を買いに行こう!

というのは冗談ですけれども、株式や不動産への投資割合がもう少し増加し、インフレ率が正の値をとるようにならない限り、こうした異常な経済環境は改善されないだろう。そもそも、それが今の「日本売り」へと繋がっているのだ。


いつでもそうだが、日本では決断する人がいない。
故に、遠目でボケッと見てるだけなのだ。頭が良くて優秀な方々が日銀とか政府に大勢いて、政策とか運営とか考えてやっているのに、全くの無能というか、かえって余計なことだけはする(無用な利上げとか)が、やらねばならない肝心なことに対しては放置なのだ。優秀な人たちを集めて、全力で考えろ、と指示をすればいいのに、それができないのだ。着手しよう、実行に向けて行動しようという人が、まるで出てこないのだ。


千載一遇のチャンスかもしれないのに、僅かな銭を出し惜しみして、日本の貴重な資産を百兆円規模でパアにするような無能揃いの国なのだ。日本という会社の経営トップが悪けりゃ、いつまで経っても会社は浮かび上がれんのだよ。そんな連中が日本の中枢を握っているのだから、一般国民は迷惑を蒙り、苦労を強いられるのである。


今日のグラフを見たけど、酷いね。
ジリ貧というか、もう、防衛戦線がズルズルと後退していく、みたいな感じだな。防波堤になるものがない。
買い資金が絶対的に足りてないので、売り物を吸収できないみたいだね。新たに戦線に参加してみても、ダメだな。特に私では持ってるモノが少ないもんね(笑)。「退くな、戦線に踏み留まれ、撃ち返せー!」とか言って、売りに立ち向かおうと思っても、みんなズルズルと下がっていくから、戦線が維持できず撤退していく。防衛ラインが崩れると、下がるから戦線離脱者が増加するのでまた下がる、の悪循環みたいだね。


そもそも日銀のタコ助のせいで、05年12月の株価よりも、今年は大幅に下回っているのだな。当時でも日経平均で16000円以上だったからね。この2年間の企業成績は悪くなかったし、景気は回復しているという腐れコメントは継続していたにもかかわらず、日本企業の時価総額では数十兆円が消えることとなったのだ。

日銀の超ド級の無能さと将来見通しの悪さとリスク管理能力欠如のせいで、日本国民は数十兆円の損害を与えられたんだよ。日本以外の主要国で、この2年間で日本みたいに大幅に株式市場が下落した国があれば、是非とも紹介してくれよ。経済月報でも、日銀短観でも何でもいいので。全部、過去の失敗通りだったろ?言ってきた通りだったでしょ?


福井日銀総裁みたいに、自分の懐具合を肥えさせることに熱心だけど、日本国民は額に汗して這いつくばって稼げ、バブルに踊るのはもってのほかだ、円キャリーも諸悪の根源だ、みたいな主義主張を持つ人間にとっては、大変好ましい結果であったでしょう。

良かったですね、目論見通りにバブルを徹底阻止できて(爆)。日本を不幸にすることが、そんなに嬉しいんですかね。ここまで愚かなのは、不思議でならない。


日銀は、国民に金を返すべきだ。

福井総裁とか、刑務所に入れて欲しい、本当に。
残された僅かな生涯かもしれないが、死ぬまで刑務所で「清貧暮らし」を実践させてやって欲しい。そうでもしない限り、タコ助には失敗の大きさが感じ取れないであろう。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。