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耐えられない生温さ~2

2009年05月11日 16時59分05秒 | 教育問題
耐えられない生温さ

この続きを書こうとは思っていなかったけれど、ムカッと思ったこともあるので書いておく。


1)親の経済的事情は子どもの責任ではない

これは確かにそうだろうね。だから?

これを理由として、「誰でも好きな学校に行かせろ」=「どこの私立だろうとも行けるのが当然」なんて政策を考えるのか?そうじゃないなら、こんなの理由になんかならないんじゃないの?
「自己責任に押し込める~」云々ってのがよくいるが、平等を重視するなら公教育にすべきなんじゃないの?(笑)
それは、私立であることを意味しない。

”親の職業や社会的地位や金銭的事由によることなく”
『公教育を等しく受けられる権利を有する』
ということで、何ら問題などないと思えるのだが。

お金のない家庭や貧乏な家庭の子どもだって、高校にバスで通えるとか部活動ができるとか修学旅行に行けるとか、そういうのは大事だろ。けど、別に私立である必然性などない。


2)国立大学は「私学」から高額化を強いられたようなもの

元々、国立大学なんて格安で行けるところだった。それが国への要請だったからだろうね。親が貧乏人であろうとも、頑張って勉強しさえすれば、国立に行く事はできた。
だって、授業料が年間1万円とか3万円とか払えば済むからだ。入学金も同じ程度だったらしい。だから、貧乏な家庭に育っても、勉強さえある程度やれば大学進学は可能だった。奨学金は無償で、教職員になって10年とか勤務すれば返済は免除されたしね。

こういう、よい進学制度があったのに、潰した連中がいた。
それは、一体誰か?

私立の連中だろ。

学費の格差があるから、優秀な学生はみんな国公立に行ってしまい、私立大学には来たがらず優秀な生徒が集まらないんだ、と散々文句を言い、金に飽かせて政治を動かしたんじゃないですかね?(笑)
ああ、これは陰謀論なので、本気にしないでくださいね。

でも、私学と国公立の格差を埋めろ、とかいうトンデモない理由で、国公立の入学金と授業料は毎年毎年うなぎのぼりに上げられた。私学の連中は、私立と国公立の垣根を取っ払おうと画策し、その結果、学費の高騰を招いたんだろ。貧乏人が一発当てて大学へ行く道というもののハードルを大幅に上げたわけさ。

私は大学入試とか進学制度には全然詳しくないから判らんけど、旧帝大系であれば1期校ということで、それなりの学生が集まっていたのであろう。2期校でも、私立よりは学費が安いので人気がそれなりにあったかもしれない。
私立大学に行くのは「国公立に落ちた人」が「滑り止め」と言って受けておいた私立大学に行くというようなことだったんじゃないかな。だから、私立のランクなんて高いところは極々限られていた。早慶といえども、早稲田政経とか、慶応医学部とか、特定の学部とかなら「ありがたみ」があったかもしれないが、全般的には私立に行くのはやはり「国公立に落ちた人」が多かったように思う。

例えば慶応とかが妙にありがたがられるようになってきたのって、ある時期からでしょ?
昔なら、どういう人たちが行っていたかといえば、一言で言えば「金持ちボンボン」でしょ。
小泉さんとか、石原裕次郎とか、加山雄三とか、そういう雰囲気の人たちってことですよ。慶応って、ラグビーが強くて女にモテるよね、というのはあったかもしれないが(笑)、勉強ができて超切れ者だね、なんて評判はあまり聞いたためしがないかも(自分の半径●mくらいだから、あてにはならない)。どっちにしても、貧乏人が勉強の為に「慶応に行く」なんてことは経済的には有り得ないわけで、大都会のコネ社会が通用している中でしか、おぼっちゃん私立大学なんぞに通える人たちはいなかったんじゃないですか?(笑)

だから、国公立大学の学費は昔のように、ほぼ無料に近い水準で良かったんじゃないか。
それを止めさせた張本人たちとは、一体誰なのか?
よく考えたらいいよ。


3)国公立とのランクの格差を問題視したのも私学

上にも書いたけど、学費が安いと優秀な生徒さんたちは、まず国公立を優先してしまうんだ。だって、高額な学費を払える家庭なんてごく限られていたし、東京に下宿させられる地方の家庭となれば、それはもう極々僅かになってしまうでしょ。

で、私学からすると、1期校や2期校とか、共通一次試験なんかでランク付けされるから「国公立はズルい、私学が不利だ」とか、散々文句を言ったんじゃないの。昔なんて、共通1次試験とかも国公立だけやっていて、私学なんて別試験でやっていたし。私学が相対的に下位にランクされてしまうから、「格差だ、格差だ」と大騒ぎしてランク付けすんな、みたいに言ってたんじゃないか。

で、格付けをどう使えば有利になるか、ということをうまくやれるようになってから、上位に私学がランクされるようになれば、そういう格付けをフルに利用して生徒を集め、金儲けの道具にしている連中は一体どこの何方なのか、という話をしているわけだよ。まずは「兵糧攻め」(=国立大学の独法化、旧来の国立の地位を剥奪した)で地方の国公立を腐らせ絶滅危機に追いやるとともに、格付けだのランキングだのを散々利用して学校間の「格差」を生み出してブランド価値を高めた連中とは、一体どこの誰でしょうか?

かつて、私学は不利だ、格差があるから国公立はズルい、と格付けだの偏差値ランクだのを問題にしていたのは、私学だっただろ。立場が逆転した途端に、今度はそういうのをフル活用して儲けてきたんじゃないですか?


4)公立高校は必要か?

高校の学費を無料化せよ、みたいな脳天気連中に是非ともお伺いしたいですな。
私学は中高一貫教育でこんだけ素晴らしい、とか、他とは違う教育をやっています、とか、色々謳い文句はあるだろうけど、親の経済力に無関係にどこの私学でも無料でいい、ということになれば、それは、際限なき私学の草刈場みたいになってしまうのではないのか?

それこそ、中高一貫校に有名予備校のセットさえも可能になってしまうだけだろ。これが、全部無料!
いやはや、天国だわな。これが、全生徒に供給される、と。私学の連中が口から涎を流して喜ぶだろうね。
だったら、公立高校いらなくね?(笑)

アホか。


5)じゃあ、どうすんの?

昔ながらの仕組みにした方がいいんじゃないの?
奨学金制度の拡充。
公立高校、大学の無料化。

勿論、選抜試験は競争だから、どちらも厳しいだろうね。
でも、奨学金は緩くていいよ。優秀な人には無償でいい。ちょっと優秀じゃない人には、後から少し返してもらいなさい。
教育制度は、国公立が基本であるべきだ。

ハリー・ポッターみたいに全寮制の寄宿学校に行きたい人は、自己責任で金を出して行くべきだろ。これを無料化せよ、というのは、おかしいだろ。


今ある日本の私学の大半はどうするか?
基本に忠実になれよ。
コネだろ、コネ。
国公立になくて、私学にあるもの、それはコネだ。
違うか?


だから、私学に支援だの、無料化だの、寝言みたいな意見はほぼ必要ない。金に困っている人は、公立の学校に行って下さい。どうしても私立に入りたい人は、その学校の制度を利用して下さい。優秀者には授業料免除とか、奨学金制度とか、学校が用意すればいいでしょう。私学が反対するなら、「勉学の志があるにも関わらず、親の経済的事情を理由として勉学を拒否する学校」ということだろ。それは、そういう学校が悪いんじゃないの?学校の理事長が「タダにしておくからいいよ」と言えば、それで済むんじゃね?
それとも、「勉強したい」という生徒を目の前に、「お前は金を払えないから出て行け、学校には来させない、卒業させない」とか言うような学校なんですか?(笑)
教育的立場として、それはどうよ?
そりゃ、学校が血も涙もない、鬼の取立て屋みたいなもんなんじゃないの?
「金を払えぬ生徒は退学だ」って言った私学があったの?
あったんなら、公表したらいいんじゃないか(笑)。これは社会の責任ではないんじゃないか?

ま、いいや。
私学の基本理念は、コネ、そして、寄附だ。
建学の精神を、もう一度見直せばいいんじゃないか?
そもそも寄附ってのが、私学の精神なんじゃないの?
だったら、それでやれや。
それで何が悪いの?何が問題?



改めて、はっきりと言っておく。
教育費の高騰を招いた原因の大きな部分は、「私学」だ。
公教育との格差を宣伝・利用した結果、優位を築いたのも「私学」だ。一部だろうけど。

なので、私学に積極的支援は反対の立場、というのが私の基本的考え方。
公的な教育費負担を多くしたいなら、公教育の充実を図るべき。
金持ち名門大学は、その生い立ちとコネとネームで食っていけるから、支援は要らない。
例えば米国の名門大学みたいに高額な授業料を払うのが必然であり、そのことでブランド価値を高めているという部分もあるのだから、貧乏人を寄せ集める必要性などないからね。日本のコネ大学も同じ。コネに群がる連中だけいればそれでいい。


カ●みたいな大学がゴロゴロある必要性は感じない。
くだらない私立学校に金をまくくらいなら、学生本人に金を入れてやれや。
公立高校にしたって、有名私立と同程度になるように力を入れてやればいいんじゃないか?
オンボロ校舎すら建替えもままならず、経費削減という理由だけで学校統廃合が推進され、地方の高校がいくつも消えた。かたや「高額な学費を徴収する私立」に多額の支援をしたり、学費無料化なんてものを私学の金満経営を助ける為にやるなんてことには、同意できかねる。

国公立大学をその他私学と同程度の学費となるようにすべき、なんていう妄言には大反対。
別に私学を怨んでいるとか、憎んでいるというわけじゃないよ。
けど、制度としておかしいとか、考え方として疑問だ、というのがあるから反対しているのさ。特に社会主義化したかのような学校が好き、ということでもないよ。高校や大学は、意欲があって優秀な生徒には行かせてやるべきだ、それは昔は寄附とか個人的支援だったと思うけど、現代では制度化しておいていいんじゃないかと思う。

私学は私学で好き勝手にノビノビやりたいんだろうから、敢えて国から金を貰う必要性はないよね、って言ってるんだよ。





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1 コメント

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依頼 (新聞)
2009-05-11 19:19:40
【重要】「福井秀夫氏の陰謀による公立一貫校への抽選導入という愚策をやめさせろ」

本日の朝日新聞の一面に「公立一貫校に抽選導入検討」の見出しが載りました。
公立一貫校への抽選導入を主張する規制改革会議というものに属している福井秀夫氏は、教育は私立が中心にやるべきと考えています。
だから「民業圧迫」となる公立一貫校は目の上のタンコブ。以前から徹底的に批判していて、今回の動きも彼が中心です。
「抽選導入」は明らかに「ゆとり教育」的発想であり、私学側に配慮しお金のない家庭からの難関大進学を難しくする愚策です。

都立一貫校の生徒の皆さん、反対を明らかにするために、メールでの意見投稿をぜひよろしくお願いします。

http://www.mext.go.jp/mail/index.html
↑文部科学省の意見メール

http://www8.cao.go.jp/kiseikaikaku/comments.html
↑規制改革会議への意見メール

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