いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

理解を超えた騎士団・2

2008年06月15日 17時29分50秒 | 俺のそれ
記事中にも書きましたが、一連のクラスター爆弾関連を通じて、防衛問題に関していかに統一的見解が乏しいか、ということはよく判りました。要するに、「自分の手」以外のことは考えられない、「相手が指す手」というものを考えていない、ということが明らかになっただけです。それが、自称詳しい人たち?、専門知識を有する人たち?の実態ということですね。


「○○菌には××ワクチンが有効」という話と「××ワクチンの備蓄が3000万人分必要だ」という話は「違う」、ということすら考えることができない、ということでしょうか。いくら「××ワクチンが一番簡単で効果があるんだよ!」と言っても、その必要性に乏しければ「備蓄はいらないんじゃないの?」とか「3000万人分も必要ないんじゃないの?」ということを想像できないみたいです。ほぼ発症者がゼロで撲滅された感染症なのに、「××ワクチンを備蓄せよ」という意見を出すのはおかしいんじゃないか、と普通は考えるわけです。どうせお金を使うのであれば、他の対策に使った方がいいと考えるでしょう。「鳥インフルエンザの方が脅威なので、そちらを先に対処するべきではないか」という意見に対してさえ、「××ワクチンが有効なのは自明、だから絶対に必要だ。なくて死んだらどうすんだ、責任を取れるのか」みたいな意見が出されることが不思議でしょうがない。


張り切ってコメントを書いてくれた方々のお陰で、防衛計画というものが「脅威に対して有効に考えられているものではない」ということが、こちらの思惑通りに示されたので良かったです。
言うなれば、幅1mの水路に「洪水対策」として高さ15mの堤防が必要だ、みたいな主張ばかりだということですね。それは「どんな状況の時に必要なものですか?」という問いに対して、有効な回答が「一つもない」ということが明らかとなった、ということです。

全くいい加減に書きますけれど、これくらいの雨量で、こういう状況ならば、想定される水量がこれくらいになるから、洪水対策としては「これくらいが必要かもね」という話を誰も考えていない、ということですね。予測される雨量が100年に1度くらいの稀な量であるか、それとも、過去最大雨量の○倍を見込んでもこの程度だ、とか、そういう話をすべきだということを言っているのに、まるで理解できない人たちが大勢いるんですね。しまいには、「洪水対策が不要だというのか!」みたいな無防備宣言に「勝手に変換」まで飛び出す始末です。「水は溢れることができる」とか「どの川も氾濫する可能性はある」みたいな、抽象的意見で「洪水対策の政策決定はできませんよ」と言っているにも関わらず、○○の一つ覚えみたいに「能力に備えよ」しか言わないんですよね。要するに、はじめから「備え」としては考えていない、ということです。

有効性や優先順位を考えるというのは、例えばこの川はダムが必要だ、ここは堤防でいい、ここには排水ポンプを設置しよう、みたいに、想定される水量や被害を考慮した上で資金配分を変えたり実施順を考えたりすることです。過去50年間、殆ど枯れ川みたいになっており、大雨の時に数日間だけ水が流れていた程度の川なのに、護岸工事と堤防と上流にはダム設置が必要だ、って話にはならんでしょうよ。ところが、防衛政策を考えてきた方々や、その道の専門知識?を有することを自認する人々というのは、「ダムと堤防は普通の対策だ」としか考えられない、ということです。それがどこにでも共通の対策として、意味があるのかどうかさえ考えることができない、ということです。


こうして「~が必要だ」と主張するような方々の言うことというのは、あんまり信頼性がないね、説得的でもないね、ということが、彼らのコメントのお陰で明確にされた、ということですな。サンプリングにご協力くださり、感謝申し上げます。誰が一番足を引っ張っているかというと、軍事力を確保すべしと騒ぐ連中が逆効果の意見ばかり出すので、主張点のボロが明らかになってしまい、自分たちで自らの首を絞めているのですよ。結果的に「政策決定権限を持つ方々」がこういう意見からは距離を置かねばならなくなり、防衛族の発言力は抑えられてしまうという悪循環となっていることさえ考えられないわけです。アリガトさんです。


私のつまらん架空の話に文句を言うのは判りますが(笑)、日本を攻略しようとする立場から見てみるのは普通だろうと思いますけどね。記事に書いたように、日本の航空自衛隊(一部米軍も含む)基地で、主力が配備されている空港は限られています。潜水艦の巡航ミサイルや地対地ミサイル等で一度に攻撃された場合、滑走路が本当に使えるのですか、ってことは当然考えるべきことです。そうなったらどの程度飛べますか、って考えるのが防衛計画だろうと思うんですけど。その後にやってくる航空機からの攻撃とか、具体的に想定可能な脅威にまず対処を考えていくのは普通だろうと思います。そんなに簡単に滑走路を破壊できないし、かなり破壊されても飛べる、みたいな楽観的コメントがあったりしましたけれども、そうなれば「敵側の上陸可能性」がより低くなるだけですね、って話で、自走砲やMLRSや90式やアパッチを戦闘で必要とする可能性がより乏しくなっていく、というだけだな。


日本の場合、これら主力が配備されている基地の滑走路を潰されてしまって主力機の多くが飛べなくなるとしても、侵攻してくる敵側にとっては、航空戦力の運用は行い易いだろう。何故なら、全周が海なので艦載機からの攻撃は行い易い、更に、地方空港などの滑走路が多数あるからだ。日本は航空戦力が移動してこられたら、攻撃するにはおあつらえむきに出来ているのだよ。こんなに狭い本土に、あっちにもこっちにも立派な滑走路が整備されているじゃないか。地方空港もあるし、海自や陸自の施設もあるし、ヘリや攻撃機の運用にはもってこいなんですよ。そもそも航空戦力の活躍しやすい環境が整っている、ということですわ。普通であれば、敵の飛行場を破壊して使えなくすると、自軍が使える状態に復旧するまで時間がかかるだろうけど、日本の場合にはミサイルで破壊した滑走路なんて捨て置いてもいいんだから。近隣の地方空港の滑走路を使えばいいだけだからね。侵攻側が四苦八苦しながら新たな空港整備するのに数ヶ月を要する、なんてこともないので、超便利なんですよ。

まあ日本の地上部隊がそれら空港施設をことごとく奪還できる、と固く信じている人たちが大勢いるでしょうから、射程距離内に入るまで自走砲やMLRSがゾロゾロと進軍していくことでしょう。勿論、先頭には90式や74式ですか。壮観ですな(笑)。


いずれにせよ、こちらの策にうまく乗ってきて下さった方々が大勢おられたお陰で、国防族関係の方々とか防衛省内部の方々とかは、意見を通すのが難しくなったでしょうね(笑)。まさしく同士討ちってやつですな。大騒ぎする連中の発射した弾丸は、本来自らの味方陣営であるはずの方々に、確実に被害を与える結果をもたらした、ということです。個人のブログを撃ったつもりになっているでしょうが、実際にはそうじゃない。ウチのブログなんて、政策決定には何らの影響力も持ってないからね(当たり前だけど)。彼らが撃ったのは国防族や防衛省なのだ、ということには永遠に気付けないでしょう(笑)。




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