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またしても自工会の不都合な真実

2013年04月18日 20時34分26秒 | 経済関連
以前の続きです。


>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d5610ce97d98926d193a365c697ad56f
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4ae1796db4c5a46f30e4827c15550906



さて、これまでにも指摘してきましたが、やはり3月も同じ傾向でした。
それは、自動車が売れてない、ということです。円安になって、一体何カ月経ったのでしょう?
円安になれば、日本の自動車輸出が増える?
これまでのところ、それは事実とは言えないでしょう。今後に増加するんだ、という意見もあるかもしれませんが、輸入価格の値上がりは急速に反映されており、完成品であるところの海外ブランド品やドイツ車なんかも相次いで値上げとなっています。
円高だから韓国に負けるんだ、韓国車は安いが日本車は高いんだ、といったような言い訳がましいことをこれまでにも散々聞かされてきましたが、かなりの円安になっても数量増効果は一向に発揮されていないようにしか見えませんな。


これは、日本国民に対する「ボッタクリ」でしょうか。
原粗油価格上昇→ガソリンや灯油値上がり=国民の負担増


3月は原粗油の数量減でも、価格要因ではなく為替要因による相対的値上がりによって、確実に輸入に対する支払額は増加しています。


自動車はどうでしょう?
輸出が増えると豪語してきた連中を尻目に、確実に当月も「数量減」が達成されてしまいましたね。しかも二桁以上の減少。
乗用車が数量で「-10%」を達成(米国市場でも13%程度のマイナスだ)、為替の効果がなければそのまんまマイナス幅なわけだが、円安になっていたお陰でマイナス幅は縮小され-4.1%にまで圧縮された。


EUのマイナス幅も2割以上と欧州経済の不安定さの影響かなと思うわけですが、中国市場でのマイナスは依然として高水準。-36%くらいですので、EUを軽く超えている。


これは、何度も言うが、自動車企業への「所得移転」である。日本国民が意図的に円安を強要されることによって、数千億円以上のマイナス効果を甘受させられる代わりに、自動車企業の「マイナス幅」を人為的に小さくしている、というのと同じ効果を持つわけだ。


輸出減少の寄与度で見ると、分野別では
・映像記録機器(多分レコーダー類だ)
・金属加工機械
・乗用車
であろう。
言い方が悪いけど、足を引っ張ってるのがこれらだ、ということ。


輸送用機器全体で見れば、バス・トラック類の健闘があるので乗用車のマイナスをカバーしていたりするからね。中東やアジア向けでは、それなりに需要があるから。


報道発表資料では、こういうのが判らないように書き方が工夫(笑)されていた。むしろ、アメリカ市場での自動車の健闘が称えられているかのようだった(爆)。それは要するに、「ドル高による水増し」効果ということだけである。


しかも電力値上げなどがそうであるように、原粗油価格上昇効果は広範に及ぶ。円安で恩恵を受けやすい輸出比率の高い企業にだけ、利益が集中するのとはわけが違うのですよ。恩恵を受けた企業が果たして何をするかと言えば、「日本売り渡し」計画を推進するだけのようなTPP参加を、強烈にプッシュするのである。
輸出物価が異様に低く、輸入物価はめちゃ高いということは、まさしく「グローバルで稼ぐ企業」が日本国民から搾取しているが如し、ということだ。


大企業の経営陣にお尋ねしよう。
「円安の恩恵」とは、企業努力の成果ですかね?
それとも、経営陣が非常に優秀で、その企業が他のグローバル企業と世界中で競争して打ち克った結果ですかな?(笑)
円安にしてもらうことは、自分の力でも何でもないだろうよ。努力の成果でもあるまいに。ただのお願い、である。そして、輸入物価が大幅に上昇しているのに、円安の恩恵がマイナスにしかならない下請け企業群には「コスト転嫁を認めない」どころか、それ以上にもっとコストを下げろ、ということで「デフレ圧力」を強要する、ということになるわけである。


要するに、大企業の連中こそ、自分たちでは何らの成果も上げられず、「円安にしてくれ」ということで他力本願に頼り切っているんじゃないのかね。そういう甘えに、長年浸っているんじゃないのかね。ドイツの企業が全部海外生産拠点に移し替えたとか、聞いたことないけど。ユーロ高になっていた時にでも、経常黒字上位国のドイツが極端な低成長に陥った、というのも知らない。
むしろ、世界経済の好調を受けて、成長率も良かったし、株高にもなっていた。


日本が歪な構造を持っているのである。
国内市場毀損、下請けイジメ、賃下げ圧力、そういうものが輸出大企業によってもたらされた結果である、ということでは。デフレを生み出す原動力となっていたものと思えるわけである。




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