ある戦場で、自軍内の裏切り者たちによって窮地に追い込まれた将軍がいた。
いよいよ絶体絶命かと思われた時、将軍は思いもよらぬ反攻作戦に打って出た。
裏切り者たちを軍勢ごと追い出して、一大決戦を選んだのだった。
それを見ていた力弱き小人たちが、その将軍を勝たせんと協力した。
小人族に一人の男がいた。
小人族を救う為には、その将軍を勝たせねばならないと男は考えた。
多くの小人たちのためになると思って、将軍に協力した。
小人族には、聖剣を使える資格もなければ力もなかったのだ。
それ故、将軍を勝たせることで目的を達しようと考えた。
その後、小人族の応援を得た将軍は大逆転で勝利した。
敵軍を蹴散らし、裏切り者たちにも刺客を放って始末したのだった。
反逆を企てた者たちが得たものは、粛清と殲滅だった。
この戦いの結果、将軍は聖剣を手にした。
聖剣「バルムンク」。
「バルムンク」を手に入れた将軍に逆らう者たちは殆どいなくなった。
小人族にも勝利が訪れたかに見えた。
しかし、将軍は何もせぬまま、バルムンクを床に突き刺して立ち去った。
その後に新たな若い将軍が就任し、バルムンクは若き将軍のものとなった。
以前から、将軍に策を授ける組織、「シモンの神官会議」があった。
武将たちからは、「神官ごときに何ができる」と蔑まれていた。
けれども、将軍がバルムンクを手にしてからは、
武将たちから一目置かれるようになり、神官会議に逆らわなくなった。
小人族たちは、「シモンの神官会議」ならばきっと武将たちよりもマシで、
願いを検討してくれるに違いないと思っていたのだった。
将軍の力を活かすには、「シモンの神官会議」が重要だった。
けれども、神官会議では小人族の言い分など聞き入れなかった。
小人族の男は悟った。
自らが聖剣を持たない限り、力を使うことは決してできないのだ、と。
あの時、将軍を勝たせるために多くの小人族が協力したというのに。
しかし聖剣を手にした者は、小人族の言うことなど忘れてしまうのだ。
シモンの神官たちにしても、昔は武将たちから軽んじられていたのに、
バルムンクの力を背景に、自らの力を過信してしまうのだ。
バルムンクを得たのは自らの力なんかではないのに。
弱き大勢の小人族の協力があってのことなのに。
ある騒乱の後、遂に若き将軍に落胆した小人族は離反したようだ。
そうなれば、次の戦いでバルムンクが敵の手に渡ってしまうかもしれない。
バルムンクを失えば、若き将軍はその地位を追われるだろう。
小人族の男は考えた。
小人にも力が必要だ。
伝説の魔剣「ストームブリンガー」を手にすることができれば、
小人族にもチャンスが生まれるかもしれない。
だが・・・
以前はバルムンクを持たせて失敗したというのに、
今度はストームブリンガーを持たせるというのか?
一体誰に持たせるというのか?
バルムンクが小人族の役に立ってくれた様子はなかったではないか?
また同じように失敗する積もりなのか?
誰がバルムンクを持ったとしても、同じなのではないか?
小人族にとって悪いことが続くのは変わりない、ということだ。
ストームブリンガーは強力な魔剣だ。
けれども、ストームブリンガーを持てる者は限られた者だけだ。
小人族でも、ストームブリンガーを使えたらいいのに…。
それは無理な話だと判っているのだが。
結局、今度のいくさにどちらが勝っても、
小人族の男にとって、希望がないことに変わりないのだ。
ストームブリンガーなんて、本当は何処にもないのだ。
所詮、小人族は小人族なのだ。
いよいよ絶体絶命かと思われた時、将軍は思いもよらぬ反攻作戦に打って出た。
裏切り者たちを軍勢ごと追い出して、一大決戦を選んだのだった。
それを見ていた力弱き小人たちが、その将軍を勝たせんと協力した。
小人族に一人の男がいた。
小人族を救う為には、その将軍を勝たせねばならないと男は考えた。
多くの小人たちのためになると思って、将軍に協力した。
小人族には、聖剣を使える資格もなければ力もなかったのだ。
それ故、将軍を勝たせることで目的を達しようと考えた。
その後、小人族の応援を得た将軍は大逆転で勝利した。
敵軍を蹴散らし、裏切り者たちにも刺客を放って始末したのだった。
反逆を企てた者たちが得たものは、粛清と殲滅だった。
この戦いの結果、将軍は聖剣を手にした。
聖剣「バルムンク」。
「バルムンク」を手に入れた将軍に逆らう者たちは殆どいなくなった。
小人族にも勝利が訪れたかに見えた。
しかし、将軍は何もせぬまま、バルムンクを床に突き刺して立ち去った。
その後に新たな若い将軍が就任し、バルムンクは若き将軍のものとなった。
以前から、将軍に策を授ける組織、「シモンの神官会議」があった。
武将たちからは、「神官ごときに何ができる」と蔑まれていた。
けれども、将軍がバルムンクを手にしてからは、
武将たちから一目置かれるようになり、神官会議に逆らわなくなった。
小人族たちは、「シモンの神官会議」ならばきっと武将たちよりもマシで、
願いを検討してくれるに違いないと思っていたのだった。
将軍の力を活かすには、「シモンの神官会議」が重要だった。
けれども、神官会議では小人族の言い分など聞き入れなかった。
小人族の男は悟った。
自らが聖剣を持たない限り、力を使うことは決してできないのだ、と。
あの時、将軍を勝たせるために多くの小人族が協力したというのに。
しかし聖剣を手にした者は、小人族の言うことなど忘れてしまうのだ。
シモンの神官たちにしても、昔は武将たちから軽んじられていたのに、
バルムンクの力を背景に、自らの力を過信してしまうのだ。
バルムンクを得たのは自らの力なんかではないのに。
弱き大勢の小人族の協力があってのことなのに。
ある騒乱の後、遂に若き将軍に落胆した小人族は離反したようだ。
そうなれば、次の戦いでバルムンクが敵の手に渡ってしまうかもしれない。
バルムンクを失えば、若き将軍はその地位を追われるだろう。
小人族の男は考えた。
小人にも力が必要だ。
伝説の魔剣「ストームブリンガー」を手にすることができれば、
小人族にもチャンスが生まれるかもしれない。
だが・・・
以前はバルムンクを持たせて失敗したというのに、
今度はストームブリンガーを持たせるというのか?
一体誰に持たせるというのか?
バルムンクが小人族の役に立ってくれた様子はなかったではないか?
また同じように失敗する積もりなのか?
誰がバルムンクを持ったとしても、同じなのではないか?
小人族にとって悪いことが続くのは変わりない、ということだ。
ストームブリンガーは強力な魔剣だ。
けれども、ストームブリンガーを持てる者は限られた者だけだ。
小人族でも、ストームブリンガーを使えたらいいのに…。
それは無理な話だと判っているのだが。
結局、今度のいくさにどちらが勝っても、
小人族の男にとって、希望がないことに変わりないのだ。
ストームブリンガーなんて、本当は何処にもないのだ。
所詮、小人族は小人族なのだ。