千葉県野田市の職人魂の防水屋、必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤です。
今回は必殺雨漏り修理人の防水工事記録の中から「埼玉県春日部市のシーリング打ち替え工事」です。
現場は春日部駅西口から徒歩で5分くらいにあるビル、工事内容はシーリング防水と外壁塗装でした。外壁塗装の前に、外壁の高圧洗浄、シーリングを行い、サッシ廻りのシーリング打ち替え、ひび割れ等の補修をしてから、外壁の塗装です。
高圧洗浄が終わり、シーリング打ち替えの工事の時の写真を見ながら説明をさせていただきますので、御覧ください。
既存シーリングの撤去、清掃、テーピング、プライマー、シーリング材の充填、シーリングの押さえ仕上げ、テープ除去、清掃、これがシーリング打ち替えの工程です。
写真はシーリング打ち替え施工後です。
下の写真はシーリングガンにシーリング材を充填後、サッシ廻りにシーリング材を打ち込んでいるところです。
シーリング工事は線防水と言われています。シーリングガンで打ち込むシーリング材は、建具の廻りを1周する細い線、というわけです。だから線防水。面白いですねこの言い方。
ウレタン防水等は屋上、ベランダ等の床は平面でしょ。平面に防水をするので、面防水と言います。
それでは、線防水ともいわれるシーリング防水の打ち替えの説明です。シーリング材も紫外線などの影響で、劣化して剥がれることがあります。割れ、剥がれ、亀裂などが雨漏りの原因になったりすることがあります。特に露出している部分などは要注意です。
下の写真はサッシの水切です。サッシは工場で生産されてから工事現場へ搬入され、開口部に固定されて、水切を取付けていますが、水切の固定はビス止めです。
新築時、水切部分にはシーリング材が充填させれています。水切の取付けビスの上にシーリング材があるので、雨水が侵入できない状態です。
今回は外壁塗装の施工前にシーリング打ち替えをするので、サッシ廻り、水切のシーリング材を撤去して、新しいシーリング材に打ち替える作業を行います。
カッターを使用して、既存シーリング材を撤去しますが、力の入れ具合や不注意でサッシに傷をつけないように気をつけながら、撤去をします。新築時の新しいシーリング材は硬化するとゴム状になります。シーリング材の被着体が多少動いても、伸縮する材料なので、動きに追従できます。
これがシーリング材の優れているところです。
このように手で引っ張ると、ある程度伸びることもありますが、シーリングがダメになると、固くなるので、手で引っ張るとシーリング材が切れたりすることがほとんどです。
シーリング材を撤去しながら、清掃もしっかり行い、足場を移動していきます。
建具の色が黒だったり、ブロンズだったり、またはグシルバーグレーだったりすることがあります。外壁の色、サッシの色に合わせたシーリング材の色を使用して仕上げるので、この時はサッシの3方向は白、水切、タイルは黒色のシーリング材で施工をしています。
テーピングが終わると、次はプライマー塗布です。
プライマーの塗り方が悪かったりすると、どんなにきれいに仕上げていても、被着体から剥がれてしまうので、最悪です。そんなことがないように、プライマーを塗布する時は必ず2方向、塗り始めから右方向を塗布したら、左方向へ戻ります。プライマーがついた刷毛を往復させて塗布します。
塗る方向を変えると、塗りむらないはずですが、目視でもしっかり確認をしながら、プライマーを塗布します。プライマー塗布の作業はとても重要な工程なので、私は人任せにはしたくありません。自分で塗布します。
シーリング材をシーリングガンで打ち込みますが、この時にうまく打たなければ、空気まで打ち込んでしまうことになるので、気をつけてガン打ちをします。
次にヘラ仕上げです。シーリングのヘラ仕上げもプライマーを塗布した時のように、仕上げ始めから右方向へヘラを動かしたら、今度は左方向へヘラを動かして仕上げます。この往復でシーリング材が隙間なく、目地の奥へ押し込まれながら、仕上げ作業をしている、というわけです。
終わったら、うまく仕上げはできているか、確認をしながらテープの除去作業です。テープの除去が終われば、次に清掃です。これが線防水とも言われるシーリング防水の工程です。
シーリング作業にもポイントとコツがあります。良い仕事をするには、施工の基本を守り、それなりの工夫と技術力が必要なのです。
ぱっと見は簡単に見えるシーリング作業にも、1級、2級防水施工技能士の国家資格試験があります。国家試験は規定の時間内で、シーリング工事を完了させなければ、落とされる実技試験と学科試験があるので、実力がない者は簡単に落とされます。
国家試験はシビアな試験です。2級防水施工技能士は、防水施工技能士への入り口切符を手にしたくらいだと思います。仮に1級防水施工技能士の国家試験に合格したとしても、それは1級防水施工技能士としての始まりに過ぎない、と思います。
技能とは、そういうものです。1級防水施工技能士の国家試験に合格したものは、1級防水施工技能士としてのスタートラインに経つことができた、ということに過ぎない。資格を取得してからの10年、20年、30年、と現場施工を続ける中で得た現場経験と知識があってこそ、1級防水施工技能士だと言えると思います。
ちょっと、くっそ真面目に語ってしまいましたが、私も1級防水施工技能士の有資格者です。現場では常に1級防水施工技能士としての自覚と責任を持って、防水施工をしています。
それでは、また。
職人魂の防水屋、必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤
(2023.08.4)