「雨漏り修理、防水工事」職人魂の防水屋、職人社長安藤のblog

雨漏り診断士、1級防水技能士、2級建築施工管理技士の有資格者である職人社長安藤の「雨漏り修理・防水工事」に関するblog

職人魂の防水屋、必殺雨漏り修理人の仕事~埼玉県白岡市防水工事、改修用ドレン取付前の工程

2023-04-25 20:28:20 | 雨漏り調査・診断・修理・防水工事

千葉県野田市の職人魂の防水屋、必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤です。

 

今回の現場は埼玉県白岡市です。防水工事の際に改修用ドレンの取付が必要になることがあります。特に雨漏りがしている場所の真上に排水口がある場合は、要注意です。

複数箇所の雨水の侵入口から一箇所へ雨漏り、というケースも結構多いのですが、その原因の一つが排水口だった、ということも多いので、防水工事の際は改修用ドレンを取付けたほうが良いかもしれません。

写真は、横型ドレン用の改修用ドレンですが、私の場合、既存が縦型ドレンであっても、横型ドレンであっても、横型ドレン用の改修用ドレンを使用しています。横型改修用ドレンにはジャバラホースが取付けてあります。これが重要なんです。だから、私は使用しています。

 

改修用ドレンには、縦型ドレン用と横型ドレン用があります。

簡単に説明すると、縦型ドレンは屋上、バルコニーなどの平場(床部分)に取付けてある。雨水を集めてパイプへ流す排水口。縦型ドレンは平場(床部分)にある排水口へ雨水がストンと落ちるイメージ。

横型ドレンは屋上バルコニーなどの立上り(床部分から垂直に立ち上がった部分、だから立上りです。)に取付けてあって、雨水は平場の高い所から低い所へが流れていくので、勾配の低い所にある排水口へ雨水が吸い込まれていくようなイメージ。で、どうですか。縦型ドレン、横型ドレン、イメージできましたか?

それでは、今回は既存の横型ドレンに横型改修用ドレンを取付けるので、取り付けを行う前の工程について説明をさせていただきます。

この写真は既存の排水口(横型ドレン)です。

ストレーナー(ゴミよけ)が取付けてあるので、まず、ストレーナーを取り外します。

ストレーナーはビス止めされているので、プラスかマイナスドライバーでビスを外します。潤滑スプレーをシュッ、と吹き付けてしばらく放置してからドライバーを回すと外しやすくなります。

次にもう一枚外さなければならないのが、写真のコイツです。屋上、バルコニーなどの防水層の上に保護コンクリを打設している場合、だいたい保護コンクリが上にのっているので、取り外すために、保護コンクリをサンダーでカットします。

サンダーでカットした後は、地味なハツリ作業が続きます。ハツリ作業は、力を入れすぎず、また弱すぎずです。もちろんマスクをして作業をしたほうが良いですね。粉塵を吸い込んだら後で困りますから。

このように取り外すことができれば良いのですが、なかなか取れない場合があります。そんな時はちょっと乱暴ですが、叩き割って外すこともできるので、必ず撤去をしています。

たまに雨漏り調査で見かけるのですが、コイツを撤去しないで、ストレーナーだけ取り外して、改修用ドレンを取付けている業者さんもいらっしゃるようですが、私は外しています。

取り外したら、金属ブラシで汚れを落とします。改修用ドレンをしっかりと取付けたいので、土、ホコリなどは残らないように注意をします。

刷毛で念入りに掃除をして、改修用ドレン取付の下準備が終わります。

写真は、今回、既存ドレンの撤去に使用した道具の皆さんです。サンダー、刷毛、バール、ドライバー、ハンマー、潤滑スプレーなどです。

改修用ドレンを取付ける前工程も重要な工程です。

防水工事とは、今日の仕事の上に明日の仕事が重なる工事です。工事が1週間続くであれば、それだけ多くの工程がある、ということになります。

初日に行う高圧洗浄からケレン清掃、防水下地処理、改修用ドレン取付、伸縮目地の撤去、シールプライマー塗布、バックアップ材の充填、シーリング、ウレタンプライマー塗布、通気緩衝シートの貼付け、脱気筒の取り付け、ウレタン防水塗布、トップコート塗布、の他にも各工程の中で、独自の工夫をすることがあります。

防水工事、と一口に言っても、細部にきめ細やかな工夫をした施工もあるので、例えば、ウレタン防水通気緩衝工法を施工したとしても、防水職人が違えば、当然、防水の品質にも差がつくわけです。

我々防水屋の仕事とは、施工に入った初日から細かい仕事の上に次の日の仕事が重なり、また次の日の仕事、また次、......と最終日まで続いていく、毎日の積み重ねによって最後の完成の時を迎えます。

防水職人は、現場に入ったその日から、良い作品を作るために最善の方法で全身全霊で作品作りに打ち込んでいます。

お時間がある時にでも、ご自宅の屋上、バルコニーなどの防水工事をご覧になってください。

防水職人の細かい工夫や、普段は当たり前のように見える防水工事の仕上りも、防水職人によっては、現場経験から学んだ技術を生かした施工をしているはずです。

当時の防水施工の様子を想像してみるのも結構、楽しいかもしれません。

 

それでは、また。

職人魂の防水屋/必殺雨漏り修理人

(2023.04.25)


埼玉県加須市の雨漏り調査~千葉県野田市の必殺雨漏り修理人の雨漏り調査記録

2023-04-17 18:34:17 | 雨漏り調査・診断・修理・防水工事

千葉県野田市の必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤です。

 

今回、必殺雨漏り修理人の雨漏り調査記録の中からご紹介するのは、埼玉県加須市の雨漏りの現場です。それでは、雨漏り調査時に撮影した写真を御覧ください。

建物は2階建ての鉄筋コンクリート造で築50年以上、ということです。建物の外壁にはタラップが取付けてあるのですが、タラップまでは梯子を使用して屋根を目指して上がっていきます。

屋根の上に降りると、塩ビシート防水機械的固定工法が施工されていました。機械的固定工法というのは、簡単に説明すると、下地に固定したディスク(円盤)に塩ビシートを固定する工法です。塩ビシートを下地にボンドでベターと貼りつけない工法、といえばわかりやすいかもしれません。

写真を御覧ください。塩ビシート防水が縮んでしまい、かなり変形しています。

塩ビシートがここまで変形してしまうと、排水口に貼りつけた塩ビシートがかなりの力で引っ張られているので、剥がれてしまいます。

排水口周辺の塩ビシート防水が縮んで引っ張られてしまっている状態です。排水口に貼り付けていた塩ビシートがこの通り剥がれてしまい、口が開いていました。

雨水は排水口へ流れて排出されますが、剥がれてしまったこの部分から中にも雨水が流れ込んでしまいます。これは雨漏り原因の一つですね。

排水口のこの部分も剥がれています。見えますか? 

この写真は、かなり強烈です。この辺りの塩ビシート防水は強烈に縮んでしまったようです。平場と立ち上がりの部分が引っ張られてしまい、入隅がありません。

天端には防水押え金物が取り付いているので、塩ビシートをガッチリ押さえているので、塩ビシートが縮んでしまうと、引っ張られて塩ビシートが浮き上がってしまいます。膨れているように見えますが、実は縮んでこうなってしまった、というわけなんです。

例えば、防水押さえ金物の取り付け具合が不完全だった場合は、塩ビシートの端末部が剥がれていたと思います。塩ビシート防水が経年劣化で縮むと、雨漏りに直結する不具合になるので、十分気をつけたいところです。

その他にも雨漏りの原因になってしまう箇所が、点在していました。例えば、ここです。これは何でしょうか。鉄部は既に錆びています。シーリングでも施工してあれば、良かったのですが、シーリングはありませんでした。

それとも、経年劣化によって、シーリングが風化してなくなってしまったのかもしれません。

ここは何かが当たってできた傷ですね。サビが出ているので、塩ビシートの下は鉄製だと思います。

 

これはタラップの付け根の部分には隙間があります。シーリングがないので、雨水が入り込んでしまう危険箇所になっていました。

 

 

横から見るとこのように塩ビシートが縮んで引っ張られているのがよく分かると思います。すごいですよね、これ。

今までもこのような強烈な塩ビシートの経年劣化を複数回見ていますが、決まって簡単に上がれる屋根ではなかった、というのが共通して言えることです。

以前、ゴムシート防水でもこれと同じようにシートが引っ張られてしまい、入隅が浮いたままの状態で、離れたところから見ると、まるで膨れているように見えるゴムシート防水を見たことがありますが、その現場も簡単に防水点検ができないような屋根でした。

屋根防水の点検はやらないよりは、やっぱりやったほうがいいですよね。

どんなに優れた防水工法も防水シートの経年劣化に起因する不具合を止めることはできません。早めに手を打たなければ、状態は更に悪化してしまうことでしょう。

防水層の経年劣化進み、雨漏りが重症化する前の段階に工事をすれば、部分的な工事で済んだのかもしれませんが、防水材にも寿命があります。

今、このような防水層を目にしても落胆する必要はありません。防水改修工事を行い、屋根に新たな生命を吹き込めば、この瞬間から雨漏りしない屋根になるでしょう。

 

必殺雨漏り修理人は、できるだけ工事金額を抑える工事プランをいくつか考え、ご提案いたします。その中からご予算にあった工事プランをお選びください。

お困りの時は、必殺雨漏り修理人を思い出していただけると、幸いです。

 

それでは、また。

必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤

(2023.04.17)

 

 

 

 

 


埼玉県さいたま市の屋根防水点検調査~千葉県野田市の必殺雨漏り修理人の雨漏り調査記録

2023-04-09 21:03:20 | 雨漏り調査・診断・修理・防水工事

千葉県野田市の必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤です。

私達、防水職人は春になると、突然の強風で通気緩衝シートを貼ることができなくなり、菜種梅雨が続くと順調に進んだ工事がストップ、ウレタン防水の上に落ちた黄砂を拭き取ったりしています。

施工中、屋上から見ている桜はきれいだけれど、そいつがウレタン防水の上に舞い落ちると、きれいだとか、言ってる場合ではなく、1枚1枚除去しなければならない、・・・・・という余計な仕事が多くなる、。。。。。春。

防水屋にとって桜舞い散るこの季節は、なんとも複雑な気持ちになる季節でございます。

防水屋にも春には春のストーリーがあり、夏には夏の施工中のドラマがあるものです。

今回、必殺雨漏り修理人の雨漏り調査記録の中からご紹介するのは、埼玉県さいたま市のマンションの屋根防水点検調査ですが、ここにも防水屋の一つのドラマがあったようです。

それでは、屋根点検調査で撮影した写真を見ながら、どんな所が雨漏りの原因になっているのか、一緒に見ていきましょう。

こちらのマンションは3階建てで、ご覧の通り横に長~い建物でございます。この屋根は梯子を使用して上がらないとならないので、気楽に屋根の上を点検、という感じではありません。

みなさんもお気づきのことと思いますが、屋根の上に模様が見えますね。

この模様は良い模様ではありません。これは経年劣化でトップコートが紫外線にやられてしまったため、このような縞々模様ができてしまった、というわけです。

屋根が長いので、部分的に分割して屋根防水工事をやっているようですが、汚れ方が不自然な感じです。このラインはローラーで塗っているように水下の方向へ汚れのラインがついています。

トップコートを塗布する時はローラーで一方向へ塗っていくので、トップコートの塗り目かもしれません。

遠くの方に何かあります。木のように見えるあれは、誰かが植栽したわけでも、屋上緑化でもありません。排水口に勝手に生えてしまった植物です。排水口に生えてしまった植物をそのままにしておくと、防水層を破壊してしまい、雨漏りの原因になってしまいます。

植物の根は結構強いので、気をつけなければなりません。

防水層に穴がありました。この防水層は紫外線に結構やられていますので、この長~い屋根には複数箇所同じような穴がありました。

こんなに大きな穴は雨漏りの原因になってしまいます。一番上の防水はウレタン防水のようです。私が触っている白いひげのようなものは、不織布です。

ウレタン防水の下には黒いものがあってその下は防水下地です。黒いものは、粉々に砕けてしまったアスファルト、それとアスファルト系のルーフィングもありました。

・・・ということは、新築時にアスファルト系の防水が施工してあって、新築から10年後のメンテナンスでウレタン防水を施工したのか、10年後のメンテナンスが来る前にウレタン防水を施工したのかはわかりませんが、10年、20年でここまで劣化はしないので、30年位は経過しているのかもしれません。

屋根の水上には脱気筒が設置してあったので、ウレタン防水通気緩衝工法で施工したようですが、表面にやけに多いボツボツは、これはなぜでしょうか。

夏、ウレタン防水を施工している時に突然の雨でウレタン防水の表面が、このようにボツボツの状態になってしまうことがあります。

それによく似ているんですね。このボツボツ。

そこから推測できるのは、夏、ウレタン防水を施工中、突然の夕立ち、施工は中止か、または、ウレタン防水の施工が一段落して、「さて休憩でもしようか」、親方は新人に「おーい。〇〇、コーラでも買って来て」その後、コーラを飲んでいると、突然の雷と大雨。。。とか、いろいろ考えられるわけでございます。

 

雨が上がっても、その日の施工は無理なのです。

ウレタン防水が硬化してから施工をすることになります。ボツボツの上にもう1回ウレタン防水を施工して、ボツボツをウレタンで埋めてフラットにしなくてはなりません。その日の施工はこれ以上は無理なので中止。親方は「しょうがねぇな。また明日にするか。」。。。。と、いったような場面が見えてくるような気がします。

現場調査に伺った時、このような月面のクレーターのようなボツボツを見ると、くっそ暑い夏に施工をする防水屋のドラマが見えてくるような気がしますね。

屋上防水の点検調査、雨漏り調査の時に必要なのは、現場経験と専門知識ですが、さらに必要なのが想像力と直感力でございます。

雨漏りを解決するためのヒントになるであろう防水職人の施工中のドラマ。。。

 

雨漏り診断士であり、1級防水技能士でもある私は、昔、この屋上でこんなことがあったのかもしれない、を想像しながら、必要な情報を現場で一つ一つ収集し、雨漏り解決に生かしてしております。

 

それでは、また。

 

必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤

(2023.03.28)