枯木星 眺め見ゆるは 過去の俺
きらめくような「満天の星空」を眺めることがなくなって久しい。
記憶に残っているのは
屋久島の海岸の岩場にある「湯泊温泉」で眺めた星空。
月明かりだけで照明は一切なく(はるか遠くに一つだけ裸電球が見えた)、一応竹柵で仕切りはあるが限りなく混浴に近い小さな露天。
(ネットより借用)
10年あまり前の事だが、深夜でも結構な入浴客があった。
入浴後に防波堤のコンクリート上に寝そべって眺めた見事な星空が、まるで手が届きそうなくらいに感じられて感動したのがついこの間のよう。
そしてもう一つ記憶に残っているのは中学時代に眺めた田舎の星空。
当時、田舎ではトイレは家の外にあった。(当然まだ「ぼっとん便所」)
団塊の世代のしんがりで受験競争が激しかった(「15の春を泣かせるな」を合言葉にどんどん高校が新設されていた時代)、
受験勉強が終わり、小用をたしながら眺めた星空。
ちょうど初恋の時期と重なり、目覚めたら又あの娘に会えるとわくわくしながら見事な星空を眺めてから眠りについたものだ。
手を握ることはおろか滅多に話もしたことがないのに、毎日教室で横顔を眺めては恋心をつのらせていた。
今ではすっかり枯れてしまったが、ピュアだったあの頃がやけに懐かしい。