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世界一の「一般人」がいる日本

2009年05月20日 | coolJapan関連本のレビュー
◆『私は日本のここが好き!―外国人54人が語る』(出窓社)という本がある。この本は、『文藝春秋・特別版』平成18年8月臨時増刊号の中の特集「私は日本のここが好き!」で、この中でそれぞれ日本のよさを語った外国人52人に、さらに2人へのインタビューを加えて一冊の本にしたものだ。

今後、この中の何人かのインタビューを取り上げ、若干のコメントをつけていく予定だ。今回は、スコット・キャロンというアメリカ人男性のインタビューを取り上げたい。投資顧問会社の社長で滞日期間は通算17年になる。

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研修生として来日した頃の私は、アバウトな性格で「もう、いいや」と途中で諦めてしまうタイプでした。けれども日本に来たからこそ成長できたのだと思います。日本人は、真面目で勤勉、そして「質」をとても大事にすると思います。社会全体で常にエクセレンスをめざす。自分たちは気がついていないかもしれませんが、これはとても明白な素晴らしい利点です。そして、日本社会の最大の強みは、「一般人」です。日本には世界一の「一般人」がいますよ。米国のエリート教育はすごいと思いますが、エリートは一部の人間だけです。日本には優れた一般の人々が大勢いて、いつだって一生懸命。日本は健全な社会だと実感します。米国は貧富の差が激しいですから、それこそ健康保険にも加入していないような人々がたくさんいます。日本は最低保障、セイフティーネットがあります。豊かな社会なのです。治安も世界一です。東京では、子どもを自由に外で遊ばせておくことができますし、バスや電車に一人で乗せることもできます。マンハッタンで子どもを一人で外に出すなんて到底考えられません。東京での生活の方がよっぽど充実した子ども時代を遅れると思います。

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これまで紹介してきたいくつかの記事に重なることに気づかれると思う。多くの外国人が日本に来て、同じような印象を持つということである。ここで第一に比較したいのは、かつて紹介した『平凡な日本人のレベルの高さ』というタイトルで紹介した朝鮮日報の記事だ。そこで「‥‥しかし、日本も政治家の実力と実績は客観的に言って三流だ。日本に住んでみると、はし店・魚屋・米屋・工事作業員の努力や実力が、韓国とは明らかに違うように思える。一部の政治家ではなく、国民全員が国の現実に責任を負っているのだ。」 と語られたことを思い起こす。

「米国のエリート教育はすごい」から、エリート政治家だけを比較すると明らかにアメリカは一流、日本は三流だ。しかし、平凡な日本人、「一般人」である日本人は、きわめてレベルが高いのだ。それでいて日本人はそのことに気づいていない。

日本の「一般人」のレベルの高さを指摘するのはこの二人だけではない。きわめて多くの外国人がそれを感じるようだ。気づいていないのは日本人だけ。だからこそ、日本人自身が気づいていない日本人のよさを客観的に把握して、明確に自覚することが、そのよさを失わないためにも、とても大切なのだと思う。
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