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東日本大震災と日本人(4)突きつけられた問い

2011年05月29日 | 日本文化のユニークさ
「東日本大震災と日本人」というタイトルで、次のような四つの観点から論じる予定だったものが、1)に触れただけで途切れていた。途切れたというより、行き詰っていたというべきか。


1)大震災の後に日本人が見せた冷静さ、混乱のなさ、相互のいたわり合い、保たれた秩序などが、日本人が気づかずに保持している大切なものが何なのかを日本人に自覚させた。

2)日本の多くの若者たちが、今、被災地を援助するためのボランティア活動に積極的に関わっている。そこに示される意識変化は、大震災以前から、日本人の意識変化が若者たちを中心にして進んでいたものが、この大震災でひとつの形となってはっきりと現れた。

3)今後、当面のあいだ原子力発電は維持されていくだろうが、徐々に縮小されて、よりエコロジカルな代替エネルギー、再生可能エネルギーの開発が急速に進み、文明のあり方を変えるような技術の開発が日本で進められれていくかも知れない。

4)以上の三点や、その他のいくつかの視点を踏まえると、日本は今後世界に先がけて「脱近代」の動きを加速させていくだろう。


行き詰った理由は、2)について言えば、主として受け入れ態勢の理由から、ボランティアが現地に現地に行くことが制限されてしまい、その後、ボランティアの活躍に関して目立った報道がなかったことがある。もう少し時間をかけながら、今度の震災をひとつのきっかけにしての日本人、特に若者たちの意識変化のを見守っていきたい。

3)に関しては、続々とエネルギー関連の技術開発の報道はなされているが、今後どのような技術開発が決定的な役割を果たしたり、主流になったりしていくのかは、まだ見えてこない。この問題ももう少し長いスパンで見守っていきたい。ただ情報は積極的に収集しているので、途中報告のようなことはいずれ出来るかも知れない。

同様に4)のような「脱近代」動きがはっきりとした形になって現れてくるのは、もう少し時間がたってからだろう。まだまだ日本は、原発事故の収集からは程遠く、それをめぐる政治も想像を絶する混乱の中にあり、舵取りを間違えれば沈没するのではないかと思われる危険な航行を続けている。ようやく落ち着きを取り戻し、未来の方向が見えてくるのはもっと先のことになるだろう。

ただひとつだけはっきり言えるのは、この大震災とそれに続く原発事故によって日本は、否が応でも近代の文明のあり方を問い直さざるを得ない大問題を突きつけられてしまったということだ。その問いを、世界に先がけて、もっとも深刻な形で突きつけられてしまったのだ。今後もっと拡大するかも知れない膨大な犠牲をともないつつ、突きつけられてしまったのだ。

これまでのように安易にどっぷりと既存のエネルギーに浸かった生活を続けることはもう許されない。エネルギー問題だけでなく、個々人のライフスタイルや価値観、社会システムまで含めた新しい文明のあり方を模索しなければならない。今、日本人に課せられているのは、そのよう文明史的な問題なのだという自覚を持ったうえで、今後の日本のあり方を徹底的に問い、徹底的に考え抜いた先にしか、未来は開かれていかないだろう。
コメント (1)
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