op's weblog

文字通りのログ。経験したことや考えたことの断片のアーカイブ。

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2005年11月02日 20時07分53秒 | Weblog
 この手のものは、すぐに底が知れるものばかりなので、カロリーメイトのコマーシャルを見ても「おお、フラットライナーズの人だ。年取ったなー」ぐらいにしか思っていなかった。

 で、この前深夜にめずらしくザッピングしていると、致死性ウィルスに感染した死体を政府関連施設の前に抛りだしていくところが映り、そのあともPCいじりながらチャンネル変えていたのが、だんだん引き込まれてしまった。生憎録画しておけない状況が続いたので非常に不健康な状態が一週間ほど続いてしまった。

 非常に良くできている。但し個人的な印象としてはこれは娯楽作品とは程遠い。これほどバイオテロをリアルに見せている長編をドラマとしてたくさんの人が楽しんでしまうとは、余程想像力や感情移入力に欠け、退屈しているのか、刺激中毒なのか、もともとイカレテイル人が多いのだろう。

 ネットで評価を見てみると、あそこがだめだここがあーだとか書かれているが、少なくとも僕が見始めたところからあとはストーリーに大きな穴はなく、不自然に見えたところも、逆にそこだけドラマとしての効果を上げるつもりでいじったのがわかるようになっている。

 とにかく、24時間リアルタイム進行というコンセプトの効果もあり、おそろしくリアルである。政府の対テロ専門機関(CIA内の対テロ部門「CTC」がモデルなのだろう。なお、米国には、軍や警察のような所属や用途毎に、デルタ・フォースやHRT、NSAをはじめとして対テロを行う機関がたくさんあるそうだ)という特殊な組織、そしてそこで働く人間の考え方や行動も十分演繹、類推できるものだし、このシーズン3に関しては主人公の行動もドラマ用のInstinct killerではない。有事の際の具体的な対応やコミュニケーションも納得できるものだ(もちろん全て描こうとすると話が終わらなくなってしまうので、故意に切ってしまっている箇所もあるが、切り方も適切である)。軍事マニアが好みそうなディティール部分もこれ以上凝っても意味が無いところまでやる必要はないし、そもそも対テロ、しかもバイオハザードに関する対応を全て一般公開する利点はない。色々なところで言われているかもしれないが、映画の「ブラックホークダウン」に近いコンセプトの作品で、どちらも観るものにとってかなりきつい作品だ。

 正直見ていて楽しくなれる類のものではなかったし、えらく長いのだが、シーズン2も借りてみた。こちらは間延びしていて、穴も多く、時間が経つにつれてますます質が落ちていく内容だった。ただ、ネットでは主人公の娘の行動がばか過ぎるとかストーリー上余計だとか言われているが、これは逆だ。みなさんご自分のことをお忘れになってらっしゃるようだが、行動基準やとっさの判断力など実際こんなもんだったでしょう?後半になっていくと明らかにむりやりつくってしまっているが、このシーズンでの親子に関する部分、あくまでこのシーズンにしてはそんなに悪くない。

 アマゾンを見てみると、シリーズ3はそれ以前と違い大きな賞をとっていないようだが、同年にこれを上回る余程優れた作品がたくさん出たのか、リアル過ぎシリアス過ぎるところが嫌われたのだろう。シーズン4もレンタルが開始されているが、娯楽色を強めたか、よりストイック志向になったのか。どうせなら、世界経済まで波及することが容易に想像される事件の影響もしっかり次のシリーズにフィードバックしてくれると有難いのだが、そこまでやるともはやドラマでなくなってしまうか。
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