木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

日本伝統工芸京都展が中止になりました。

2020-05-26 21:17:10 | 伝統工芸展
明日から日本伝統工芸近畿展の京都展が始まる予定でしたが、これもコロナウィルス感染拡大の影響で
中止になってしまいました。

今回は、レースウッド飾箱「天平」を出品しました。
従来の日本工芸会のHPから作品を見ていただくことができます

木竹工の入選作品は、こちらのYouTubeの動画でご覧いただけます。

そのほかの部門の入選作品については、こちらのYouTube日本工芸会近畿支部の公式チャンネルをご覧下さい。


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桑煎茶棚の制作

2020-05-25 21:47:12 | 木工

日本煎茶工芸展に出品した「桑煎茶棚」の制作の様子・・・今年の2月の制作ですが・・・


10年以上前に入手した桑の板。暫く乾燥庫に入れて養生した後鉋で削りました。


脚部の削り出し。左右中央で流れる向きが違います。

途中は省略して・・・写真を撮っていない(^^;)

部材の加工が完了。仕口は袋ほぞにしました。




高欄の卍崩しは5mm角のグラナディラを使い、ほぞで組みました。


部材の加工がすべて完了。


仮組みをして確認。
この後もう一度分解して、石灰を塗ってアク出しをしました。
石灰を落とし、磨いてから組み立て


これで完成です。

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第34回 日本煎茶工芸展

2020-05-24 13:33:38 | 伝統工芸展
作日から開催予定だった「第65回全国煎茶道大会」および「第34回日本煎茶工芸展」が中止になってしまいました。
10月の開催を検討されていますが、どうなるのでしょう。
日本煎茶工芸展は審査も済んでいて、受賞作品がこちらから見ることができます。
今回「桑煎茶棚」を出品し、全日本煎茶道連盟賞をいただきました。
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ブックカバーチャレンジ 7日目

2020-05-23 23:24:16 | その他
ブックカバーチャレンジ 7日目
ガラッと変わって、好きな時代小説の中でもちょっと異色な
 小池一夫作 「夢源氏剣祭文(ゆめげんじつるぎのさいもん)」上・下



平安時代に実在した人物をモデルにした歴史ファンタジーです。
 藤原秀郷の娘に産まれながら父を知らず、また4歳にして母も亡くし山姥に育てられた薄幸の少女いばらき(茨木)の数奇な運命を綴った悲しくも美しい物語です。挿絵も良いですよ。もう一つ「鬼の橋」も紹介したかったのですが、本がどこかへいってしまってない。
私は平安時代の「鬼」になぜか惹かれるのです。
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ブックカバーチャレンジ 6日目

2020-05-20 14:11:08 | 煎茶

ブックカバーチャレンジ6日目は、煎茶関係から
松香庵流家元、嶋田静坡宗匠著の「煎茶百楽」



煎茶を楽しんだ先人たちの紹介からはじまり、煎茶を楽しむ基礎知識、煎茶席の設え、作法と道具から茶話に至るまで、煎茶の世界を堪能できる内容となっています。
多少煎茶をたしなむ小生にとって折に触れ読み返し勉強させていただいている一冊です。



 毎年春、黄檗山萬福寺で全国煎茶道大会が開かれています。
日本煎茶工芸展も同時に開かれ、数年前その会場で他の人と出身校の事を話していたら、後ろから「私も同じ大学の工学部出身だよ」と声を掛けてくれた方がいました。
大学の先輩にあたるその方がこの本の著者の嶋田静坡宗匠の妹さんのご主人だったのです。
それから煎茶道具のことなど話しが弾み、煎茶の教授をされている奥様や嶋田宗匠に紹介していただきご縁を得たのでした。
 全国煎茶道大会や東京大煎茶会では松香庵流のお席にも毎回入らせていただいています。
まだ煎茶を習い始めて日の浅い私はいつも緊張してお席に入りますが、お点前を拝見し、美味しいお茶やお菓子をいただきながらお家元のお話を聞いていると、とてもゆったりした気分になり、なんとも言えない心地よさに包まれます。
足はしびれてきますが・・・
そんな雰囲気をこの本から感じていただけたらと思います。

 これまで紹介した本は、私を木工や煎茶の世界に誘ってくれましたがそれだけでなく、多くの人との出会いももたらしてくれました。
殆どが厚かましくも私が無理矢理押しかけたのではありますが・・・(^_^;)  
朝から晩まで工房で一人制作の毎日ですが、作っている作品や使う道具の向こうにはそれに関わる皆さんの顔が浮かびます。
ブックカバーチャレンジという機会をいただき、本を探しながら改めて過去を振り返ってみると、多くの皆さんとのつながりの中で、今こうして楽しく木工ができているのだということを強く感じている今日この頃です。
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ブックカバーチャレンジ 5日目

2020-05-18 21:58:18 | 木工
ブックカバーチャレンジ 5日目は2冊
 「伝統工芸を継ぐ女たち」と「伝統工芸を継ぐ男たち」



 全国各地に伝わる伝統的工芸品の世界に飛び込み、あるいは「家業」を継ぎ、ものつくりをする若い「女たち」「男たち」の物語です。
 伝統産業を巡っては、この30年ほどで全国の伝統工芸品の生産額が5分の1以下に減り、伝統産業に従事する人も4分の1以下に減るという大変厳しい状況にあります。
後継者不足も叫ばれる中で、どっこい頑張っている「女たち」が「男たち」がいます。
この本ではその皆さんの頑張りが生き生きと描かれています。



 「伝統工芸を継ぐ女たち」の中に登場する、長野県の上田紬の伝統を受け継ぐ伝統工芸士の小岩井カリナさん。
昨年夏に、上田市の武石(旧小県郡武石村)で開かれた展示会で始めてお目にかかり、更に11月には自宅の工房にお邪魔してお話しを伺いました。
その時求めた上田紬の名刺入れとネクタイは私の愛用品です。



 もう一人、「伝統工芸を継ぐ」に登場する三木の鉋鍛冶で伝統工芸士の森田直樹さん。
千代鶴是秀から続く鉋鍛冶の技を四代にわたって受け継いでいます。
森田さんの師匠である二代目千代鶴貞秀さんにはもう35年以上親しくしていただき、森田さんとも入門の頃からのお付き合いです。
 この本の作者の関根由子さんとは森田さんが千代鶴貞秀が三代目襲名した襲名式の会場でお目にかかり、その時この「伝統工芸を継ぐ女たち」をプレゼントしていただきました。
 今回の新型コロナウィルスの感染拡大による影響は、こうした伝統産業に携わる人々にも大変大きな打撃を与えています。
そうでなくても厳しい状況の中、地域に伝わる素晴らしい伝統工芸・伝統文化を守り、将来にわたって引き継いで行くためにも、大きな支援が必要ではないかと思う今日この頃です。
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ブックカバーチャレンジ 4日目

2020-05-16 21:40:54 | 木工
ブックカバーチャレンジ 
 4日目は、須田賢司著「木工芸 ~清雅を標に~」です。



 内容は二部構成になっており、前半の「作品 Worls」では素晴らしい指物の作品の数々を、伝統工芸展等では通常見ることができない内部の造りに至るまでつぶさに見ることができます。
 木工芸作品では、例えば「欅拭漆飾箱」のように素材、仕上げ方法、使用目的などで構成される名前が付けられますが、須田先生の作品にはその後に「水光接天」などの名前が付けられています。
材料との出会いやその木材から受けるイメージと、愛好される漢詩の世界を表現したいという思いなどが結実して素晴らしい作品が生まれまていることがわかります。



 一つ一つの作品についてそれが詳しく述べられ、読む者にとっても先生の作品の世界が一層広がります。
このような本は今までありませんでした。
木工芸を志す人だけで無く、多くの皆さんに木工芸の深遠な世界に触れていただきたいと思います。

 さらに、本の後半は、「日本木工小史と私の仕事」が付け加えられています。



 その内容は、今まで上げてきた書籍の要点と思われることをすべて包括し、その上に実際に制作に携わる作者ならではの新しい視点と豊かな見識でまとめ上げているといっても過言では無いと思います。
 私にとって木工や道具に関していろいろ学ぶ中でずっと疑問に感じていたことが二つありました。
一つは、正倉院の宝物の木工芸品以降、その技が発展して制作されたというような木工芸品が見られないということ。
そしてもう一つは、大工道具の歴史の中で、室町時代の半ば頃まで製材する縦引きの鋸や今のような台鉋が本当に無かったのか、ということ。
これらについても日本木工小史の中で触れられていて大変興味深く読みました。
 「私の仕事」では材料となる木材から道具、制作に至るまでのエッセンスが詰まっていて、改めて自分の仕事を見つめ直すよう厳しい指摘を受けているようにも思えるのです。
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ブックカバーチャレンジ3日目

2020-05-15 22:05:52 | 木工

 次に紹介したいのは、グラフですが、人間国宝シリーズの「氷見晃堂」と日本の美術6の「正倉院の木工芸」



 指物をする人が必ずと言って良いほど一度は通る道なのかもしれません。
毎年秋に開催される正倉院展に通うようになったのも1982~3年から。
実際に見た物か、本の写真で見た物か記憶は定かではありませんが、近くの材木屋で見つけた緑がかった黄蘗の縮杢の板と正倉院にある床脚付きの箱のイメージが重なり、床脚付きの小箱を作り京都府主催の「工芸美術展」に何もわからないままに出品したのが1985年だったと記憶しています。



 もう一つのグラフの氷見晃堂は、独学の指物師と言われていたこともあって大変憧れ、学び取れるものはすべて学び取ろうと関係する書籍から新聞の切り抜きまで集めまくりました。



作品の図録は「いつかは自分もこのような作品を作って見たい」と折に触れ眺めていました。
中でも、桑の八足の平卓が気に入り、これも近くの黒田材木展で見つけた神代欅の板と重なり、見よう見まねで作ってみました。
2006年、日本伝統工芸近畿展に挑戦を始めた時、最初に制作して出品したのはこの神代欅平卓でした。



                   第35回日本伝統工芸近畿展図録より。
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ブックカバーチャレンジ2日目

2020-05-15 07:47:48 | 木工

 本来の趣旨とはすでにかなり外れているように思いますが、続けます。
木工と道具にまたのめり込み始めたのが、1980年台の初め。その頃もう一つの出会いがありました。
それはこのサンレイムックシリーズの「木工と道具」



そして鳥海義之助著の「図解 木工の継手と仕口」



 この二冊は探して手に入れた訳ではなく、なんといつも買い物に行く近くの生協ストアの店先で開いていた古本のバザーで偶然見つけたのです。
道具や木工に関する世界が目の前に広がり始めた、という感じでした。木工に関する書籍や資料を集め始めたのはこのころからでした。
そんな折も折り、父親の友達で昔世話になった建具屋さん(技術を習った訳ではありませんが)が亡くなり、残された道具を全部いただけることになったのです。
暫く使われていなかったので錆が出ているものもあり、その手入れをしながら保管と木工作業ができるスペースとして、庭先に2畳足らずの小さな工房を自分で建てたのが1982年頃のことでした。
 もう一冊の「木工の継手と仕口」は、その後指物の師を持たなかった(持てなかった)私にとっての木組みの教科書でした。
「木工と道具」は現在手に入りませんが、「木工の継手と仕口」は現在も増補版が出ています。
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ブックカバーチャレンジより その1

2020-05-08 11:28:11 | 木工

 FaceBookでブックカバーチャレンジというのがどこからか始まり、私のところへも、日本工芸会でご指導いただいている須田賢治先生のご指名でまわって来ました。
 いつも私はブログにした記事をFaceBookにもリンクさせると言う形でやってきたが、今回は逆にFaceBookに載せた記事をブログでも紹介することにしました。しばらくお付き合い下さい。

 自己紹介も兼ねて1日目に紹介する本は、村松貞次郎著「大工道具の歴史」です。
 私は大学は工学部の電子工学科を卒業、就職は京都府立の養護学校。そんな私が12年前から、木工を仕事とし日本工芸会にも所属させてもらっています。その変遷?のきっかけとなったのがこの本です。




 実は小さい頃から工作が何より好きで、特に中学校の技術家庭科で習った木工にとりつかれ、学校で「本立て」を作れば、早速それを応用して家で「本棚」を作る、てな調子でのめり込んでいきました。
 高校時代は電気にも大変興味を持ち(昔父親がラジオ屋をしていたこともあった)、田舎で伝統工芸展など知らなかった私は、時代も反映し大学は電子工学へ。そして高校の電気の教師を目指したものの、工業高校に空きがなく、養護学校(知的障害)に就職した私に与えられた担当は、なんと高等部での木工の授業だったのです。
 鉋や鑿の研ぎもある程度できていたので、授業では生徒に実際に鉋や鑿を使わせて板を削ったり、ほぞ穴をあけたりして数人で共同で学校で使うベンチなどを作っていました。
 ある時、もっと道具の素晴らしさを教えるために道具の歴史を学ぼうと探して見つけたのがこの「大工道具の歴史」。
 大好きな法隆寺や奈良の寺が作られた時代には台鉋や、製材用の鋸もなかった、ということを知り、先人のもの作り力の偉大さにただただ感嘆するばかり。そして「生徒に教える・・」はどこへやら、自分が大工道具の世界にのめり込んでいきました。

 私の家は、木工関係の仕事をしていた訳ではありませんが、鉋や鋸、鑿などの道具があり、勝手に持ち出して使っては親父に叱られたものでした。でも今の時代、家庭に鋸がある家も少なくなり、まして鉋がある家など限られた家になっていると思います。大工さんでさえ、こうした手道具を使うことがすっかり少なくなってしまったというのですから。
 日本の大工道具は単純な故に大きな可能性が秘められ、「使う人の技量により道具自体が進化していく」ということができると思います。
 この本にはそんな例を示す逸話もいろいろ書かれています。残念ながら今は古書でしか手に入りませんが、読みながら古寺を尋ねてみると建物の見方がまた変わってくるように思います。

 
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