陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

三嶋大社を訪問し、祈願参拝

2010-08-30 23:26:48 | 旅行
 8月26日から週末にかけて、三島市で行われた学術研修会議へ参加し、懐かしい人達に数多く会うことが出来た。その間、ブログ更新を休んだのですが、知らずに訪問して下さった方々へお詫び申します。

 会議の合間に、少しだが三島旧市街を見学した。JR三島駅には既に20回程度は降り立っているのだが、駅北側に位置する企業群や裾野方面へ出掛けることが多く、駅南側に広がる三島女郎衆で名高い旧市街とはご無沙汰であった。

 南口付近のホテルから商店街を南東方向に下って行くと、左手に「愛染の滝」がある。
http://tennensui.i-ra.jp/e28997.html

 更に歩くと、右手に市立公園「楽寿園」(入園料300円)が見えてくる。これは小松宮章仁殿下の別邸跡で、広大な敷地の中に明治時代の木造建築「楽寿館」がある。館の前には、ゆったりとした小浜池が広がり、涼しげに木々の影を写していた。
http://www.city.mishima.shizuoka.jp/rakujyu/

 この池は、富士山の融雪水が溶岩で覆われた地下水脈を流れ下って、三島市のあちこちで湧き出る場所のひとつだそうで、昨今は産業の地下水利用が進んだためか、湧き水量が少なくなり、枯れ池になっている時期もあるらしい。でも、この日は水深1m程度、実に良い風情であった。広い池の周りには、遊歩道整備が充実し、のんびりと散歩を楽しめる。

 「楽寿館」内部は女性市職員が丁寧に案内をしてくれ、豪華な「謁見の間」をつぶさに見ることが出来た。宮殿下の別邸とは言え、檜材をふんだんに用いた京風の造りと襖絵が素晴らしく、眼の保養になった。

 この公園の道路を挟んだ反対側に「白滝公園」がある。鬱蒼とした木々の下で、ベンチに座って本を読む老人、静かに話している高校生などの横を通り過ぎ、桜川沿いに「水辺の文学碑」通り(水上通り)を下る。この通りについては、<写真紀行・旅おりおり>氏の解説が詳しい。
http://www.uchiyama.info/oriori/insho/yokotyo/mishima/

 清冽な湧き水が流れるこの小さな川には、鴨の親子が泳いでいた。文人達が三島を訪れた感想を散文や歌で表現した内容が石碑に彫られていて、中々面白い。古くは十辺舎一九の「東海道中膝栗毛」の一節や、新しい所では司馬遼太郎の三島所感などが見られた。

 水上通りの終わった部分の道路反対側に「三嶋大社」が鎮座している。境内はゆったりとして、本殿へ行くまで暫く歩くのだが、樹木が多く静謐な雰囲気が保たれている。200本と各種の桜が神池周辺に多いので、春には見事な開花を楽しむことが出来るだろう。
http://www.mishimataisha.or.jp/

 本殿よりも少し離れた右側に、天然記念物指定の「金木犀」(きんもくせい)の巨木がある。樹齢1200年を越すと言う老木で、9月下旬が見頃とのこと。甘酸っぱい芳香は、旧市街に広がるらしい。
http://www.mishimataisha.or.jp/Page/mokusei.htm

 手水で口を湿らせ、本殿に参拝した。御祭神は、大山祇命(おおやまつみのみこと)、積羽八重事代主神(つみはやえ ことしろぬしのかみ)=恵比寿様の御二柱。平安時代よりも前から祀られていたようだが、頼朝の挙兵祈願以来、東海道随一の神格を誇る。本殿は、重要文化財。

 私は、家族、知人の幸福祈願と共に、民主党政権の早期退陣と総選挙実施を切に祈った。

 参拝を終えた後、境内の茶店で名物の「福太郎」(漉し餡くるみの草餅)を載せた緑茶入り掻き氷(500円)を味わう。ふんわりとした餅の甘さを冷たい緑茶が引き立てる趣向。客は、私と年配の男性のみ。実に静かなものである。この後、宝物館を拝観。

 帰りは、「菰池(こもいけ)公園」の水辺を通り抜けて、ホテルへ戻った。半日の散歩であるが、随所に水に因んだ場所が多く、猛暑を癒してくれる街の佇まいであった。
http://www.city.mishima.shizuoka.jp/websystem/kouen/kouen_syousai000003.html
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