途切れましたが、ヴァールブルクによる「蛇儀礼」のご紹介を続けます。
リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。
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(引用ここから)
動物を通じて自然と一体化しようというこの魔術が最高に高揚した形態は、オライビとワルピのホピ族による生きた「蛇」を使った踊りです。
8月になると、夕立が来るか来ないかで、作物の収穫が決まります。
いわば、彼らの危機が訪れます。
その時にオライビ村とワルピ村が交代で、生きた蛇を使って救いの雨を呼ぶための舞踏がなされます。
ここでは踊り手と生き物が、魔術的に一体化するのです。
そして驚くべきことに、インディアン達は一切の生き物の中で最も危険なガラガラヘビを、暴力を全く使わずに操って、蛇の方が従順に、何日か続く儀礼を共にするようもっていくのです。
これはもし、ヨーロッパ人が行えば、破局的な事態になることでしょう。
この祭に当たっては、ホピ族の村の2つの氏族「カモシカ氏族」と「蛇氏族」が参加します。
この2つのグループはそれぞれに、伝説を通じトーテム信仰によって両方の動物とつながっているのです。
人間が動物の仮面を被って現れるだけでなく、それ以上に最も危険な動物である生きた「蛇」と共に呪術的儀礼をしているのを見ると、この地においては、今日においてもトーテミズムが生きているのがわかります。
ホピ族の「蛇舞踏」は、模倣によって動物になる「カモシカの舞踏」と「流血の生贄」との間に位置します。
というのも、動物は模倣の対象ではなく、はっきりと儀礼に加わるからです。
しかも生贄にされるのではなく、「ハポ」と同じに、人間に代わって雨乞いをする立場として登場するのです。
というのもワルピの「蛇舞踏」は、「蛇」自身に大願を強要する踊りなのです。
「蛇」は夕立の訪れが期待される8月、16日間続く儀礼のために、低地の砂漠で生け捕りにされ、地下礼拝堂(キバ)で「蛇氏族」及び「カモシカ氏族」の首長たちに世話を受け、その間独特の儀礼を受けます。
中でも「蛇洗いの儀礼」は極めて重要な意味を持っています。
蛇に対する扱いは、まるで神の秘儀に召される乙女に対するようです。
ありとあらゆる薬を混ぜた聖水の中に、蛇の頭を浸します。
蛇は抗いますが、無理やり浸すのです。
その後で地下礼拝堂(キバ)の床の、砂に描かれた絵の上に、この蛇を投げつけるのです。
床には真ん中の四足の動物を囲む形で、4匹の稲妻型の蛇が描かれています。
別の地下礼拝堂(キバ)では、砂の上に大きな雲が描かれていて、その雲からそれぞれ異なる色彩の4本の稲妻が走り出しています。
それぞれは4つの方位を示し、かつ蛇のようにくねっているのです。
最初に述べた砂の絵にすごい力でなげつけられると、絵が壊れて、蛇は砂まみれになります。
明らかなことに、「蛇」をこのように放り投げる魔術は、蛇が稲妻を引き起こし、水を創りだす存在と化すように無理強いしているのです。
儀礼の全体の意味が、この点にあることは明らかです。
それに続く儀礼行為を見ても、聖別されたこの「蛇」がインディアン達と一体になって、雨を引き起こす存在、及び雨乞いをする存在と化すように仕向けられていることが分かります。
「蛇」の形をした“生ける雨乞い聖者”となるのです。
「蛇」は地下礼拝所(キバ)で飼われ、祭りの最後の日には、紐で囲われた藪の中に置かれます。
もちろん、100匹の「蛇」の中には本当の「ガラガラヘビ」もたくさんいて、毒牙を抜かれないままの状態でいます。
儀式の頂点は、インディアン達がその藪に近づいて「蛇」を捕まえて運びだし、使者を派遣する目的でその「蛇」を草原に放つシーンです。
インディアン達が3人一組で「蛇」のいる藪に近寄ります。
「蛇氏族」の大祭司が、藪から「蛇」を引っ張り出すと、顔に色を塗り、刺青をし、臀部にキツネの皮をまとったもう一人のインディアンがその「蛇」を掴んで尾尻を口に入れます。
彼の肩を掴みながら歩いていく二人目のインディアンは、羽のついた棒を振って「蛇」の注意を逸らします。
3人目はいわば警備要員で、もし「蛇」が口から外れたら捕まえる役を担っています。
「蛇舞踏」は、このホピの地ワルピの狭い広場で行われますが、時間は30分ちょっとです。
こうしてすべての「蛇」が、楽器のガラガラという音に合わせて運び出されます。
踊り手達は、その後「蛇」を速やかに草原に持って行き、放ちます。
「蛇」たちは、すぐにどこかに消えていきます。
インディアン達はこのガラガラ道具にも、膝の関節にも、小石で飾り付けた亀の甲羅を付けていて、これでガラガラという音が出るのです。
(引用ここまで)
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