Inuit Musical Tribute
前回取り上げた「地球空洞説」の著者は、北極に住むエスキモーたちの祖先は西半球最古の民族ではないかと考えています。
そして最も古いエスキモーの祖先は北極の空洞内部を出入りしている人々だったのではないかという仮説をも提唱しています。
「地球空洞説」から載せてみます。
*****
エスキモーは、祖先はどこから来たかと尋ねられると、決まって北方を指す。
エスキモーの伝説には、非常に美しい北方の楽園の地の話もある。
イギリスの王さまがエスキモーに地底の楽園に連れていかれたという民話もある。
アイルランド人も北のかなたに美しい国があり、その国はいつも明るく、夏のような気候だという伝説をもっている。
スカンジナビアの伝説は、北の果てにある不思議の国について物語る。
アイスランド人はエスキモーをトロールと呼んでいる。これは古代人が超自然的なものを指して呼んだ名である。
エスキモーという言葉はラテン語で書かれるときは「ピグマイ」と訳された。これは神秘的な背の低い人々という意味である。
北の果てには世にも不思議な人々が住んでいるという伝説がヨーロッパ全土に広まっているのである。
人類学者も、エスキモーには北米インディアンと共通する何らの人種的特徴も認められないとしており、彼らはかつて西半球に住んでいた最古の民族のなごりではないかと考えている。
(レイモンド・バーナード著「地球空洞説」より要約)
*****
エスキモーの由来を調べていたら、昨年発表されたエスキモー(イヌイット)のDNA研究の記事がありましたので紹介します。
それによると、4000年前北極圏に住んでいた人々は、DNA上近隣の北米インディアンとは人種的に異なり、また現在のエスキモーの人種とも異なるということが明らかになったようです。
エスキモーたちは巨人伝説をもっており、巨人との関わりの記憶があるということですから、もしかしたら、著者の仮説のように、エスキモーの祖先は北極の空洞から出入りしている地底の巨人たちと何らかの関わりがあったのかもしれません。
でも、巨人伝説は北欧神話に広く見られるものですから、北極の地底人との関係が証明されたわけではありませんが。。
むしろ北欧神話の主人公たる巨人達の方が、より大きなテーマだと思われますが、ここでは「地球空洞説」にそってエスキモーに注目します。
以下に、ナショナル・ジェオグラフィックとAsahi.comの記事を転載します。
*****
「グリーンランドの古代エスキモーはアジアから来た?」
James Owen
for National Geographic News
May 29, 2008
アメリカ大陸初のエスキモーは、従来考えられていたようなネイティブアメリカンの子孫ではなく、直接アジアから移動してきたという新説が発表された。
この説を発表したのはコペンハーゲン大学古代遺伝学研究所のトム・ギルバート氏率いる研究チーム。
グリーンランド北西部の永久凍土から発見されたヒトの毛髪をDNA分析した結果、明らかになったという。毛髪は4000年ほど前の男性のもので、これは古代人の完全なミトコンドリアゲノムを採取できた初めての例だ。
また驚くべきことに、この最初のエスキモーは現在グリーンランドに住むイヌイットの祖先でもないという。
DNA分析の結果、グリーンランドで発見された古代エスキモーとその一族はシベリアから来たことが明らかになった。
「古代エスキモーはアラスカからグリーンランドにかけてくまなく存在していたが、にわかに姿を消し、別の集団が移動してきた」とギルバート氏は述べる。
グリーンランド最古のエスキモーとサカク文化の関連性を示唆する考古学研究もある。
4500年前のグリーンランドに生まれたサカク文化と1000年前に生まれたチューレ文化を比較すると、使われていた道具に大きな差異が見られるからだ。
ギルバート氏のチームによれば、古代エスキモーは寒冷化によって滅んだという。「当時は非常に厳しい自然環境にあったことが明らかになっており、そのため人口が減少していき、ついには壊滅したと考えられる。現在のイヌイットの先祖は、その後登場したまったく別の新しい入植者だ」とギルバート氏は述べている。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=1240463&expand
・・・・・
「極北、イヌイット以前に「巨人」いた・毛髪で伝説裏付け」asahi.com20080602
極北地域に最初に移住した人種は、現代のイヌイット(エスキモー)などと異なることがわかった。
コペンハーゲン大などの研究チームがグリーンランドの遺跡から見つかった毛髪のDNAを調べた。イヌイットの間には大昔、先に住んでいた巨人を祖先が追い出したとの伝説があり、これと符合する。
米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
<グリーンランドやアラスカの極北地域には約4千年前までには東アジアから人類が移住していたことが確認されている。
これまでは極北に住んだ最初の人類がイヌイットの祖先だと考えられてきたが、現代のイヌイットにつながる、鯨を食べる文化が起こったのは約千年前で、矛盾があった。
研究チームは、グリーンランドの約3千年前の居住地跡から見つかった凍結した人の毛髪から母方の祖先をたどれるミトコンドリアDNAを調べた。
その結果、遺伝子は現代のイヌイットやアメリカ先住民とは異なり、シベリアやベーリング海峡の周辺の住民と似通っていた。
イヌイットの間には「極北地域にはツニートと呼ばれる心の優しい巨人が住んでいた。だが我々の祖先を見たら、目から血を流して逃げた」という伝説がある。
国立民族学博物館の岸上伸啓教授は「アジアからの移住が数回起こり、先住民を駆逐することで文化ががらりと変わったのではないか」と話している。(香取啓介)>
http://i.asahi.com/topics/TKY200806020260.html
*****
wikiツニートより
ツニートは、イヌイットに伝承される伝説の巨人。
「極北地域にはツニートと呼ばれる心の優しい巨人が住んでいたが、我々(イヌイット)の祖先を見たら、目から血を流して逃げた」という言い伝えがある。
wiki巨人 (伝説の生物)より
巨人(きょじん、英 ジャイアント(giant)、ジャイガント
(gigant))は、様々な神話や伝説、ファンタジーに登場する伝説の生物の一種で、長身・巨体の神や人間あるいは人型の生物、亜人間のことである。
英語のジャイアント・ジャイアンツは、ギリシャ神話のギガス(ギガンテス)に由来する。また、ティタン(タイタン)など、明らかに神である場合は巨神と書く事もある。
乱暴で、人を食べたりすることになっている場合が多いが、賢く友好的だったり、超古代の生き残りになっていることもある。
ティタンの様に古い時代に世界を支配していたが、後の時代の神に地底に追いやられたものや、キュクロプスのように元々鍛冶神として信仰され、後に下級神(怪物、妖怪)化されたとのではないかと指摘されるものもあり、おそらく多くの巨人は古い時代の神の信仰が残ったものともいわれている。
北欧神話の巨人についても同様の仮説が19世紀末アクセル・オルリックによって提示されたが、ジョルジュ・デュメジルは「ゲルマニアにおいてもカフカスにおいてもまたヨーロッパのいかなる所であれ、『巨人崇拝』なるものはけっして存在しなかった」(『デュメジル・コレクション4』p. 150)としてこれを否定している。
wiki北欧神話
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%AC%A7%E7%A5%9E%E8%A9%B1
wikiエスキモーより
エスキモー (Eskimo) は、北極圏のシベリア極東部・アラスカ・カナダ北部・グリーンランドに至るまでのツンドラ地帯に住む先住民族の総称である。
雪や氷で造ったイグルー等に居住し、魚や海獣を捕って生計をたて、カヤックやイヌぞりによる移動生活をおくっていた。
伝統的なエスキモーでは、食生活は狩猟によって得た生肉が中心であった。獲物は漁を中心とするエスキモーはアザラシ・クジラ等、また陸での猟をするエスキモーはカリブー(トナカイ)などである。生肉の他は、ツンドラの原野に自生するコケモモの実などを食することもあるが、農業は不適な土地なので穀類を食べることはなかった。
なお、エスキモーとは単一の民族を指す言葉ではなく、大きくはアラスカ北部以東に住むイヌイット(Innuit)系(東部集団)とアラスカ中部以西のユピク(Yupik)系(西部集団)に分けられる。なおグリーンランドでは、カラーリットと呼ばれている。
総人口約9万人のうちグリーンランド人住民が最も多く、4万1,000人。アラスカ3万2,000人。カナダ1万2,000人。シベリア1,200人を数える。
カナダでは1970年代ごろから「エスキモー」を差別用語と位置づけ、彼ら自身の言葉で「人々」を意味する「イヌイット」が代わりに使用されている。
カナダでの動きを受け、日本のマスコミ・出版界でも「エスキモー」は差別用語であるとの認識が広がり、「イヌイット」に置き換えられるようになった。
しかし、アラスカにおいては「エスキモー」は公的な用語として使われており、使用を避けるべき差別用語とはされていない。本人達が「エスキモー」と自称している場合は置き換えない。
前回取り上げた「地球空洞説」の著者は、北極に住むエスキモーたちの祖先は西半球最古の民族ではないかと考えています。
そして最も古いエスキモーの祖先は北極の空洞内部を出入りしている人々だったのではないかという仮説をも提唱しています。
「地球空洞説」から載せてみます。
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エスキモーは、祖先はどこから来たかと尋ねられると、決まって北方を指す。
エスキモーの伝説には、非常に美しい北方の楽園の地の話もある。
イギリスの王さまがエスキモーに地底の楽園に連れていかれたという民話もある。
アイルランド人も北のかなたに美しい国があり、その国はいつも明るく、夏のような気候だという伝説をもっている。
スカンジナビアの伝説は、北の果てにある不思議の国について物語る。
アイスランド人はエスキモーをトロールと呼んでいる。これは古代人が超自然的なものを指して呼んだ名である。
エスキモーという言葉はラテン語で書かれるときは「ピグマイ」と訳された。これは神秘的な背の低い人々という意味である。
北の果てには世にも不思議な人々が住んでいるという伝説がヨーロッパ全土に広まっているのである。
人類学者も、エスキモーには北米インディアンと共通する何らの人種的特徴も認められないとしており、彼らはかつて西半球に住んでいた最古の民族のなごりではないかと考えている。
(レイモンド・バーナード著「地球空洞説」より要約)
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エスキモーの由来を調べていたら、昨年発表されたエスキモー(イヌイット)のDNA研究の記事がありましたので紹介します。
それによると、4000年前北極圏に住んでいた人々は、DNA上近隣の北米インディアンとは人種的に異なり、また現在のエスキモーの人種とも異なるということが明らかになったようです。
エスキモーたちは巨人伝説をもっており、巨人との関わりの記憶があるということですから、もしかしたら、著者の仮説のように、エスキモーの祖先は北極の空洞から出入りしている地底の巨人たちと何らかの関わりがあったのかもしれません。
でも、巨人伝説は北欧神話に広く見られるものですから、北極の地底人との関係が証明されたわけではありませんが。。
むしろ北欧神話の主人公たる巨人達の方が、より大きなテーマだと思われますが、ここでは「地球空洞説」にそってエスキモーに注目します。
以下に、ナショナル・ジェオグラフィックとAsahi.comの記事を転載します。
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「グリーンランドの古代エスキモーはアジアから来た?」
James Owen
for National Geographic News
May 29, 2008
アメリカ大陸初のエスキモーは、従来考えられていたようなネイティブアメリカンの子孫ではなく、直接アジアから移動してきたという新説が発表された。
この説を発表したのはコペンハーゲン大学古代遺伝学研究所のトム・ギルバート氏率いる研究チーム。
グリーンランド北西部の永久凍土から発見されたヒトの毛髪をDNA分析した結果、明らかになったという。毛髪は4000年ほど前の男性のもので、これは古代人の完全なミトコンドリアゲノムを採取できた初めての例だ。
また驚くべきことに、この最初のエスキモーは現在グリーンランドに住むイヌイットの祖先でもないという。
DNA分析の結果、グリーンランドで発見された古代エスキモーとその一族はシベリアから来たことが明らかになった。
「古代エスキモーはアラスカからグリーンランドにかけてくまなく存在していたが、にわかに姿を消し、別の集団が移動してきた」とギルバート氏は述べる。
グリーンランド最古のエスキモーとサカク文化の関連性を示唆する考古学研究もある。
4500年前のグリーンランドに生まれたサカク文化と1000年前に生まれたチューレ文化を比較すると、使われていた道具に大きな差異が見られるからだ。
ギルバート氏のチームによれば、古代エスキモーは寒冷化によって滅んだという。「当時は非常に厳しい自然環境にあったことが明らかになっており、そのため人口が減少していき、ついには壊滅したと考えられる。現在のイヌイットの先祖は、その後登場したまったく別の新しい入植者だ」とギルバート氏は述べている。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=1240463&expand
・・・・・
「極北、イヌイット以前に「巨人」いた・毛髪で伝説裏付け」asahi.com20080602
極北地域に最初に移住した人種は、現代のイヌイット(エスキモー)などと異なることがわかった。
コペンハーゲン大などの研究チームがグリーンランドの遺跡から見つかった毛髪のDNAを調べた。イヌイットの間には大昔、先に住んでいた巨人を祖先が追い出したとの伝説があり、これと符合する。
米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
<グリーンランドやアラスカの極北地域には約4千年前までには東アジアから人類が移住していたことが確認されている。
これまでは極北に住んだ最初の人類がイヌイットの祖先だと考えられてきたが、現代のイヌイットにつながる、鯨を食べる文化が起こったのは約千年前で、矛盾があった。
研究チームは、グリーンランドの約3千年前の居住地跡から見つかった凍結した人の毛髪から母方の祖先をたどれるミトコンドリアDNAを調べた。
その結果、遺伝子は現代のイヌイットやアメリカ先住民とは異なり、シベリアやベーリング海峡の周辺の住民と似通っていた。
イヌイットの間には「極北地域にはツニートと呼ばれる心の優しい巨人が住んでいた。だが我々の祖先を見たら、目から血を流して逃げた」という伝説がある。
国立民族学博物館の岸上伸啓教授は「アジアからの移住が数回起こり、先住民を駆逐することで文化ががらりと変わったのではないか」と話している。(香取啓介)>
http://i.asahi.com/topics/TKY200806020260.html
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wikiツニートより
ツニートは、イヌイットに伝承される伝説の巨人。
「極北地域にはツニートと呼ばれる心の優しい巨人が住んでいたが、我々(イヌイット)の祖先を見たら、目から血を流して逃げた」という言い伝えがある。
wiki巨人 (伝説の生物)より
巨人(きょじん、英 ジャイアント(giant)、ジャイガント
(gigant))は、様々な神話や伝説、ファンタジーに登場する伝説の生物の一種で、長身・巨体の神や人間あるいは人型の生物、亜人間のことである。
英語のジャイアント・ジャイアンツは、ギリシャ神話のギガス(ギガンテス)に由来する。また、ティタン(タイタン)など、明らかに神である場合は巨神と書く事もある。
乱暴で、人を食べたりすることになっている場合が多いが、賢く友好的だったり、超古代の生き残りになっていることもある。
ティタンの様に古い時代に世界を支配していたが、後の時代の神に地底に追いやられたものや、キュクロプスのように元々鍛冶神として信仰され、後に下級神(怪物、妖怪)化されたとのではないかと指摘されるものもあり、おそらく多くの巨人は古い時代の神の信仰が残ったものともいわれている。
北欧神話の巨人についても同様の仮説が19世紀末アクセル・オルリックによって提示されたが、ジョルジュ・デュメジルは「ゲルマニアにおいてもカフカスにおいてもまたヨーロッパのいかなる所であれ、『巨人崇拝』なるものはけっして存在しなかった」(『デュメジル・コレクション4』p. 150)としてこれを否定している。
wiki北欧神話
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%AC%A7%E7%A5%9E%E8%A9%B1
wikiエスキモーより
エスキモー (Eskimo) は、北極圏のシベリア極東部・アラスカ・カナダ北部・グリーンランドに至るまでのツンドラ地帯に住む先住民族の総称である。
雪や氷で造ったイグルー等に居住し、魚や海獣を捕って生計をたて、カヤックやイヌぞりによる移動生活をおくっていた。
伝統的なエスキモーでは、食生活は狩猟によって得た生肉が中心であった。獲物は漁を中心とするエスキモーはアザラシ・クジラ等、また陸での猟をするエスキモーはカリブー(トナカイ)などである。生肉の他は、ツンドラの原野に自生するコケモモの実などを食することもあるが、農業は不適な土地なので穀類を食べることはなかった。
なお、エスキモーとは単一の民族を指す言葉ではなく、大きくはアラスカ北部以東に住むイヌイット(Innuit)系(東部集団)とアラスカ中部以西のユピク(Yupik)系(西部集団)に分けられる。なおグリーンランドでは、カラーリットと呼ばれている。
総人口約9万人のうちグリーンランド人住民が最も多く、4万1,000人。アラスカ3万2,000人。カナダ1万2,000人。シベリア1,200人を数える。
カナダでは1970年代ごろから「エスキモー」を差別用語と位置づけ、彼ら自身の言葉で「人々」を意味する「イヌイット」が代わりに使用されている。
カナダでの動きを受け、日本のマスコミ・出版界でも「エスキモー」は差別用語であるとの認識が広がり、「イヌイット」に置き換えられるようになった。
しかし、アラスカにおいては「エスキモー」は公的な用語として使われており、使用を避けるべき差別用語とはされていない。本人達が「エスキモー」と自称している場合は置き換えない。
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