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イロコイ連邦の平和の法・星川淳さんの語り・・「2008年9条世界会議」(3)再掲

2016-08-13 | 野生の思考・社会・脱原発



引き続き、2008年5月に開催された「9条世界会議」のネット配信の聞き書きの記事を、当ブログより再掲します。

今度の話り手は、「グリーンピース」の元代表であり、著書・訳書多数、北米インディアンが先祖から口承で語り継いだ1万年にわたるアジアから北米への移動の驚異的な記録「1万年の旅路」の翻訳者でもある、星川淳氏です。

 
               *****

             (引用ここから)


「イロコイ連邦の平和の法・・星川淳さんの語り」

(5月8日記す)

前回に続き、9条世界会議の「環境と平和をつなぐ」シンポジウムの備忘録。

二人目の発言者は、グリーンピース代表の星川淳氏だった。


星川氏は、

環境・エネルギーの問題は、自分たちをどう治めていくか、つまり、自治の問題だ、といえる。

人間には、グッドマインド、、理性、良い知、というべきものがある。

かつて12世紀、北米の東海岸に、イロコイ連邦というものが出来た。

当時熾烈な争いを繰り返していたインディアンの部族の中に、
ピースメーカーと呼ばれる人があらわれて、大変な努力をして、
部族間の争いをやめさせた。

すべての部族をまとめて、一つの“連邦”を作りあげた。

このイロコイ族が、“合衆国”の作り方を、米国人に教えた。

だから、日本の憲法はアメリカの押し付けだという人もいるが、
アメリカの先住民のいとなみから来ているとも言える。


「イロコイの大いなる平和の法」と呼ばれるものがある。

それは、武器をすてる、非戦の考えである。

この考えは、アメリカにはないが、日本にはある。

モンゴロイドからモンゴロイドに、「9条」が戻ってきたともいえる。

六ヶ所村は、たくさんの問題をはらんでいる。

再処理の技術が確立されていない状態は、トイレのないマンションのようだ。

未来への責任はもてるのか?

日本が、全然経済性のない核、プルトニウムにこだわるのは、
核武装できるオプションをとっておきたいためでは?

最近は、あたりまえ、いいじゃないか、という空気をかんじる。

マスコミ、メディアは全然機能していない。

これでは第二の戦艦大和だ。

負けるのがわかっているのにスタートする。

このまま行けば、ひどいことになる。

お金と人材は二度は使えない。

原子力に使うと、省エネには使えない。

どちらに使うかの分かれ道だ。


2050年までに原子力を半分にする、これは世界の平均値。

温室効果ガスの排出をへらし、気温上昇を2度以下におさえなければ。

日本は二酸化炭素を削減しなければいけない。

核物質があふれる世界作りにお金をそそいでしまっている。

2020年までに自然エネルギー、省エネルギーに大シフトしなければならない。

エネルギーの消費を30パーセント落とそう。

そのためには、

「まず原子力をはずそう、全然解決にならないからはずそう」、
というシナリオが必要。

自然エネルギーで70パーセント供給することをめざしたい。

年4パーセント削減で、複利計算で、80年までに80パーセント削減できる。


この世界は、安心で、壊れてしまわない、という感覚がなければならない。

自分がもっているものを花開かせられる気分が必要。

そのためには、たくさんのイエスとノーを言わなければならない。

たくさんのDO、やることと、BE、ありようで。

生きてきた恵みのかぎりを、在り尽くし、やり尽くす。

なににノー、イエスを言うかのわざをみがく必要。

民主主義はまだまだ発展途上だ。

たくさんの工夫をこらさなければ。

最終的にどういうことになるか。

自分の望む在り方、生き方を。

みんなで作っている社会だ。

安保、基地は9条違反だ。

安保闘争は70年でとだえたが、2010年を安保を考え直すときにしたらどうか。

パックス・エコノミカ(経済均衡による平和)に代わる、パックス・エコロジカ(生態学的均衡による平和)を。

         (文責 veera 聞き書き)

         ・・・

と、熱く語った。

たくさんの「DO」と「BE」を、という言葉が心に残った。

ひょうひょうとした、知的なさわやかさが印象的だった。



憲法9条

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。



関連資料

wikipedia「イロコイ連邦」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%82%A4%E9%80%A3%E9%82%A6

温暖化
http://contest.thinkquest.jp/tqj2001/40218/ondanka.htm

greenpeace「六ヶ所村核燃料再処理施設とは」
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/nuclear/plutonium/rokkasho/


          (引用ここまで)

            *****

今、改めて読み直すと、

「生きてきた恵みのかぎりを、在り尽くし、やり尽くす。」

という言葉にも、ぐっときました。

こういう言葉は、本当にまっとうに苦しみぬいてきた人にしか出せる言葉ではないということが、年を重ねるとわかってくるように思われます。

そう、、9条支持者は、大人なのだ。



Amazon.com「1万年の旅路」(ポーラ・アンダーウッド著星川淳訳)より

イロコイ族の系譜をひく女性が未来の世代へ贈る
一万年間語り継がれたモンゴロイドの大いなる旅路

アメリカ大陸に住む、インディアンとも呼ばれるネイティブ・アメリカンの人々は、その昔ベーリング海峡が陸続きたっだころベーリング陸橋をわたり、アジア大陸へ渡ってきたモンゴロイドの子孫だという説が定着しつつある。

「一万年の旅路」は、ネイティブアメリカンのイロコイ族に伝わる口承史であり、物語ははるか一万年以上も前、一族が長らく定住していたアジアの地を旅立つ所から始まる。

彼らがベーリング陸橋を超え北米大陸にわたり、五大湖のほとりに永住の地を見つけるまでの出来事が緻密に描写され、定説を裏付ける証言となっている。

イロコイ族の系譜をひく著者ポーラ・アンダーウッドは、この遺産を継承し、それを次世代に引き継ぐ責任を自ら負い、ネイティブ・アメリカンの知恵を人類共通の財産とするべく英訳出版に踏み切った。

wikipedia「星川淳」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E5%B7%9D%E6%B7%B3


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