東電の燃料費が高すぎる件

さいきん東電の電気代値上げの話で盛り上がっている。

東電の言い訳は

「福島第一・第二原子力発電所の被災に加え、柏崎刈羽原子力発電所の停止の長期化等による供給力の減少分を火力発電で補うため、火力発電比率が大幅に増加する見通しです」
http://www.tepco.co.jp/e-rates/corporate/kaisetsu/index-j.html

とある。
グラフを見れば明らかだが、その原発代替分のかなりの分は天然ガスである。



では。
天然ガスってそんなに高いのか？

いやそんなことはない。
アメリカが天然ガスを大量に買うからっていうのでカタールがLNG輸出基地を整えたところ、当のアメリカではシェールガス革命がおきてしまい、あてにしてた輸出先を失ったカタールは百万Btuあたり4ドル程度で叩き売りしているのが現状だ。

JOGMEC　｜　独立行政法人　石油天然ガス・金属鉱物資源機構
http://www.jogmec.go.jp/

はっきりどの資料だと明示できないが、このへんの話は↑このサイトの資料にあちこち出ていたように記憶している。

http://finviz.com/futures_charts.ashx?t=NG&p=w1

↑ここに示すように、アメリカのシェールガスにいたっては2.3ドルである。
アメリカでは重油炊きの火力発電所が倒産するほどシェールガスが安いのだ。
（ただ、アメリカのガスはLNG輸出用の基地が整ってないせいだと思われるが、この値段で日本が買えるわけではない）



リーマンショック前の値段よりはるかに安いじゃねぇか。
やっぱり東電はフカシこいてるのか。
どうせそんなこったろうと思ったよ。

・・・わたしはそう思っていた。

ひところは上場企業はどんな会社でも業績悪化をリーマンショックのせいにしていたから、それとおなじフカシこいてるのだとばっかり思っていた。
当時は越後のちりめん問屋でさえ「リーマンショックにより当社の業績は(ry」だなんて言ってたんじゃあるまいかね(笑)。

ところが！



http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120319/229950/?P=3&rt=nocnt

>　しかし、その場合に日本が世界一高いLNGを購入し続けていることが大問題となる。
>
>　現在の日本のLNG・天然ガス購入価格は、平均で百万Btu（英国熱量単位）当たり16ドル以上である。
> シェールガス革命が進行中の米国の天然ガス価格はわずか2.5ドル、欧州の天然ガス価格平均は8～9ドル、ドイツがロシアから長期契約で輸入している欧州では割高な価格が10～11ドルで、いかに日本が飛びぬけて高い価格で調達しているか一目瞭然だ。



う～ん。
そういうことか・・・。

東電はフカシこいてるのではなかった。
本当に燃料費が上がっていたのだ。

だがね・・・。

ようするにだ。
東電の言い訳を要約すると
「原発のかわりに天然ガスで発電するので、天然ガスが高いから電気代を値上げします」
なのだが、実際は
「天然ガスをボッタクリ価格で購入するはめになってしまっているので、電気代を値上げします」
と言っていることに等しい。

はたしてこれでお客の了承を得られるとでも思っているのかね？



ロシアＬＮＧ：年１０００万トンの大半を日本へ　最終調整
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20120313k0000m020098000c.html

↑このように、ロシアはエネルギーが急に足りなくなった日本へ天然ガスを融通してくれるという。

商売の話とはいえ、それはそれでありがたい事ではあるのだが・・・
LNGを16ドルで買ってくれる超ド級に太っ腹な大口顧客なんて東電以外にありえませんから！！！



考えてもみたまえ。

「バラマキ福祉をして予算が足りなくなったから消費税を増税します。その増税分の大半はバラマキ福祉予算に回します」
と言っている民主党と何が違うんだ？

いくらなんでも東電は民主党よりはマシだと思いたい。
いや、そう思わせてくれるようなことをしてくれ。