教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

痛い技術書

2009-03-26 00:01:32 | 科学
世の中には、マンガやアニメの女キャラをデカデカとペイントした恥ずかしい車、いわゆる痛車がある。
じつは痛車ならぬ痛い技術書もあるのは御存知だろうか?

“CPUの創りかた” という電子回路の専門書である。(※1)

なかみは濃ゆいガチガチの専門書で、解説文もまっとう以上に書かれていて非常にわかりやすい。

しかし表紙はなぜか二次元のメイドさん(笑)。

これが発売された当時、業界の若手のあいだで話題になった。
直接タイトルを知らなくても「表紙がアレな本」というだけでけっこう会話が通じた。
そして、いろんなヤツの思惑が交錯した。

「技術書として買いたいけど俺のプライドが許さん」
という硬派きどりのヤツ。

「おっ、おんなのこの絵なんて関係ねえ、俺は技術書として買うんだ」
と自分にも周りにも言い訳をしだすヤツ。

「読まないかもしれないけど、とりあえず買ってみた」
という技術屋でもないオタのヤツ。

「これはもう、オレが買うしかないだろ!」
と言って買い、堂々と会社の机の上に置いている豪気なヤツ。

もちろんわたしは発売後わりとすぐに買った。
電気の知識が全くないとツライが、非常に良い本であるので、萌え抜きにしてもオススメできる良書だ。(ただし専門書なので、さすがに専門知識ぬきにはオススメできない。)

こいつは、左翼のプロパガンダのパンフに出てくるような、とりあえずマンガにしておけば大衆も読んでくれるだろ的なナメた行儀の良すぎる絵ではない。
萌えが好きだから書いている感じのする、アニオタ的にも好感が持てる絵だったのが個人的には嬉しかった。

それゆえに、表紙が許しがたいという意見も多いのも事実なんだが(笑)。

ひところ電気の専門学校の先生たちと少し付き合いがあったころ、電気の専門学校ではもっと簡単でもっと学生が読みやすい専門書が出ないかと常々待ち望んでいるというのをよく聞いた。
今回のこの本は専門学校の教科書として使うにはどうかとは思うが、こんな感じの手に取りやすい本は一定の需要はあるに違いないと思う。
もっとたくさん出して欲しい。



【※1 CPUの創りかた】
CPUの創りかた
MYCOM 毎日コミュニケーションズ
渡波郁
ISBN4-8399-0986-5
2800円
http://www.amazon.co.jp/CPU%E3%81%AE%E5%89%B5%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%9F-%E6%B8%A1%E6%B3%A2-%E9%83%81/dp/4839909865