あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

「伊福部昭百年紀Vol.5」に行った(3)

2017年04月30日 | 邦楽
立ち上がって挨拶なさるオーケストラ・トリプティークの皆さんに
客席から大きな拍手。

「ゴジラ対キングギドラ」では、さすがにティンパニが強烈でした。
~というか伊福部曲は打楽器が強力じゃないといけません。

シンバルも含め、素晴らしい叩きっぷりでした。
そこに管弦一体となっての疾走感。堪りませんでした。
個人的には、「もっと粗野に演っても良いのでは?」と思いましたが
そこは演奏者としての「品」もありますから、求めすぎてもいけない
ですかねぇ。



そんな余韻に浸っていると、司会の男女が再び登場。

アンコールの曲目発表?いや、観客へのサプライズ?
司会の小林氏から「アンコールは皆さんに決めていただきます」。

「怪獣総進撃と宇宙大戦争のどちらかです。拍手の大きさで決めます」
うわぁ~、そう来たか。

「どっちも聴きたいという方の気持ちも分かります。でも両方はダメです」
せ、殺生やでぇ~!



「iPadに音量測定アプリを入れてきました」と掲げる小林氏。
沸く会場。自虐の笑いだよ、もう。

結果は「宇宙大戦争~ゴジラ対キングギドラ」。僅差でした。
※そりゃそ~だ!

正直「立ち上がって手拍子OKですよ~」と言って欲しかったが、それは無し。
ちょっとウズウズしながらのアンコールになってしまいました。
※宙明先生コンサートでの「マジンガーZ」大合唱の興奮が大きくてねぇ…

ダブルアンコールは無し。←普通ねぇよっ!!
またの機会を…で終演。



ロビーで展示物を眺めながら余韻に浸った。
物販CDも購入しましたよ。
今更ながら「伊福部昭百年紀ベスト」。はやくウォークマンに入れたい。



アンケート用紙も記入。
あれ、困った。
「あなたは伊福部昭百年紀公演に何度おいでですか?」って、正直言って
何度だか分からないぞ(笑)。



「演奏して欲しい曲は?」という質問には
わんぱく王子の大蛇退治…と記入。
※やはり重厚な名曲だと思いますし、和テイストも素晴らしいから。



「伊福部昭の芸術」シリーズでCD化されてるが、あちらの「わんぱく王子」は
「芸術」しすぎで、なにか迫力的に物足りない。
やっぱ土着でパワフルなのが伊福部曲だと思うのですよ、私は。



海底軍艦や地球防衛軍なども、もっと生で聴きたい。

純音楽と特撮曲を対比するようなコンサートも聴いてみたい。
どっちを聴いても「伊福部サウンド」に違いがないのが凄いトコロゆえ
それを実感したいというのもある。

「伊福部昭百年紀Vol.6」、楽しみですっ!!

「伊福部昭百年紀Vol.5」に行った(2)

2017年04月30日 | 邦楽
休憩が終わり、後半戦が開始された。

みんな大好き『怪獣総進撃』組曲!
ガンガン響きます。
スネア調のタイコがマーチを刻みます。アガります!!

中野さんの「胸で受け止めろ」の意味が分かります。
ビンビン来ます。

まぁ、私は「伊福部曲は魂とドテッ腹で聴くもんだ!」と
常日頃から熱弁しているのですが。

なお、客席には怪獣総進撃でヒロインを演じた小林夕岐子
さんがいらした模様。
紹介されたが視線が遅れた私は充分には見れませんでした。



宝田さんの眼鏡は視力に合った良いものなんでしょうね。
客席の俳優さんを「おお、来てたのか!」と、よく見つけて
いらっしゃいました。

さてさて、
そして、いよいよ本日のメインです。

「伊福部明 百年紀組曲」!
シン・ゴジラで使われた伊福部曲を編集した楽曲。

ゴジラが吠える声も、電子楽器で再現!そうきたか!
ゆったりとしたゴジラ曲から皆んな大好き「宇宙大戦争マーチ」。
そして映画では最後のスタッフロールで流れた曲群も。



劇中(無人在来線爆弾のBGM!)のスピード感とエンドロールで
流れるマーチのテンポは異なるのだが。
しっかり、それぞれが再現されていて感激!見事だ!

ちなみに私は「無人在来線爆弾」BGMヴァージョンが好きです。
テンポの前のめり感が素晴らしいのよ!

ロックバンドだったら「ドラム走りすぎだ!スネアがそんなに
速く刻んだら追いつけないだろう!」と揉めるところだが。

この曲はそれで良いのです!
なんか劇場で「シンゴジラ」観てた時も、結局ここで涙ぐんでた
私だが、コンサートでも半泣きだよ!!



今回は席が良すぎてオーケストラ全体が見えないという贅沢な
悩みを抱えた私。
エレクトーンはどこだ!?ピアノはどんな演奏してるんだ!?
やっぱり肘つかってるよね?「クラスター」って技だよね!?

前の席ゆえの特権もあった。
コントラバスは弦を指で掴んでパーカッシブな低音を効かせるし、
その中で弦がフレットにビンビン当たる音も聴こえてくるし!

プレトークで中野監督が仰ってた「生で聴くことに意味がある」
のが実感できましたよ。

伊福部コンサート最高!そして最強!!

(続く)

「伊福部昭百年紀Vol.5」に行った(1)

2017年04月30日 | 邦楽
2017年4月30日
渋谷区文化総合センター大和田4階のさくらホールで行われた、
「伊福部昭百年紀Vol.5」。



ゴジラ音楽を始めとした伊福部曲のオーケストラコンサート
という趣向ゆえ、私も何度か足を運んでいるイベントですが、
とうとう5回目になったのですね。



開演前の13:40から中野昭慶・実行委員長とムトウユージ監督
トークショー開始。

「クレヨンしんちゃん」の監督として有名なムトウ氏は、渡辺
宙明コンサートでも「ギルの杖」など持参して、ファンぶりを
示して来られましたが。



今回は首に輪っかを装着、銃を持つという、X星人の姿でした。
中野監督は往年の楽曲録音を回想。
「映画を上映して、指揮者だけがその上映を見ながら指揮して
いた。楽団からは見えなかったがチラッと見てたね(笑)」と
説明してくれた。

伊福部曲に関しては「民族性」を第一に挙げ、「耳とともに
胸で聴く」と、そのビートの迫力を胸で受け止るよう指南。

※「女性はちょっと斜め向きでね」とも語られ、女性の
 お客さんは少し困惑・・・。

「佐藤勝曲と伊福部曲を聴き比べるのも面白い」とも。
佐藤曲には拍子の根底に何とも言えない旋律がある…と。

コンピューターも使ってないから、伊福部氏は映画のシーン
より3秒間長く作ったりするのだが、そこで3秒切る事を良し
としない。

そこで指揮者がテンポを早めて3秒縮めてしまったという。
そんな名人芸もあったのだ…と説明してくれました。



トーク終了後、少しの時間あり。
そこから開演を知らせる音響がロビーや客席に鳴り渡る。

これが例によってゴジラの足音!そして鳴き声。
客席が埋まり、ステージにはオーケストラが揃う。

いよいよ本編。
客席に戻った中野監督が口上述べた後、「スタート!!」

演奏は、まずPR映画音楽!
※CM曲などだが、おなじみの旋律にニヤリ…。

次は『大魔神』。重厚です。
打楽器が和風の刻みで進行する曲もあり、その和太鼓を
思わせる音色にも感じ入る。
※司会の小林淳氏が言ったとおり、和を感じさせる時代劇
 テイストとパーカッシヴな要素が混じり合った演奏!

次に演奏されるのが『キングコングの逆襲』。
ここでゲストの俳優=宝田明氏が登壇。

ゴジラ俳優である宝田明さんは、東宝ニューフェイス時代に
「次から音楽理論の勉強あるから」と言われて、向かった
教室に来られたのが伊福部先生だったという「教え子」。
※でも「難しい専門用語は全然わからなかった」と笑わして
 くれました…。

伊福部先生に関しては、講義中にタバコのピース缶を置いて
終始喫煙されてたそうだ。



※画像はロビーに飾られていた伊福部先生の私物…

宝田氏は20歳そこそこ、伊福部先生の事は50代くらいだと
思っていたが、誕生日で計算してたら20歳違いだったそうな。

ひと通り計算した宝田さん、「あぁ、あれに出てたのは私の
兄ですな」とトボけて客席を笑わせる。さすが役者だ。

ゴジラ映画の現場でも「あちらが音楽を担当される方だよ」と
言われ、「ああ、先生!」と挨拶してしまい、
周囲から「そんなに気安く話しかけていい相手じゃないぞ!」
…と怒られたそうだが。

「だって直接音楽教わってた先生だから…」と、あっけらかん
とした態度だった模様。

宝田さんは前日の4月29日が誕生日という事で、サプライズの
「ハッピーバースディ」あり。
オーケストラが「ゴジラのテーマ」から定番ソングに移行、
観客も促されて「ハッピーバースデートゥーユー」と合唱。

感極まって「80過ぎの男を泣かすなよ…」と言葉に詰まり
ながら、終戦時ソ連兵の侵攻にあって心身ともに傷を負った
時期を語った宝田氏。

そこから役者となって、幾星霜。皆さんに、こんなに祝って
貰えるなんて…と声を震わせる。

そのくせ、司会の女性に花束を贈られた時には握手の後に
手の甲にKISS❤
そして頬を出して相手のキスをねだる。
さすがハリウッドスターとも共演した国際俳優です!

受け取った花束を、指揮の松井慶太氏に手渡す宝田氏。
「いやぁ、大魔神組曲も素晴らしかったですな!」。



そこから写真撮影タイムへ。
渡辺宙明卒寿記念コンサートでも写真撮影タイムがあったが、
こういうサービスタイムは本当に嬉しい。

宝田さんも「昔はありませんでしたな、こういうの」と感心
されてる様子。



松井慶太氏から再度花束を受け取り、司会の小林淳氏、ムトウ
監督、中野監督らと壇上で並ぶ宝田さん。
背筋が伸びた姿は、お若くダンディだ。



最後は公式カメラマンによる集合写真。観客も一緒に映る
ヴァージョンも案内された。

そこで「客席の皆さんも立ち上がった方が良いんじゃないかな」
~と気を配ってくれるスター宝田。さすがです。



※その前にあらゆる方向を向いて客席からの撮影に応じて
 くれた壇上の皆様。
 やっぱり宙明先生コンサートの撮影タイムを思い出します。



SNSアップOKという事で。
いっぱいアップさせていただきます。
オーケストラの皆さんも皆、素敵な顔をなさってます。
笑顔です。



例によってピンボケですいません。
そして、まだ記事は続きます。

休憩を挟んで後半の演奏が始まるのです。