アートハウス

マンション管理のお仕事

合人社事件 判決 その4

2007年07月09日 | マンショントラブル
⑧「合人社の管理委託には誠意のかけらも見られず、かつ管理委託会社としての能力に欠けているのではないかということです。」という表現は表現自体は激越かつ辛辣ではあるが、それ自体として、本件委託契約と無関係に合人社に対する人身攻撃的な表現に及ぶなど論評の域を逸脱したものではない。総じて、合人社の受託事務の処理方法や処理状況に関する説明は、理事会で尋ねられると答えるというだけで、組合員らに対して十分になされていたとはいえない。マンション管理組合の役員は、住民がボランティアで事実上当番制で担当しているのが通例であり、その任務を行うにふさわしい知識経験を有する人物とは限らない。また、組合の運営は基本的には総会の決議によるものであり、理事会や理事長に業務執行権限というほどのものがあるわけでもなく、管理費の日常的出納はともかく、その徴収方法や資金の管理方法等の基本を決定する権限があるわけでもない。ことに、管理費や修繕積立金の徴収・管理方法等は、管理組合だけの問題ではなく、区分所有者である個々の組合員にとって、その負担額からしても、資産保全の観点からしても、極めて大きい利害を有する事柄である。しかも、組合員はわずか54名に過ぎず、個々の組合員に書面を配布するのに何ほどの手間を要する訳でもない。そうであれば、管理受託者としては、管理費の徴集についての複雑な仕組みや、修繕積立金の管理方法等につき、それを選択した理由を含めて、個々の組合員に直接、判りやすく説明すべきものであったというべきで、こうした重要な点についてすら、理事会から求められたから理事会に対しては説明したというだけで、事足れりとする応答からしても、合人社は、マンション管理の受託を業とする者としてのて適格性を批判されても仕方がないところである。
「当時当管理組合が締結していたエレベーターメンテナンス契約は、合人社とC社との契約が同時に存在する上に、Gがメンテナンスをするという、二重契約、再々委託等の問題が考えられる」との記載は、その自体として真実であるとはいえない。しかしながら、合人社側は契約締結時に契約当事者について十分な説明をせず、その後も合人社とC社とを明確に区別せずに理事会や組合員に対応していたため、理事会及び組合員らはエレベーターの点検契約をC社との間に締結していたことを理解していなかったところ、平成9年9月ないし10月頃、理事会役員らが契約の当事者がC社と気が付き契約関係の明瞭化が理事会の議題になっているのであるから、本件議案書の性質や合人社の置かれた立場に照らし、なお上記表現によって、不法行為法による救済を要する程度まで合人社の名誉や信用が毀損されたとはいえない。
「ふざけた内容」あるいは「合人社のやり方としては」から「過言ではないでしょう。」までの表現は・・・・・表現自体は激越で品位に欠ける点すらあるとしても、そもそもA理事長からの申入れや抗議に対する合人社からの回答は、申入れをはぐらかし、揶揄するかの如き口吻のものであって、委託契約の相手方からの批判に真摯に答えようとするものであったとはいい難いから、それ自体として、本件委託契約と無関係に合人社に対する人身攻撃的な表現に及ぶなど論評の域を逸脱したものということはできない。

合人社事件 判決 その3

2007年07月08日 | マンショントラブル
④「納品書よりも4割高い領収書の存在」は真実であり、その摘示する事実が、サニクリーンからC社への納品書記載の金額と、管理組合がC社に支払った金額との差を意味することは明らかである。
⑤「修繕積立金を勝手に使用した問題」は、修繕積立金を赤字補填に用いたことをさすが、少なくとも平成9年3月26日開催の理事会に月次決算報告書等を提出し、第1期理事会がそれに基づき決算書類等を作成するに当たり、合人社は上記の処理について何ら説明していないばかりか、もともと修繕積立金を管理費の赤字補填に当てることができるのは管理組合自身であり、事務受託者である合人社がその判断で自由になしうる事柄でもないのであるから、上記表現は真実である。「勝手に」との表現は、やはり否定的評価を伴うものであるが、それ自体が直ちに合人社の行為が違法もしくは契約違反に該当するとの趣旨を示すものではなく、一般には事前の承諾を得ずにという意味で用いられるから、これをもって合人社の名誉・信用を毀損するとはいえない。
⑥「エレベーターメンテナンス問題でおかしな契約」という表現については、C社と第1期理事長との間でエレベーター点検契約の契約書を交わしていることを考慮すれば、契約自体に問題があるとはいえない。しかしながら、「おかしな契約」という表現自体が、直ちに合人社の違法行為や契約違反に該当する事実を摘示するものとはいえない。そして契約書に署名押印した理事長が軽率であるといえるとしても、この契約関係について合人社が管理組合や組合員に十分な説明をしていなかったため、徐々に契約関係の明瞭化という問題が生じた経過があることは認定のとおりであるから、これを「おかしな」と表現することが不当とはいえない。
⑦「中国電力の電柱使用料契約を勝手に締結している問題」との表現は、分譲業者が当社から契約を締結し、分譲業者及び合人社に対して添架契約上の債務を承継する旨の承認書に組合員らが署名押印している以上、合人社の委託業務処理自体に問題があるとはいえないから、「勝手に」との記載を合人社が独断ないし契約の趣旨に反する行為をしたという意味に読み限りにおいては虚偽といわざるを得ない。しかし、既に認定した事実関係を前提とすれば、「電波障害についても勝手に管理組合に何の相談もなく署名押印したり」と同旨のものと読むべきものと解されるから、不法行為を構成しない。

合人社事件 判決 その2

2007年07月07日 | マンショントラブル
①「今まで何度も合人社に『これをやってくれ』と要求しても何一つやってくれないばかりでなく」という表現は、・・・・・・・・すべての要求について十分に対応することが一切なかった旨の事実を摘示したものと解するべきではない。理事会や住民の要望に対する合人社の対処に時間がかかったり、その解決のために理事会役員の手をわずらわせたりこと等があったため、組合員の中にこれを不満に思う者がいたのであるから、この記載は事実である。
② 電波障害についても「勝手に管理組合に何の相談もなく署名押印したり」という表現は、合人社は、理事会や組合員に対し、少なくても平成9年12月9日付け文書で回答するまで何ら具体的な説明をしていなかったこと、マンション購入者の中には重要事項説明書や「管理に係る承認書」を十分に理解していない者が多数おり、そのことは容易に想像することができるし、両文書の記載も無償使用の相手方や協定内容、負担の程度等の具体的事情を示すものといえないことを考慮すれば、あくまで合人社と管理組合との間での出来事を指摘するものである上記表現をもって事実にはんするものとはいえない。「勝手に」「何の相談もなく」との表現は、この文脈上は組合員ないし理事会に対する具体的説明や事前の承認なしにとの趣旨に解するのが自然であり、そこに否定的評価が含まれているとしても、これをもって本件委託契約の問題と無関係に合人社に対する人身攻撃的な表現に及ぶなど論評の域をい逸脱したものということはできない。合人社は説明する法的義務がない旨主張するが、仮にそうだとしても、そのことが上記記載が事実に反する根拠とならないことは明らかである。また、この点について否定的評価を示して管理会社選定の一要素に掲げたこと自体が合人社の名誉や信用を毀損することになるとはいえない。
③「不明経理(管理組合の修繕立替金を勝手に移動させる)」という表現は、管理費等の集金方法を指すものであるが、上記方法自体が分かりやすいものとはいえず、その合理性については不明であり、これについて管理組合発足後も理事会に対してすら相当期間にわたって説明をしていなかったのであるから、「不明経理」(「不正経理」とまでは記載されていない。)と表現したとしても不当なものとはいえない。「勝手に」という表現も、文脈上は組合員ないし理事会に対する具体的説明や事前の承認なしにとの趣旨に解するのが自然であり、そこに否定的評価が含まれているとしても、これをもって本件委託契約の問題と無関係に合人社に対する人身攻撃的な表現に及ぶなど論評の域を逸脱したものということはできない。「訳の分からない金の流れ」は、表現自体が事実の摘示に該当するものではなく、同箇所及び前後の文脈について普通の注意と読み方を基準に判断しても、合人社の金銭関係についての委託事務処理に対して不満がある旨の主張以上のものと読むことは出来ない。そして、「訳の分からない」という表現は、否定的評価であるとはいえても、それ自体が合人社の名誉や信用を毀損するものとは解されない。

合人社事件 判決 その1

2007年07月06日 | マンショントラブル
「管理委託先の会社の選定の問題は、本件マンションの管理にとって重要なことであるから、Aが理事長として行った本件議案書の配布や掲示は、公共の利害にかかる事実にかかり、専ら公益を図ることを目的とするものと認められる。しかも、電波障害対策施設の使用料の問題は、一般の組合員も多大な関心を寄せていたものである。したがって、その表現が事実を摘示するものであれば、摘示された事実がその重要な部分について真実であることの証明があれば違法性がなく、それが真実であることの証明がないときでも、これを真実と信じるについて相当の理由があれば故意・過失が否定される」
 本件議案の内容は「過去の合人社の委託事務処理状況やその評価も議題に関連することとなるから、本件議案書の配布・掲示当時には既に解決をみていた事項を掲げたとしても、その記載を直ちに虚偽であるということはできない。また、管理業者の選定という性質上、事務処理が適法なものであってもこれに不満を持つことはあり得るから、否定的評価をされた合人社の委託事務処理状況に契約違反等の違法な点がない場合でも、それだけで虚偽事実の記載あるいは、名誉・信用を毀損する表現であるということはできず、違法行為もしくは契約違反に該当するような虚偽の事実を摘示した場合や記載された否定的評価(意見・論評)が公的な利害にかかわる事項と無関係な人身攻撃に類する不公平なものである場合でなければ、その否定的評価を示す用語が激越・辛辣なものであっても、名誉毀損の責任を追及されるものではない。
 さらに、合人社が管理組合から委託を受けた本件マンションの管理会社であることを考慮すれば、管理組合からの意見や批判については相当程度これを甘受すべき立場にあるというべきであり、本件議案書がそもそも管理組合総会での議事に資料として用いるため組合員に配布されたものであることを併せ考えれば、少なくとも合人社に関する事項が議題となっている本件においては、その内容に合人社の名誉や信用をある程度毀損するであろう記載があるとしても、全くの第三者に対する場合と同様に不法行為が成立すると解するべきではない。」

合人社事件 事件の概要 その5

2007年07月05日 | マンショントラブル
平成10年7月1日
 副理事長は、委託契約を一部変更する契約書案を作成、これにA理事長が手書きで訂正したものを管理員に交付したが何の反応もなかった。

平成10年7月5日
 第4回理事会開催。NTTからの請求書への対応のためのに弁護士依頼するための臨時総会開催を決定。

平成10年8月1日
 第2回臨時総会開催。NTTおよび中国電力との対応について、弁護士依頼を決議。A理事長は内容を変更した委託契約書を送ったが、現在まで返事がないため、さらに回答を求める旨報告した。

平成10年8月13日
 A理事長は、合人社に対し、内容証明郵便により1週間以内に回答するように求めた。

平成10年8月20日
 合人社は、簡易書留によりA理事長に葉書を送付。委託契約書の草稿のようなものを預かったが、説明を受けていなかったので追って何らかの申し入れ等があると思っていたこと、現在の契約内容に問題がないと考えているので、よく話し合って契約の更新をしたいと回答。

平成10年9月4日
 A理事長は合人社に対し、内容証明郵便により再度その見直しを求め、5日以内に回答がない場合は契約解除を通知。

平成10年9月7日
 合人社は、7月1日に管理委託契約の見直しを求められていないこと、契約書草稿を渡されたからといって見直しの申し入れとは考え難いこと、必要があれば見直しにやぶさかではないと回答。

平成10年10月19日
 第6回理事会開催。合人社との契約内容を変更できないのであれば契約解除すべきであるとして、11月7日に臨時総会開催を決定。

平成10年10月25日
 A理事長は臨時総会開催通知。問題の議案書を配布し掲示板に張り出した。議案書1号議案には、電波障害問題について合人社が行ったことを明瞭化しなければ解決できないとして、合人社が理事会作成契約書ひな形の内容をすべて認める回答をしない場合には本件委託契約を解除すること、合人社が認めた場合にもその後交渉が決裂した場合には本件委託契約を解除することを理事会に一任することの承認を求めるとしていた。

議案書には以下の内容が含まれていた。
①今まで何度も「これをやってくれ」と要求しても何一つやってくれない、
②電波障害についても勝手に管理組合に何の相談もなく署名押印した。
③不明経理(管理組合の修繕積立金を勝手に移動させる)、わけのわからない金の流れ、
④納品書より4割高い領収書の存在
⑤修繕積立金を勝手に使用した
⑥エレベーターメンテナンス問題でおかしな契約
⑦電柱使用料契約を勝手に締結している
⑧合人社の管理委託には誠意のかけらもみられず、かつ管理委託会社としての能力に欠けているのではないだろうかいうことです、
⑨当時管理組合が締結していたエレベーターメンテナンス契約は、合人社とC社との契約が同時に存在する上に、Gがメンテナンスをするという、二重契約、再々委託等の問題が考えられる・・・・ふざけた回答。

平成10年11月7日
 臨時総会開催。
 合人社は、A理事長の議案書配布行為が合人社の名誉を毀損する不法行為に当たるとして1000万円の損害賠償と謝罪文の掲示を求めて訴訟提起。

合人社事件 事件の概要 その4

2007年07月04日 | マンショントラブル
平成10年1月24日
 合人社は、①エレベーターの点検契約はメーカー系列により法定点検が行われ、5億円の賠償責任保険等もそなえているので安心できる。料金も組合単独よりも廉価。②モップ・マットの賃借料は、理事長の決済を受けている、価格も定価以下、総会で承認されている、と回答。

平成10年1月28日
 理事会は回答書を1枚の文書にまとめて組合員に示し、合人社の管理業務についてのアンケートを実施。

平成10年3月8日
 第2回通常総会開催。第3期役員として、A理事長ほか副理事長1名、理事3名および監事1名選出。

平成10年3月25日
 第1回理事会開催。電柱使用料の現在請求を受けて支払っていない分は分譲業者に請求書を渡し、NTTや中国電力には今後分譲業者に請求するように申し入れることとした。さらにエレベーターメンテナンス契約について契約の明瞭化を求めた。

平成10年4月19日
 臨時総会開催。近隣電波障害に関して、管理規約の該当条項削除を決定。エレベーター保守点検契約は一本化する趣旨で、契約内容・仕様・保守点検料を現行のままとして、本件委託契約の委託業務に加えることを決定。

平成10年5月中旬
 A理事長は、合人社に対し、2年目点検でベランダ手摺上部を塗装するよう申しれをしたが、業者は修理をしないと言っていると返答するのみ。しかし理事会がB建設と直接交渉した結果工事が実現し、同年8月1日工事完成。

平成10年6月1日
 合人社は委託契約書に覚書を付したうえA理事長に交付。覚書には、設備点検業務のうちエレベーター設備について定額委託料に含む旨に変更すること、定額委託料を月額41万400円から45万5400円とすることが記載。しかし契約書には金額欄も含め手は加えておらず、エレベーター点検契約書も添付されていなかった。A理事長はエレベーター点検契約を解除し合人社と契約する旨が記載されていないこと、覚書を抜き取ると別の契約書になってしまうことに不満を覚えた。

平成10年6月14日
 第3回理事会開催。契約書を検討した結果、契約書ひな形を理事会で作成し、これを合人社に検討させることとした。

合人社事件 事件の概要 その3

2007年07月03日 | マンショントラブル
平成9年7月19日
 B建設は、テレビ映りの悪い原因が潜在電波が強いためであり、改善のためブースターやプラグ、ケーブルを取り替えることに協力を求めた。その結果、同月頃にはテレビ映りの問題はようやく改善した。

平成9年7月23日
 消防署立入検査。防火管理者選任・消防計画の作成届出がなされていないと指摘。合人社は手続の必要性について十分な指摘や説明をしていなかった。

平成9年9月24日
 第4回理事会開催。E社が7月中旬および9月中旬に機械式駐車装置の総点検を行ったが作動状況が改善しないため、原因がメンテナンスにあると考えるに至り、直接E社にメンテナンスを依頼したいと申し入れたところ、合人社はこれを了解した。電波妨害防止施設に関する近隣居住者との戸別契約書が未だ見つからないことが合人社から報告された。

平成9年9月ないし10月頃
 理事会の役員らは、エレベーター点検契約が合人社とではなくC社との間で締結されていることに気付いた。

平成9年10月14日
 理事長は、本件マンションの機械式駐車装置の保守契約を解除する旨の合人社宛で通知書を交付し、受託者はEに変更された。

平成9年11月30日
 第2回臨時総会開催。委託契約更新承認が議題とされ、電柱添架・共架使用料を管理組合が負担する根拠について、合人社からの回答を得た後に、理事会に諮って決めることが決議された。

平成9年12月19日
 合人社は、①重要事項説明書、管理に係る承認書および管理規約の各記載を示して組合員が確認・理解していると考えていること、②近隣住戸所有者に対して分譲業者が口頭で施設無償使用を説明しており、口頭の協定も有効なので管理組合の負担に移行させた事務処理に誤りはない、③管理組合員に説明すべきであったとは反省していると回答。
 理事会はさらに、①C社でなく、他社のメンテナンスを導入できるかどうか、②リース料がサニクリーンの納品書記載の金額に比べて約4割高額となっている理由について再度確認要請。
 

合人社事件 事件の概要 その2

2007年07月02日 | マンショントラブル
平成9年2月13日
 第3回理事会開催。テレビ映りはアンケートの後も改善されていないとの意見が出され、対応を合人社に依頼した。

平成9年3月5日
 第4回理事会開催。合人社はテレビ映りの問題については分譲業者に改善の要求をしていると報告。手摺上部の塗装が剥がれが多いとの指摘に関する対応は遅れ、組合員は不満を持った。

平成9年3月24日
 合人社は、決算報告書・予算案等を作成。損益計算書部分には管理費収入から支出を差し引くと赤字であること、修繕積立金勘定には第1期剰余金の赤字を差し引くことが記載されている。

平成9年3月26日
 第5回理事会開催。 合人社から決算報告書・予算案等が配られた。合人社は赤字を報告したが、補填処理について説明はしなかった。

平成9年4月20日
 第1回通常総会開催。決算報告書・予算案等が承認され、第2期理事会役員が選出。

平成9年4月26日
 第1回理事会開催。機械式駐車装置に故障が頻発していることが問題となり、早急にD社に原因究明させるよう合人社に依頼。

平成9年5月初め頃
 理事会役員らは電柱使用料が支払われていることに気付き、合人社から説明を受けた。また管理費等は、組合員各自の預金口座から引き落とされ、広島総合銀行の集金システムを通じて同行の合人社代表名義に入金され、他のマンションの管理費等とともに集められ、最終的に管理組合の口座に分配されていたが、その間2週間程度の日数を要していた。この方式は管理組合に説明されていなかったが、同年4、5月頃理事会の求めにより説明がなされた。

平成9年5月8日
 第2回理事会開催。管理費引落方法を広島銀行に引き落とす方法に変更することとし、同年8月変更された。テレビ映りの問題について、合人社はB建設が5月1日に調査を実施したこと、特に映りの悪い6階から8階についてはブースターを付けて対応する用意をしていることを報告。電柱添架契約書の契約書名義が分譲業者であることが問題とされ、電柱添架料の負担の問題について検討することとされた。

平成9年6月11日
 第3回理事会開催。D社の社員および機械式駐車場製造メーカーであるE社の社員が出席し、機械式駐車装置故障事例についてその要因と今後の対応を説明、総点検、総整備を行うことを決定。

合人社事件 事件の概要 その1

2007年07月01日 | マンショントラブル
(事件の概要)
平成7年2月23日
 分譲業者とNTTは、本件マンション建設に伴う近隣テレビ電波障害対策のためにNTT電柱に対するテレビ同軸線添架に関する契約を締結。

平成7年3月13日
 合人社は、添架契約の契約者を分譲会社から管理組合事務取扱者に変更、その後さらに管理組合に変更。

平成7年12月26日
 分譲業者と中国電力はCATV共架契約を締結し、その後合人社代表者は管理組合名義で契約に基づく分譲業者の権利義務の一切を管理組合が引き継ぐ旨の覚書を作成したが、中国電力の記名押印はない。管理組合は年間合計約10万円を負担。

平成8年1月頃~5月頃にかけて入居
 入居者らは、承認書、管理規約、管理委託契約書等を承認する旨の文書に署名押印した。承認書には、分譲業者や合人社が周辺居住者の電波障害協定が締結された場合、管理組合とともにこれを承継する旨の記載があり、管理規約には電波障害対策施設の維持管理取替費に管理費を充当する旨の記載があった。重要事項説明書には、本件建物の建設に起因して近隣に電波障害が生じた場合は、テレビ共同視聴アンテナを設置し、これに付帯する配線等を近隣居住者が無償で使用する旨の記載があった。

平成8年3月23日
 管理組合設立総会開催、理事会役員選出。6階全体のテレビにゴーストが出ていることが明らかとなった。

平成8年4月8日
 第1回理事会開催。廊下の手摺の剥がれについてB建設会社に善処するように申し入れることを決議。理事長は合人社との間の管理委託契約書に署名押印。同契約書別表第4には、エレベーター設備および機械式駐車装置の点検・整備は定額委託料に含まない旨定められ、これら業務についてはC社が受託していた。

平成8年4月30日
 理事長は、C社作成の化学マットリース料についての見積書の発注者欄、および、C社を受託者とする機械式駐車装置点検契約書および同年6月1日付けエレベーターの点検契約書(受託者は委託業務について第三者に再委託することが認められている)に署名押印。サニクリーンは、C社に対し、モップ、マットをリース料で納入し、C社はこれを管理組合に再リースしていた。C社は、エレベーター点検をG社に、機械式駐車装置の点検をD社にそれぞれ再委託したいた。

平成8年6月20日
 第2回理事会開催。テレビゴースト発生が続いていることが報告され、合人社がB建設と交渉し次回報告することを決定。

平成8年7、8月
 B建設は、テレビ映りについての調査を行い特に問題がない旨報告したが、全住戸に対するものではなかった。

平成8年9月
 合人社は、本件マンション全住戸を対象としてテレビ映りについてアンケートを行った。