引き続き、我が地元の滋賀県立近代美術館の展覧会をご紹介いたします!
16世紀イギリスを代表する劇作家、おなじみのシェイクスピアが昨年生誕450年を迎えたのを記念して開催された本展は、大きく2つの内容で構成されています。
パート1はシェイクスピアの物語の名場面を絵画や版画にした作品や挿絵本の原画など。シェイクスピアの代表作のストーリーとともに、そのドラマチックさに触発された作家たちによる作品が展示されています。四大悲劇をはじめ簡単に紹介されているストーリーを読んでみると、いや~、ホンマにドロドロの人間模様ですな…。いつの時代、土地においても、人間の愚かさって不変だし、そういうことが人々の興味の的なんでしょうかね~。
紹介されている作家は、なんと!ドラクロワ、ウィリアム・ブレイク、ダリ、シャガールなどけっこう有名どころもいっぱい。ドラクロワの描く繊細そうなハムレットは素敵だった…。どの作家が描くどの場面も、まさにドラマチック!そんなところが、作家たちの創造性を刺激したのでしょう。
古くて立派な本もたくさん展示してあって興味深かったです。昔の本は文字のページの合間にカラーの挿絵がふんだんに挟まっており、画集のような美しさ。楽しいわ~。
そしてそれに続くパート2は、シェイクスピアの作品をテーマにした約80点の装丁本の展示です。これは、イギリスの装丁家協会「デザイナー・ブックバインダーズ」が2013年に行ったコンペティションの入賞・入選作品。京都でご活躍の日本の作家、藤井敬子さんの作品もありましたよ。
シェイクスピアの作品をイメージした本のデザイン、特には表紙がめちゃくちゃ凝っています。同じ作品でもこんなにバラエティ豊かに発想できるんだと、見ていて本当に楽しかったです。展示は表紙が見えるようになされていましたが、どうも、本誌も凝ってそうで、できれば手にとってパラパラとしてみたかったです。本好きにはたまりませんな~。
イメージしていたもの(?)より、ずっと楽しい展覧会でした。シェイクスピアの作品のことをよくご存じの方は、いっそう楽しめるのではないでしょうか。シェイクスピアの作品は、想像力豊かに文学、視覚に訴える絵画、そして立体的に五感で感じる芝居と、いかようにも堪能できます。しかも国境を越えて!改めて素晴らしさを実感しました。
展覧会は、4月5日(日)まで。桜のシーズンもまたぎますので、ぜひお出かけくださいませ!