今度、抽象芸術を解説するのでこの本『抽象美術入門』(美術出版社)で勉強中。
はるか昔から絵画は、目に見えるものを見えるがままに(本物と見紛うほどに、特に遠近法が発達した西洋においては)、あるいは描く対象物があることを前提に描かれてきたのが、その常識を打ち破った抽象絵画。と一口に言っても、表現方法とか思想はさまざま。そしてたくさんの画家がそれぞれの画風?を確立するまでには、たくさんの葛藤と理論武装があったことがうかがえます。
さて、この本の中で、すごくおもしろいことが書いてありました。
20世紀に入ってから活躍したロシアの画家、抽象絵画の先駆者のひとりでもあるカンディンスキーは、色彩、線、形に関する理論を発展させ、絵画と音楽の相似性についての考察を深めた、とのことなのですが、実は彼は特異な才能を持っていたというのです。
ある感覚が刺激されると別の感覚がそれに反応を起こすことを「共感覚」というそうですが、カンディンスキーは、眼と耳が結びついていました。何かの色を見るとそれが音になって聞こえるのですが、単に漠然とした音ではなく、特定の楽器による特定の音程が聞こえる、という緊密な関係にあったそうです。
また、ある音を聞くと、曖昧な色を喚起するのでなく、クローム・イエローとかアラザリン・クリムゾンというようにきわめて限定された色となって眼に見えるのですって!
カンディンスキーにとっては、音楽と絵画の結びつきは推論の結果でなく主張すべきことでもなく、「単なる事実」でありました。
それってどういう感覚なのかな??とっても不思議ですね。カンディンスキーの作品は音楽を想起させるって思ってたけど、そうではなく、音楽そのものを描いていたんですね~。
抽象絵画ってなかなかわかりにくくて、とっつきにくいのですが、どのように生まれたかとか代表的作家の特徴など、とても愛情たっぷりの語り口でわかりやすく書かれている本です。
はるか昔から絵画は、目に見えるものを見えるがままに(本物と見紛うほどに、特に遠近法が発達した西洋においては)、あるいは描く対象物があることを前提に描かれてきたのが、その常識を打ち破った抽象絵画。と一口に言っても、表現方法とか思想はさまざま。そしてたくさんの画家がそれぞれの画風?を確立するまでには、たくさんの葛藤と理論武装があったことがうかがえます。
さて、この本の中で、すごくおもしろいことが書いてありました。
20世紀に入ってから活躍したロシアの画家、抽象絵画の先駆者のひとりでもあるカンディンスキーは、色彩、線、形に関する理論を発展させ、絵画と音楽の相似性についての考察を深めた、とのことなのですが、実は彼は特異な才能を持っていたというのです。
ある感覚が刺激されると別の感覚がそれに反応を起こすことを「共感覚」というそうですが、カンディンスキーは、眼と耳が結びついていました。何かの色を見るとそれが音になって聞こえるのですが、単に漠然とした音ではなく、特定の楽器による特定の音程が聞こえる、という緊密な関係にあったそうです。
また、ある音を聞くと、曖昧な色を喚起するのでなく、クローム・イエローとかアラザリン・クリムゾンというようにきわめて限定された色となって眼に見えるのですって!
カンディンスキーにとっては、音楽と絵画の結びつきは推論の結果でなく主張すべきことでもなく、「単なる事実」でありました。
それってどういう感覚なのかな??とっても不思議ですね。カンディンスキーの作品は音楽を想起させるって思ってたけど、そうではなく、音楽そのものを描いていたんですね~。
抽象絵画ってなかなかわかりにくくて、とっつきにくいのですが、どのように生まれたかとか代表的作家の特徴など、とても愛情たっぷりの語り口でわかりやすく書かれている本です。