![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/85/f705f131477871ae4c6fb9db941e1290.jpg)
昨日書いたとおり、京都の相国寺へ行ってきました。
先週始まったばかりの若冲展。
すでにまわりの美術ブロガーの方が何人も行かれてて、わたしも出来るだけ早く行きたいなと思っておりました。
金曜日、おそらく明日の土曜日に行っても大丈夫だなという目処がたって、新幹線のきっぷを手配。
眠い目をこすりながら、のぞみで京都へ。
相国寺には10時ちょっと前に到着出来ました。
チケット売場で並んでると、女性に声をかけられました。
なんと、一緒に来るはずの予定の方がこれなくなってチケットが余ってるとのこと。
おかげで通常1500円のところを、1000円で譲っていただくことが出来ました。幸先のよいスタートです。
コインロッカーはないのですが、代わりにテントのところがクロークになっているので荷物を預けました。混雑してたので預けたのは正解。
さて、会場に向かっての通路に並んでじりじりと進んでくのですが、なかなか入口が見えてきません。
20分くらいたってようやく中に入ることが出来ました。
会場は2部構成になっていて、まずは障壁画や掛け軸が展示された部屋になります。その後、今回のメイン「釈迦三尊像」と「動植綵絵」33幅となるのです。
さて、朝一に行ったというのにいきなり大混雑です。
最初は正直、身動き出来ませんでした。ひとの流れに合わせてなんとな動くという感じ。
それでも合間をぬって作品に近づいて見ることが出来ました。
「厖児戯帚図」は今回、初公開ということで気になってました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/85/b19fa8c654ea0adedf73eca9e0052561.jpg)
ほうきとわんこ。ほうきが柔らかそうに描かれているのが意外でした。
しかも、色が薄い群青。
わんこは後ろで、ほうきを掃かれていても後ろをちょいと覗くだけ。
吠えもせず、逃げもせず。
このわんこは絵だけに集中した若冲自身の姿でしょうか。
掛け軸はどれもいいなと思うものばかり。
中でも好きだったのは「エイ図」、「龍図」。(※エイは魚に賁)
もちろん、3匹並んだ鯉もよかったのですが、顔つきはこの2匹に軍配が上がります。
エイって表情のある生き物ではないはずなのに、この目!これでキャラが出来上がってます。目の上あたりのシワが、額に浮き出た青筋のよう。
一方、龍のほうは体を筋目書きで描きたかったばっかりに、顔は白く浮いて見えるのです。
で、さらにこの表情だもんだから、どことなくかわいい。
本来、ここまであたまでっかちだとバランス崩しそうなものをきちんと一枚の作品に仕上げてるところはさすがです。
今回圧巻だったのが障壁画。
「葡萄小禽図」はふすまだけではなく、柱も含めて部屋を再現しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/eb/89d33bd02c95d29cf8a5a9ac7f2cc691.jpg)
もとは鹿苑寺(金閣寺)の大書院にあった部屋に飾られていたものとのこと。
この床の間、このように上のほうまで見えてますが、実際にはしゃがみこまないと上まではみることができません。
いくつもの面に渡って描かれたぶどうのつるの広がりいく様は壮観です。
と、ここまでで第1展示室は終わり。
お腹いっぱい。しかも、今回初めてのが何点も見られて大満足です。
さて、今回のメインである釈迦三尊像と動植綵絵です。
120年ぶりの再会がついに実現しました。
もともとは相国寺にあった釈迦三尊像と動植綵絵。しかし、お寺の改修のための費用を得る為に動植綵絵を皇室に献上。
釈迦三尊像と離ればなれになっていたのです。
相国寺としては気合いも入るわけです。
会場に足を踏み入れるや否や、震えました。
33幅が同じ部屋にある!
この濃密な空間に触れた感覚はどんな言葉でも伝わらないでしょう。
涙を流すような感覚ではないのですが、ほんとに全身が小刻みに震えましたね。
昨年、宮内庁三の丸尚蔵館で5回に渡って、6幅ずつ鑑賞した時でさえこのくらいで充分おなかいっぱいくらいに思ってのです。
で、釈迦三尊像も加えて33幅。
こんなのがお寺にずっと飾られていたわけですよ。残念ながら今回は3週間程度の展示で終わってしまいますが。
今回、発見したのは全幅そろっての展示だと印象が異なって見えました。
昨年、別々に見てた時に正直、マイナスイメージのものもあったのです。
例えば、貝甲図などは以前は死んだようにしか見えなかったのが、今回はそういうイメージはないのです。
33幅の大事な構成要素です。
しかも、どの絵もなんだか今回は再会を喜んでいるかのようで非常に楽しげに見えました。
長い時間見てたのは「群鶏図」「蓮池遊魚図」「老白鳳図」。にしてもどの作品も超絶クオリティーで濃厚でした。
今回はじめて見る釈迦三尊像も圧巻でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/5c/7dfb03b6d9757219efdc1fd4454e21a6.jpg)
模写とはいうもののこの画力たるや本物と張り合えるだけのパワーが出てると思います。
残念だったのは会場が混雑しててトラブルになってたこと。
係員にぶち切れしてるひとを何人も見かけました。
せっかく、動物も植物もみんな楽しそうにしてる中で争ってるのはなんだかいやだなあと思いました。
みんな、仲良く!
「動植綵絵」についての個々の感想は以前に書いてるのでよろしければこちらをご覧ください↓
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第5期(宮内庁三の丸尚蔵館)
さて、もろもろ見終わったあとに図録を買ってしまいました。2500円。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/73/bc8f7887f3158819e9cdac0165934314.jpg)
重いですが京都から持って帰ってくる価値がありました。
というのも動植綵絵が大きなサイズで掲載されているからです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/8b/6d7076103ae5491d4ab0937dffd016d2.jpg)
昨年の宮内庁三の丸尚蔵館での図録ではここまでの大きさで掲載されてなかったのです。
他にもグッズはポストカード、手ぬぐい、お菓子などなど充実していました。
京都というと東京からは遠いので行くことに躊躇しなくもないのですが、行ってみて本当によかったです!
ぜひ、行ってみてください。
「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」
2007年5月13日(日)~ 6月3日(日)
相国寺承天閣美術館
先週始まったばかりの若冲展。
すでにまわりの美術ブロガーの方が何人も行かれてて、わたしも出来るだけ早く行きたいなと思っておりました。
金曜日、おそらく明日の土曜日に行っても大丈夫だなという目処がたって、新幹線のきっぷを手配。
眠い目をこすりながら、のぞみで京都へ。
相国寺には10時ちょっと前に到着出来ました。
チケット売場で並んでると、女性に声をかけられました。
なんと、一緒に来るはずの予定の方がこれなくなってチケットが余ってるとのこと。
おかげで通常1500円のところを、1000円で譲っていただくことが出来ました。幸先のよいスタートです。
コインロッカーはないのですが、代わりにテントのところがクロークになっているので荷物を預けました。混雑してたので預けたのは正解。
さて、会場に向かっての通路に並んでじりじりと進んでくのですが、なかなか入口が見えてきません。
20分くらいたってようやく中に入ることが出来ました。
会場は2部構成になっていて、まずは障壁画や掛け軸が展示された部屋になります。その後、今回のメイン「釈迦三尊像」と「動植綵絵」33幅となるのです。
さて、朝一に行ったというのにいきなり大混雑です。
最初は正直、身動き出来ませんでした。ひとの流れに合わせてなんとな動くという感じ。
それでも合間をぬって作品に近づいて見ることが出来ました。
「厖児戯帚図」は今回、初公開ということで気になってました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/85/b19fa8c654ea0adedf73eca9e0052561.jpg)
ほうきとわんこ。ほうきが柔らかそうに描かれているのが意外でした。
しかも、色が薄い群青。
わんこは後ろで、ほうきを掃かれていても後ろをちょいと覗くだけ。
吠えもせず、逃げもせず。
このわんこは絵だけに集中した若冲自身の姿でしょうか。
掛け軸はどれもいいなと思うものばかり。
中でも好きだったのは「エイ図」、「龍図」。(※エイは魚に賁)
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エイって表情のある生き物ではないはずなのに、この目!これでキャラが出来上がってます。目の上あたりのシワが、額に浮き出た青筋のよう。
一方、龍のほうは体を筋目書きで描きたかったばっかりに、顔は白く浮いて見えるのです。
で、さらにこの表情だもんだから、どことなくかわいい。
本来、ここまであたまでっかちだとバランス崩しそうなものをきちんと一枚の作品に仕上げてるところはさすがです。
今回圧巻だったのが障壁画。
「葡萄小禽図」はふすまだけではなく、柱も含めて部屋を再現しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/eb/89d33bd02c95d29cf8a5a9ac7f2cc691.jpg)
もとは鹿苑寺(金閣寺)の大書院にあった部屋に飾られていたものとのこと。
この床の間、このように上のほうまで見えてますが、実際にはしゃがみこまないと上まではみることができません。
いくつもの面に渡って描かれたぶどうのつるの広がりいく様は壮観です。
と、ここまでで第1展示室は終わり。
お腹いっぱい。しかも、今回初めてのが何点も見られて大満足です。
さて、今回のメインである釈迦三尊像と動植綵絵です。
120年ぶりの再会がついに実現しました。
もともとは相国寺にあった釈迦三尊像と動植綵絵。しかし、お寺の改修のための費用を得る為に動植綵絵を皇室に献上。
釈迦三尊像と離ればなれになっていたのです。
相国寺としては気合いも入るわけです。
会場に足を踏み入れるや否や、震えました。
33幅が同じ部屋にある!
この濃密な空間に触れた感覚はどんな言葉でも伝わらないでしょう。
涙を流すような感覚ではないのですが、ほんとに全身が小刻みに震えましたね。
昨年、宮内庁三の丸尚蔵館で5回に渡って、6幅ずつ鑑賞した時でさえこのくらいで充分おなかいっぱいくらいに思ってのです。
で、釈迦三尊像も加えて33幅。
こんなのがお寺にずっと飾られていたわけですよ。残念ながら今回は3週間程度の展示で終わってしまいますが。
今回、発見したのは全幅そろっての展示だと印象が異なって見えました。
昨年、別々に見てた時に正直、マイナスイメージのものもあったのです。
例えば、貝甲図などは以前は死んだようにしか見えなかったのが、今回はそういうイメージはないのです。
33幅の大事な構成要素です。
しかも、どの絵もなんだか今回は再会を喜んでいるかのようで非常に楽しげに見えました。
長い時間見てたのは「群鶏図」「蓮池遊魚図」「老白鳳図」。にしてもどの作品も超絶クオリティーで濃厚でした。
今回はじめて見る釈迦三尊像も圧巻でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/5c/7dfb03b6d9757219efdc1fd4454e21a6.jpg)
模写とはいうもののこの画力たるや本物と張り合えるだけのパワーが出てると思います。
残念だったのは会場が混雑しててトラブルになってたこと。
係員にぶち切れしてるひとを何人も見かけました。
せっかく、動物も植物もみんな楽しそうにしてる中で争ってるのはなんだかいやだなあと思いました。
みんな、仲良く!
「動植綵絵」についての個々の感想は以前に書いてるのでよろしければこちらをご覧ください↓
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第5期(宮内庁三の丸尚蔵館)
さて、もろもろ見終わったあとに図録を買ってしまいました。2500円。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/73/bc8f7887f3158819e9cdac0165934314.jpg)
重いですが京都から持って帰ってくる価値がありました。
というのも動植綵絵が大きなサイズで掲載されているからです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/8b/6d7076103ae5491d4ab0937dffd016d2.jpg)
昨年の宮内庁三の丸尚蔵館での図録ではここまでの大きさで掲載されてなかったのです。
他にもグッズはポストカード、手ぬぐい、お菓子などなど充実していました。
京都というと東京からは遠いので行くことに躊躇しなくもないのですが、行ってみて本当によかったです!
ぜひ、行ってみてください。
「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」
2007年5月13日(日)~ 6月3日(日)
相国寺承天閣美術館
コメント&TBありがとうございました。
チケットのデザイン良いですね。
しかもお安くgetできたなんてラッキー!
あおひーさんの若冲への想いがこんな所でも。
第一展示室が充実していましたね。
これだけでも立派な「若冲展」名乗れます。
「動植綵絵」は三の丸で観た時と随分と
印象が違って見えました。まとまりとして
今回は「動植綵絵」を楽しめましたね。
若冲展、やはりもの凄い反響のようですね。
ブログを少し検索してみてもたくさんひっかかります。
>33幅の大事な構成要素です。
6幅ずつ楽しんだ尚蔵館も、
一点をじっくり見られるということに関しては良かったのですが、
33幅そろったあの空間の凄さはもう何とも言えませんよね。
作品を見たというよりも、
この120年ぶりの響宴と時間を共有出来て幸せだなとさえ思います。
この展示の内容の素晴らしさもさることながら、その端々から主催者の方の熱意が伝わってくるのも嬉しかったです。
決して広い会場ではないので、混雑してしまうと観難くなるのは致し方ないですね。。。
ほんとラッキーでした。美術館巡りしててこんなことはそうそうありませんからね。
「動植綵絵」は三の丸で見ててよかったです。
もし、今回初めてだったとしたら、第2展示室に何時間こもったか分かりません。
>はろるどさん
今日、アクセスを見てみたらやはり多いですね。若冲展、人気みたいです。
たった3週間だけのあの空間。あの雰囲気は言葉では伝えられないですね。
>mizdesignさん
主催者、観客、そして釈迦三尊像と動植綵絵の第2展示室。そのどれもが熱気を帯びていました。
ほんととんでもないものを目の当たりに出来て感激です。
また後日詳細をアップします。
とてもよかったですよ~。
本当に行ってよかった!!
京都だと日帰りでも楽しめますよね。
レポ、まってまーす。
ようやく若冲展の記事が出来ましたので、TBさせていただきます。
第2展示室に入ると、すぐに「釈迦三尊像」が目に入ってくるという効果は絶大でした。それだけで別世界に誘われたといても過言ではありませんでした。
ただ「動植綵絵」一枚一枚の鑑賞は混雑でとてもとても…
それが重ね重ね残念でした。
でも京都に行って、本当に良かったです。
TBありがとうございます。
第2展示室は興奮しましたね。入るなり、濃密な空間が広がってましたから。
「動植綵絵」に描かれている動物で4つ足の生き物って描かれてないなと思ってたら、「釈迦三尊像」には
しっかりと白象が描かれてましたね。
ゆっくり見れなくて残念でしたね。あの大きさの会場であれだけひとが集まってしまうとどうしても厳しくなってしまうのかもしれません。