kouzi_2007~

発火村塾 established 2007

失恋した

2019-01-11 09:34:41 | ウェブログ
去年の夏から来てくれているヤクルトさんが、地区変更になった。好きだったのに。


ジブリに来ていたヤクルトさんはもののけ姫のエボシ御前似の美人さんである。

ハヤオがスタジオでボーっとしている。おっ!という顔をして手をあげる。たちあがるハヤオ、少しテンションもあがる。
ハヤオ「なんか、久しぶりな気がする。」
ヤクルトさん「あーんお久しぶりですぅ。最近こちらには来ないから。来ないって言われた。」
ハヤオ「あっちに居たり、こっちに居たりするから。向こうで寝てると思われているみたい。」
ヤクルト「あら。www」
ヤクルトさんがヤクルトの七本パックを差し出す。財布を取り出してポケットもまさぐるハヤオ。お釣りの出ない様に払いたいらしい。すこし間ができる。
ヤクルト「いよいよですね。」
ハヤオ「うん、もうお爺さんなんで疲れきって・・・」
ヤクルト「あら、疲れきって・・・」
小銭を気にするハヤオ。

ヤクルトさん「センセ、おいくつになられたの?」

自分で振ったくせに年齢を聞かれいきなり不機嫌になるハヤオ。
ハヤオ「七十・・・七十二だよ。」
ヤクルト「あたしの母親とまるっきりいっしょだわ。」
もう面倒臭くなったハヤオ。札と小銭を適当に差し出す。

ヤクルトさんに甘えたいハヤオ。年齢を聞かれて不機嫌になる。の巻


夢と狂気の王国(砂田麻美)より。



松姫

2019-01-10 10:16:00 | ウェブログ
昨日九日、七福神めぐりを行く。
 信松院、院内の別棟で信松尼像を公開と張り紙があった。興味をそそられて見てゆくことにする。誰も居らぬと思って入ったら、受付と物販を兼ねた長テーブルの後ろに若い娘が座っていた。俺は娘に、ちょっと拝見させていただきます、と挨拶して中に入った。彼女が座していた広間には俺の興味を引く物は無かったが、その奥に三畳ほどの部屋があり、そこに信松尼像はまつられていた。彩色された坐像で、信松尼は何処を見ているのか定かでは無い虚ろな眼をされておられた。俺はその目に吸い込まれた。
「ここは初めてですか?」
不意に後ろから声をかけられて吃驚した。受付の娘であった。真白いセーターの上から掛けた緋色の半袈裟が、胸のふくらみに沿ってふわりとした起伏を作っている。それはそれは美しい娘であった。
「え?あ、まあ、そうです。」
少しキョドったが、なんとか答えると娘は
「松姫様はご存知ですか?」
と問うた。
「武田信玄の娘ですよね。」
「はい。お詳しいですね。」

信松尼 or 松姫は戦国武将武田信玄の娘で、幼いうちから織田信長の嫡男、忠信の正室になることが決まっていた。松姫が七歳、忠信が拾一歳の時である。幼い二人は、文を交わしてお互いを思いやったという。
 その後、上杉攻略に行き詰った信玄は経営方針を変え、徳川家康の領地に侵攻する(家康脱糞事件)。そしてこの時、信長は家康に援軍を送ったのである。信玄信長同盟はこの時反故となり、二人の婚約は解消された。許婚が敵となってしまった運命に松姫は何を思ったであろうか。

 武田家が信玄から松姫の異母兄である勝頼の代となると、松姫は甲斐を出て同腹の兄の仁科盛信が城主を務める信州の高遠城下に移っている。
 最初イケていた勝頼だったがカリスマが足りなかったのか、そのうちに家臣の団結を維持できなくなった。そこを信長に付け入れられてボコられて敗走するハメになり、高遠城に逃げ込んで篭城する。盛信はそんな勝頼を守って徹底抗戦し武田武士の意地を見せたが、守り切れずに戦死した。勝頼は更に逃げた。
 松姫はこの時勝頼とは別行動で八王子に落ち延びている。
 忠信は天目山で勝頼を自刃に追い込み武田家を滅ぼした後、直ぐに松姫に迎えを差し出している。松姫は忠信のもとに参ずる道中で、本能寺の変にて忠信は果ててしまったと聞かされるのである。忠信二十六歳短い命であった。失意の松姫は八王子にUターンして尼になり五十六まで生きた。
 忠信の愛を信じた松姫。その喜びと無念。死に行く男たちは守るべき女たちに、信じ続けた女たちは戦う男達に、何を賭け何を残すのか。I pray, pray to bring near the new days...

 寺の娘が信松尼像のその無を感じさせる目を見つめながら「女性の強さを感じます。」と言い、俺は娘の顔を見てうんうんと頷くのであった。

 なぜ松姫が八王子に落ち延びたのか、浅学なので知らぬ。武田の遺臣であった大久保長安が家康より八王子を与えられるのは松姫が落飾した後のことである。


参考文献
ウイキペディア 
機動戦士ガンダム
Special thanks to
寺の娘


参考URL 松姫マッピー
http://matsuhime-mappy.jp/