Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「きっと、星のせいじゃない。」

2015年03月14日 00時56分17秒 | 映画(2015)
たったひとつの希望を君に捧げる。


障害を持つということは、身体の自由のみならず精神の広がりをも閉ざしてしまうことが往々にしてある。

ヘイゼル・グレースは、良くなる見込みがない病状の下でも、両親の温かい愛情を感じてかろうじて自暴自棄になることなく過ごしているが、一方で人生を諦めてしまっているかのような日常を送っている。

そんな娘を見て心が痛んだ母親は、癒やしになればとガン患者が集まる集会へ連れて行く。気が進まないまま参加したヘイゼル・グレースに運命的な出会いが訪れる。

背景を別にすれば典型的なシンデレラ・ストーリーである。白馬の王子様が突然現れて、彼女の人生に希望に満ちた強い炎が点火する。

恋人・オーガスタスは、難病支援のNPOか何かが叶えてくれる一つだけの願いを彼女のために使う。旅先のオランダですったもんだの末に堅い絆を確かめ合う場面は感動的だ。

しかし病気を扱っている作品が避けて通れないのは悲しい運命。出会わなければこれほど悲しい思いをしなくて済んだのでは?しかし二人に後悔の念はいささかもなかった。

きれいにまとまった話だが、悪く言えば定型。希望を振り撒いたオーガスタスの方に突然の変化が起きるのも予想がついた。

それにしても、二人とも死と向かい合わせにいるように見えなかったのは、敢えてそうしたのだろうか。見かけをげっそりさせればいいのかと言われれば分からないが、出会いまでの絶望感や、ひとときの輝いた瞬間がいまひとつ観ている側に伝わってこなかった気がする。

そして本作で唯一の意外性だったオランダ作家。二人が親密になる重要な役どころではあるのだが、大きなどんでん返しと再登場の肩透かし。一本取られたと呟くのが正しいのだろうか、評価に迷う。

(65点)
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