Con Gas, Sin Hielo

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「東のエデン劇場版Ⅱ Paradise Lost」

2010年04月01日 01時10分19秒 | 映画(2010)
わが国の深夜には相当のIQが埋もれている。


壮大なスケール感を有しながら、終わり方は意外とあっけない。

もちろんそう感じたのは、本当の意味で最後まで置いてけぼりだったからなのかもしれないが、このあっさりは嫌いではない。

特に気に入ったのは、国民のことを「1億人のエゴイスト」と言い切ったことである。

高度成長なんて夢が再び来るはずもない中で、誰もが常に少なからず満ち足りぬ思いを抱えている。

総理大臣なんてのは、そんな1億ものうっくつした不満をいかになだめるか、もしくは不満のはけ口になるかしか役割はない。

ここまで直接言ってはいなかった気はするが、作者の思惑とは当たらずとも遠からずといったところだと思う。

作品は、豊洲を聖地とするニートたちの存在を象徴として描く。

彼らは「滝沢、ぜってーつぶす」と壁に書き殴りながらも、滝沢の出現を心待ちにして日々の活動を始める。

ベクトルはどうあれ、滝沢は彼らを動かした。動くことは力であり、ここにMr.OUTSIDEの問いかけに対する一つの答えがある。

こういう考え、昼のお天道様の下ではなかなか考え付くまい。

ヒロインである咲の存在感の薄さがやや物足りなく感じたが、そこそこ楽しめる作品だった。

今の政権の迷走ぶりが国民全体の負のパワーを引き出すための芝居だとしたらとてつもない高等テクニックだが、まあそんなことはないだろう。

(70点)
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