Con Gas, Sin Hielo

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「白ゆき姫殺人事件」

2014年05月05日 08時02分02秒 | 映画(2014)
真央といえば、断然井上。


明るく元気な印象が強い井上真央が、ひたすら地味なOL役に扮しているという本作。

別にオスカー俳優のように物理的なアプローチをしているわけではない。それでいて、同僚役の奈々緒と並ぶだけでその立ち位置に説得力を持たせているのは、やはり人というものは見た目+αの部分が大事だということにほかならない。

普段の表情で口角を下げてみる。つまらなそうだな。おどおどした態度をとる。この人、自信がないのかな。

地味なOL・城野美姫が笑顔になれるただひとつの瞬間は、自らの空想の世界に浸っているときだけ。「そのうちいいことあるかな」と呟きながら、ほとんど報われることなく大人になってしまったとてもとても悲しい物語なのである。

それは彼女の性格に問題があることは確かなのだが、この映画、出てくる人物の誰もがどす黒くて嫌になる。

後輩OL、チャラいテレビ局の派遣職員、大学時代の親友や実の両親まで、必ずしも美姫を守ろうとはしてくれない。湊かなえだから仕方ないのか。

それでもたった一人の味方、引きこもりになってしまった小学校時代の友達の存在が、彼女を再び明日へと歩ませる。真犯人が分かってもどす黒く腐った世界は何一つ変わることないのに。

表現は大げさな部分が多いけど、思い当たる節がないわけではない。便利になっているはずなのに、より良い世界にしようとしているのに、何故かとても生きにくく感じる。

空想とは違うけど、井上真央は一服の清涼剤だ。笑顔は少なかったけど、違った一面を十分に堪能することができた。

(65点)
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