Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「ローラーガールズダイアリー」

2010年10月10日 01時15分29秒 | 映画(2010)
覚悟を、後押し。


なにしろE.ペイジが好きなもので、まずはDVDになる前に観られてよかった。

次に、ローラーゲームが流行ったころは物心つく前だったこともあり、ルールが分からないことで影響がないかと若干心配していたのだが、序盤のチームメイトの言葉にあったように勝敗とは別のところに結構見どころのある競技のようだということが分かったので、これも問題なかった。

カテゴリーとしては、世間的なイメージも含めて女子プロレスに近いのかもしれない。そうなれば母親の懸念はよく分かる。

主人公のブリスは、特に取り得もない平凡な高校生。若いなりに反抗しようとしながらもいつも中途半端で、結局母親の押しつける美少女コンテストらしきものに出続けている。

「インセプション」での頭脳明晰な女子大生から冴えない高校生へ。でも、どちらも原石的な初々しさという共通項の中でハマるところが彼女の魅力だ。

何か確かなものをつかみたいと思っていたところに降ってきたのがローラーゲームで、ブリスに意外にも才能があったというのは飛び道具ではあるが、同じ華やかな世界でも好対照な美少女コンテストとの組み合わせが楽しい。

自分がかなえられなかった夢を子供に強いる母、日頃の行動にこそこそ感が漂う父。前半はブリスの心中と同様に、ただ邪魔で軽い存在にしか見えないのだが、この映画の良さは、子供にとって唯一無二である両親の姿が、主人公の成長に併せて観る側にもつかめてくることだ。

原題の"WHIP IT"は劇中、競技の場面で出てくる。相手の選手を抜く役割の人の手を引いて加速させるのがそれだ。

団体競技を家族に、前へ進む選手と加速させる選手を子と親の関係に、分かりやすくもさわやかに対比させる。

D.バリモアは今後も監督を続けていくのだろうか。小品ではあるけど、こういうさわやかな映画は時々観たくなる。

(70点)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「シングルマン」 | トップ | 「ナイト&デイ」 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうなんだ! (mezzotint)
2010-10-10 23:26:20
今晩は☆彡
わあ~クラムさん、知らない(汗)
その昔東京ボンバーズというチームが
かなり活躍していたんですよ。
これ知っている人、年齢ばればれかも。
そんなローラーゲームが今もアメリカでは
盛んなので驚きました。
まあそういう認識でいたのは私たち世代かも
知れませんが。。。。
今や凝りに凝った作品が多い中、こういう
シンプルなガールズムービーがとりわけ
新鮮に感じますね。エレン・ペイジがお好き
なんですね。世の男性(皆じゃないけど)
彼女のファン多いですね。
リンク、早速ありがとうございます!
私も急いで登録させて頂きますね。
返信する
ひと世代差? (クラム)
2010-10-12 00:21:58
mezzotintさん、こんばんは。

ひょっとしたらチャンネル権がなかったから知らないだけかもしれませんが、
東京ボンバーズは後になって名前だけ聞いたことある状態です。

でも、流行りモノっていいですよね。
特に、流行の波が大きくて短いほど共有した同士間に連帯感が広がります。
流されてしまいがちな日々にふっと昔に出会うと安らぐんですよね。

ところで、リンク登録ありがとうございました。
身に余る紹介まで付けていただいて・・・。
理系の学歴のくせに、つい文章をこねくり回したくなる性分で、
だから文章のことをよく言われるのがいちばんうれしいです。
改めて、これからもよろしくお願いします。
返信する

コメントを投稿

映画(2010)」カテゴリの最新記事