Con Gas, Sin Hielo

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「ファインディングドリー」

2016年08月07日 06時05分27秒 | 映画(2016)
ああ、クリーブランド。


L.ジェームスが死ぬ思いで52年ぶりの地元チーム優勝をもたらしても、おさかなさんにとって内陸部の工業都市には夢も希望もない。

美しいカリフォルニアの海と海岸に建つ海洋生物研究所を舞台に繰り広げられる冒険物語は、13年前に大ヒットした「ファインディングニモ」の続篇である。

当時からCGアニメの技術は大きく進化を遂げたことだろう。打ち寄せる波、漂う海藻、魚の群れ等の映像は細やかな質感や色合いが非常に美しく、エンドロールの奥の方まで具がたっぷりである。

前作屈指のキャラクターである忘れん坊のナンヨウハギ・ドリーを主役に据えた物語も巧く作られている。

酷い時には3秒も経たないことを忘れてしまう彼女を使って、どう破たんしない話を紡ぐのか制作側は苦労したらしいが、深く刻まれた記憶は明確に切り分けられており、親子の再会には素直に感動できた。

本作で新たに登場するキャラクターも設定から活躍の場の提供までそつがない。ミズダコ、ジンベエザメ、シロイルカ、そしてラッコと、少しうるさいと感じることもあったが、見た目が様々で基本的に観る側を楽しませてくれる。

ただ、なんだろう。欠点はないのだけれど、本作には目を見張るような新しい発見はないと感じた。やはり続篇なのだ。

続篇が持つ宿命と言えるかもしれないが、「そつがない」というのは賛否を込めた形容詞なのである。一度みたものの枠を超えない範囲では非常によくできているということだ。

このあたりは、Appleが発表する新製品に対する期待に近いのかもしれない。もはや想定を超える驚きがないと失望を表明されてしまうような。毎年そんなサプライズなんてできないって。

今回も例によって字幕版が上映されている都心の映画館で観たのだが、SIAの"Unforgettable"は良かった。日本語版だと八代亜紀が歌っているようで、それはそれで味があるかもしれないが、SIAの耳に引っ掛かる声が好きなので、ここはやはり字幕版に軍配を上げたい。

(70点)
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