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「ターミネーター:新起動/ジェニシス」

2015年08月30日 01時02分22秒 | 映画(2015)
過去から2017年まで一気に上書き。


シリーズとしては第5作めながら、J.キャメロン等をもって実質的には「1」と「2」の正統な続篇と言わせている本作。

それなりに楽しめたけど記憶に残っていないということから言えば、よほどの出来映えでない限り、永遠に「3作め」を作り直す羽目になるのかもしれない。そうした意味で「2」の存在は大きいと言えよう。

元々はA.シュワルツェネッガーがカメオやCGではなく本格的に復帰するというのが最大のウリであった本作。それだけだと正直時間を割いてまで観ようとは思わなかったのだが、「J.キャメロンお墨付き」という看板にはさすがに反応してしまった。好むと好まないに拘らず、完璧主義の監督が認めた作品とはどうなっているのかという点に興味は膨らまざるを得ない。

本作の主人公はカイル・リースだ。抵抗軍のリーダーとなったジョン・コナーに助けられ、ジョンの誕生を守るため(作るため?)時空を越えて過去へ向かうというのが既定のおはなし。

しかし、今回カイルが辿り着いた過去で待っていたのは、聞いた話とはまったく違う世界であった。

「1」の冒頭で登場した、地球上初めてのターミネーターが何故か別のターミネーターに打ち負かされる。カイルを待ち受けるT-1000型ターミネーターがいる。カイルを知るはずのないサラ・コナーが助けに来て、しかも既に戦士になっている。

一度にたくさんの謎がぶちまけられて、誰がどうしてこうなったのか、未来と過去を繋ぐ糸の結び目を少しずつ解くように話が進む。

磁力で分子を構築する最新・最強のターミネーターが登場するが、「審判の日」や機械との戦いよりは、上述の謎解きの方に重心がかかっているように思えた。

だから話として確かにおもしろい。これをキャメロンが認めたということは、ターミネーターはタイムトラベラーの話だったんだと目からウロコ。

ただ、タイムトラベルに付き物のパラドックスは、少し突っ込めばおそらくてんこ盛りであろう(一つ挙げれば、サラがカイルを信じるきっかけとなった手のひらメッセージは、その後サラがカイルに授けたもので、メビウスの環状態になっているが、これはカイルとジョンの関係と同じか)。

加えて、いかにも悪役顔のジョン・コナー(J.クラーク)。E.ファーロングもすっかりすさんでしまったが、もう少し線の細い人に演じさせたら、より謎解きがおもしろくなったのではないかと邪推する。

サラ・コナー(E.クラーク)も今までの印象に比べると、何と言うかかわい過ぎる。かわいいは正義なので大いに満足なのだが、戦いの迫力が少し削がれたことは否めない。タイムトラベル・ミステリーだからこその配役なのかもしれないが。

シュワ氏は、初期型のターミネーター(T-800)は表面が劣化するという設定を味方に普段どおり。でも、それなら最後のバージョンアップで若返る選択肢はなかったのかな?と、意地悪を言ってみる。

あと、続篇はいらないかな。それなりにまとまったし、シュワ氏の年齢を考えればもう十分かと。

(75点)
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