本当に何でもありと思ってるの?
W.アレンといえば恵比寿ガーデンシネマ。
就職して東京に出てきたのと時を合わせて開館したこの劇場が、年明けの1月29日で休館するという。
「世界中から選び抜いた優れものぞろいです。」というバブル期の言い回しが残る予告篇のメッセージもこれが見納めと思うと感慨深い。
その17年間の締め括りとして選ばれたのが本作である。
口数の多い小難しい老人が主役。と聞けば、アレン本人でまったく違和感がないと思うのだが、今回彼は出てこない。
ただ実際のところは彼が出ていなくとも全篇を通じて流れる空気はほとんど変わらない。男がいて女がいて、知り合いが出てきて、話がねじれていく。
なんだかんだつまらないことが多い世の中だけど、そうそう捨てたものでもない。
原題の"Whatever Works"は「うまくいくなら、何でもあり」。タイトルで宣言してるんだから、話のまとめ方が強引なんて言うのは野暮だよってこと。
でも、今回のアレン節は真っ直ぐ心に入ってこなかった。
それは、登場人物のハッピーエンドが、一様に過去との決別を経て語られているからである。
新しい人を好きになったメロディ、貞淑な妻から奔放な芸術家へと転身した母、忌み嫌っていた同性愛者として生まれ変わった父。
彼女らの幸せは伝統や宗教といった呪縛からの解放が必然であったわけで、裏を返せば保守的思想の否定を通じて、必ずしも多様性を認めていないのである。
アレンってこんな考えしている人だったっけ・・・ともやもやした感覚を残して、最後の恵比寿を後にした。
(65点)
W.アレンといえば恵比寿ガーデンシネマ。
就職して東京に出てきたのと時を合わせて開館したこの劇場が、年明けの1月29日で休館するという。
「世界中から選び抜いた優れものぞろいです。」というバブル期の言い回しが残る予告篇のメッセージもこれが見納めと思うと感慨深い。
その17年間の締め括りとして選ばれたのが本作である。
口数の多い小難しい老人が主役。と聞けば、アレン本人でまったく違和感がないと思うのだが、今回彼は出てこない。
ただ実際のところは彼が出ていなくとも全篇を通じて流れる空気はほとんど変わらない。男がいて女がいて、知り合いが出てきて、話がねじれていく。
なんだかんだつまらないことが多い世の中だけど、そうそう捨てたものでもない。
原題の"Whatever Works"は「うまくいくなら、何でもあり」。タイトルで宣言してるんだから、話のまとめ方が強引なんて言うのは野暮だよってこと。
でも、今回のアレン節は真っ直ぐ心に入ってこなかった。
それは、登場人物のハッピーエンドが、一様に過去との決別を経て語られているからである。
新しい人を好きになったメロディ、貞淑な妻から奔放な芸術家へと転身した母、忌み嫌っていた同性愛者として生まれ変わった父。
彼女らの幸せは伝統や宗教といった呪縛からの解放が必然であったわけで、裏を返せば保守的思想の否定を通じて、必ずしも多様性を認めていないのである。
アレンってこんな考えしている人だったっけ・・・ともやもやした感覚を残して、最後の恵比寿を後にした。
(65点)
のれませんでしたか、、、。
やはり好き、嫌いが分かれる作品なのかも。
登場する人たちはそんなに共感出来ません
でしたが、まあこんなのもありかなあなんて
思って観ました。ただあのボリスのまくし
立てるセリフには疲れました。あのキャラは、
やはりウディ・アレン自身の感じていること
の代弁者だったようですね。
本国では何故か評価低かったようですね。
どんな理由なのかなあ?
W.アレンは大好きで毎年作品を心待ちにしているくらいです。
乗れなかったのは、単純に思想のズレだと思います。
私はかなり保守的なので、
遠まわしではあれ、登場人物や話の流れが
保守的な思想に対して否定的にとれた部分が
イマイチだった第一の要因です。