Con Gas, Sin Hielo

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「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」

2017年09月17日 00時02分24秒 | 映画(2017)
あー古傷が痒い。


プレミアムモルツのCMツイートが炎上しているとの記事があった。どうも水原希子はネット社会では人気がないらしい。

確かに万人が認める美人よりも個性的な顔立ちと言った方がしっくり来る。このひとのどこがいいの?と思う人がいてもおかしくないが、どこか他者とは違う引っ掛かりがあることも確かである。そうでなきゃ外国のアーティストのPVに起用されたりはしないだろう。

本作で彼女が演じる役は、奔放な振る舞いで周りの男を振り回す女子・あかり。昔の言葉で「小悪魔」という呼称があったが、器量が良い女性にちょっとでも気がある素振りをされると男は見事なまでダメになる。

水原希子はそんな取扱注意な悪女を生き生きと演じている。決して良い印象の役ではないが、その程度のことは意に介さずという感じで良かったと思う。

一方、あかりに振り回される主人公・コーロキを演じたのは妻夫木聡。様々な役をこなす彼だが、もともと優しい外見なのでこの役はハマっている。

コーロキは奥田民生を大人の生き方の実践者として崇拝している。

何事にも動かされずわが道を行く。肩肘を張らずに気楽に生きる。

そういった人生を理想とする人は多いと思う。でも、コーロキに限らずたいていの人にとって、その境地は夢のまた夢。

ただ最近思うのだけれど、いつの間にか時間は流れていて、周りには年下が増え相対的に経験値が高くなっていて、自分が変わったつもりも成長した覚えもまったくないのに、それなりに誰かに物事を教えたりしている。

奥田民生もかつてはアイドル的に扱われていたこともあったし、UNICORNのメンバー脱退や解散という事件もあった。長い道のりを経ていまの奥田民生に辿り着いたのだ。

自分が理想にどれだけ近付いているのかは分からない。そもそも理想が本当に目指すべき道なのかどうかも不明な中で、自分と折り合いを付けて進んで行くのが人生なんだとつくづく思う。

捉えどころはこのような感じで極めて分かりやすいのだが、仕方ないとはいえ登場人物の世界が狭くて限定的なのは少し残念だった。「すべて狂わせる」と掲げておきながら出てくる男性の範囲が著しく狭い。

そして、クライマックスに関係する人物が集結する場面は展開が吹っ飛びすぎていて、その後の情景も含めて頭の中でうまく収めることができなかった。

(65点)
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