Con Gas, Sin Hielo

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「ヒロイン失格」

2015年09月23日 22時40分23秒 | 映画(2015)
桐谷美玲がすべてを背負う映画。


かつての栄光が色あせた中で、原点回帰として純粋な恋愛ドラマを放映したフジテレビの月9。結果は、大成功とも失敗とも言えない微妙なラインだった。

刺激を求める傾向がますます強くなる昨今、話題を呼ぶのは「超」がつく大作と問題作ばかり。その一方で恋愛ドラマは、事務所の力が強いタレントを主役に据えたお手軽作品として生き永らえているのが現実である。

本作の主演は桐谷美玲。ほぼ万人が認める美人で男女を問わず人気のある彼女が、「別冊マーガレット」で連載したコミックの映画化作品に主演するというだけで、大ヒットとはいかないまでも、ある程度の成功は約束されているように映る。

製作に名を連ねる日本テレビを中心に、公開日を中心に彼女を大露出して更なる上積みを支援する。手法の良し悪しはともかく商売としては実に手堅い。

ただマーケティングとその成果が固定化するほど、作品の質への期待値は相対的に減じる。簡単に言えば、人気者を据えて宣伝をきっちりすれば、映画の素材はなんでもいいということにもなりかねないということである。

テレビでの宣伝を見ると、桐谷さんが普段のイメージとは程遠い変顔などコメディエンヌぶりを発揮するのが一つの売りらしい。

なるほど、彼女自身この作品が大好きだったと公言しており、ある程度の気持ちは伝わってくる。でも、原作ファンには申し訳ないが、話がまったくおもしろくない。

「私が好きな人か。私を好きな人か」と前面に出してはいるが、どう考えてもはじめから結果が分かっている争いを引きずるだけで、どきどきも共感もない。

特に「ヒーロー」である利太の優柔不断ぶりが酷過ぎて、どうにも収まりの悪いハッピーエンドになっているところが致命傷である。

山崎賢人は、朝ドラの「まれ」でも三角関係で選ばれる男性を演じていたが、相手の柳楽優弥が良かっただけに、結果として評判を下げているように見受けられた。老婆心ながら、売り方を再考した方がいいのではないか?

利太のライバルとなる坂口健太郎は人気のモデルらしいが、コリアン・エンターテインメント風の顔立ちは、初見で「イケメン」と断言するのに少し違和感を覚えた。

違和感といえば、福田彩乃の高校生役はあり得ないレベルだ。彼女は美人だとは思うが、この役にあてがう必然性はまったくない。

とまあ、口を開けば文句だらけなのだが、結局桐谷さん見たさで足を運んでいたのだから、それを裏切らないかぎりは「金返せ」というほどでもないのも事実なのである。

(40点)
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