Con Gas, Sin Hielo

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「クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」

2016年05月04日 19時53分49秒 | 映画(2016)
こなれているけど、引っ掛かる。


多彩な方面で才能を発揮する劇団ひとりが脚本を手掛けたことで話題になっているシリーズ最新作。

頭のいい人だし、引き受ける以上はシリーズに関する知識や愛情があるのだろうと想像し、否応なしに期待が高まる。

ただ結果から言えば、ここ数年の作品の中ではイマイチなデキだったと思う。

「クレしん」特有の(時にはお下品な)ギャグ、映画版ならではの家族や友情を絡めた感動といった要点はしっかりと押さえられ、それぞれ作品の盛り上げに効果を上げていた。

では何がイマイチだったのかと言うと、その先は個人の好みに依ってしまう部分も大きいのだが、全体のストーリーが上手く流れていなかった気がした点である。

例えば、誰にも心を開かなかった転校生サキちゃんが、カスカベ防衛隊に対して次第に期待を抱いていく筋書きは、もう少し丁寧に描けたのではないか。

特にしんちゃん以外の4人は、友達になろうと言ったはいいが、夢の事件をきっかけに一度はサキちゃんと距離を置こうとしてしまっては、過去に幼稚園で遭った子たちと特別な差があるように見えない。

特別といえば、ひろしとみさえは今回も子供たちのためにひと肌もふた肌も脱いでみせるわけだが、この顛末にもすとんと落ちてこないものがあった。

夢を見る力を吸い取ってサキちゃんの悪夢に対抗するというのがユメミーワールドの世界観である。子供は夢を見る力が大きく、大人になるほど小さくなるという一律の設定は一見理解しやすい。

でも、とても大人とは言えないミッチーやヨシリンが大人扱いされていたり、ひろしとみさえがいかにもな行動や言動をするだけで子供扱いにシフトしたりする様子を見ると、設定があまりに大雑把過ぎて残念ながら醒めてしまう。

ひとつひとつのギャグには光るものがあっただけに、最後に圧倒的な感動を味わえなかったのはもったいなかった。石好きのボーちゃんが隕石を超えて小惑星になって降ってくるところなんて、かなり好きだったのだけど。

次回以降も脚本や製作に携わっていくのであれば、それはそれで期待したいと思う。

(65点)
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