少し前に北海道で買ったあずき。もったいないからな〜と思い、大事にしまっていた。帰りの空港の売店で、こんなにキラキラしているのかと感動し、使うあてもなく買ってしまったものだ。あずきと言えば、祖母がまだ生きていたころ畑で作っていた。そのあずきよりもぱんぱんに実が入って艶々だ。祖母と曽祖母と3人で、家の車庫の前で収穫したあずきを鞘と分ける作業をしたのを今でもよく覚えている。とても寒くて、乾いた感触。家の小屋にあった「とうみ」をそのとき初めて使った気がする。祖母と曽祖母との時間は、もう20年も前のこと。
北海道で買った艶々のあずき。赤飯にするか、それとも茹ででサラダにして食べるか。そんな妄想を膨らませていた。魔法瓶にあずきと熱湯を入れて一晩を置くと、茹であずきが出来上がるというのもテレビで見たことがあった。しかし、こういうときの私は優柔不断。パートナーの一声で、「あん」を炊いてみることに。私の選択肢には無かった案だけに、自分でも意外だった。たまたま先週。映画「あん」を見たところだった。あんな丁寧な作り方ではなく、年末に母が送ってくれた電気圧力鍋を活用。素朴な、ちょっと塩気の強い「あん」ができた。出来たてのあんは色、匂いがたまらない。二人で小皿に持って美味しくいただいた。一度にたくさんは食べれないので、少しずつラップに包んで冷凍。その後は、たまにの贅沢気分で、朝食を小倉トーストに。お供は、パートナーが焼いてくれたコーヒー。こんな私の生活を、祖母たちはどんな顔で見ているだろう。