赤い傘と一杯の珈琲とちょっと一息

なんとなく考えたことを書き留めていきます。

向き合う瞳

2020-12-03 | 映画
■ひさしぶりに「ブタがいた教室」をAmazonプライムで見た。何よりも子どもたちの演技にひきこまれる。こんなに真剣に、そして自分の頭で考え、自分の言葉で伝えようとするのか。そんな場が成立することは、人生の中においてすごく特別なことのように思う。
■向き合いたいと思っても、相手が同じように向き合おうとしてくれない場合も多い。それが悲しくもなることもあるけど、それはそれで仕方がないことのように思う。大事にしたいことは、人によって違うから。いつでも両者の間にピーちゃんのような存在がいるわけではないのだ。でも、だからこそピーちゃんが必要だったのであり、ピーちゃんをみんなで育てていく日々の苦労のように、そのような存在をともに構築していくプロセスが重要なのだろう。
■向き合いたいと思っていろんなことをぶつけてみるも、なかなか向き合ってくれない人との関係を連想して。難しいのは、相手が向き合ってくれないのにも関わらず血縁を理由として、ある程度の関係性を望んでくることだ。


3月の映画メモ

2020-04-01 | 映画
◆間奏曲はパリで
◆レディ・バード
◆ブラック・クランズマン
◆最高の人生のはじめ方
あっという間に4月になってしまったので、3月の映画の振り返りをば。ずっと見たかった「ブラック・クランズマン」がやはり印象深い。アメリカ社会における人種間のなくならない溝をとてもリアルに描いている。目線が鋭い。描かれがちな「人種間を超えた絆」は幻想なのかもしれない。3月は映画の本数が少なめだった。


2月の映画メモ

2020-03-07 | 映画
■日日是好日
茶道を通して生きることを考える。音の演出が秀逸。視覚と音だけしか伝わらないはずの映画なのに、匂い、温度なんかを感じた。
■未来を花束にして
1912年、ロンドン。女性参政権運動の歴史。対等には扱ってもらえない上での要求という過酷さを描く。
■ヒトラーの忘れもの
戦後のデンマークに残された2つの忘れ物。一つは、負でしかないもの。そして、一つは希望。
■エルネスト
チェ・ゲバラと共に戦った日系人の話。ナショナリズムは難しい。
■セイフ・ヘイブン
人生における「やりなおし」を描いた作品。
■家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。
夫婦関係を描く作品だけれど、終始違和感。なんだろう。
■トゥルーマン・ショー
2回目。何度見ても面白い。自分が思っている普通って自分が「普通だ」と思い込むことによって構築されているんだなあ、なんて考える。
・・ ・・ ・・
気がついたら3月になっていた。1月中旬ごろから、少しずつ感染拡大をしてきている新型コロナ感染症。もうそれから1ヶ月以上も経ったのか、と。突然の「学校の臨時休校」宣言に大して、教育現場はもちろん、様々なところに影響が出ている。関係している子ども支援界隈は、自粛するものもあれば、「こんな時こそ」と支援を続けるものもある。いろいろな社会の営みの斬ってもきれない関係を思い知らされる。自分のやっていることが無意味だなと感じる。


証明すること

2020-01-28 | 映画
映画で考えたことも少し書き留めておきたい。名付けて、振り子式映画館走(走る振り子式映画館の感想ということで)。
振り子式映画館走の1本目は、「肯定と否定」という作品。公開当初から見たいと思っていて、そう思っているうちに公開期間が終わってしまって1年後に見れた映画、それが「肯定と否定」。原題は単純に「Denial」となっている。1994年に起こったホロコーストを研究するアメリカ人歴史学者のリップシュタットと否定論者のアーヴィングとの裁判を描いた作品。これが90年代の事件なのか、というのを改めて思うと、今の世界的な右傾化、右派ポピュリズムの台頭のはじまりのまさに象徴的な出来事であったのかもしれない。
「真実」というものは何か、考えさせられる。細かな事実の蓄積と、それらの細かな破片の繋ぎ合わせによって歴史は作られ、歴史家たちによってさらに精緻なものへと作り直され、作り重ねられてきている。そんな歴史家たちの緻密で誠実な作業の尊さを感じる。それがまさに専門性なのだろう。しかし、その作業は論理的でありながら、専門化され過ぎているがゆえの弱点ももっている。1つの事実でもって否定することは簡単で、その「否定」はとても大きな「印象」を残す。その「印象」と信じたい物語でもって、多くの人を圧倒するというのがアーヴィングの技であった。
昨年の秋、友人と「主戦場」を見に行ったことを思い出す。問題の構造はそっくりだ。
偉い人、権威ある人が言うんだから間違いない、と考えてしまうことも多い。でも、自分の頭で考え、観察と裏づけの積み重ねを怠らないこと。そんな態度がやはり必要なのだと思う。
否定と肯定(予告編)
映画『主戦場』予告編

振り子式車両の功罪

2020-01-21 | 映画
松本と名古屋を行き来する特急しなのは、振り子式車両が使われている。山の合間を走っていく電車が、スピードを落とさずにスムーズにカーブを曲がり、安定的な走りができるための仕組み、とのこと。しかし、この振り子式車両は、車体が左右に大きく揺れるため、酔うことでも有名。電車の揺れで読書ができないし、2時間ちょっとの時間がもったいないなあと感じていた。
そこで思いついたのが映画を見ること。タブレットを席のテーブルに立てかけて置いて、予めダウンロードした映画を再生。ちょうど1本の映画が終わる頃には目的地に着くという。
早速やってみたところ、少し酔ってしまうけど、映画に集中していれば酔いもひどくならないし、悪くはないかも。映画を見る時間を確保できないでいたということもあり、大事な時間になりつつある。
2019年末から最近まで見た映画を忘備録として記録。
・あん
・怒り
・肯定と否定(Denial)
・ワンダー 君は太陽(wonder)
・ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち
・サーミの血
・スターウォーズ エピソード9 ※映画館にて